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【感想分析】アニメ『幼女戦記』 第10話を視る!

物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「作り手の視点」の感想を読むことで、作り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『幼女戦記』の第10話「勝利への道」の感想分析をします。

ちなみに原作は読んだことはありません。
※ネタバレあり

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10話「勝利への道」のあらすじ

その日、帝国の最高統帥会議にて、ゼートゥーアとルーデルドルフは高級官僚たちから叱責されていた。帝国軍はライン戦線右翼を大幅に後退し、すでに西方工業地帯までもが重砲の射程圏内に捉えられつつある状況であった。官僚たちは、このままでは軍部に不本意な政治的措置を講じる必要もあると戒めるが、そうした官僚勢の訓告に対しても、ゼートゥーアとルーデルドルフは全く動じることなく、静かに時を待っていた。同じ頃、ターニャを始めとする第二〇三航空魔導大隊の精鋭数名は、シューゲル技師の開発したV-1ロケットにて敵の防衛線を飛び越え、共和国のライン方面軍司令部に潜入。「衝撃と畏怖作戦」と名付けられた極秘計画が、着々と進行中であった。

「幼女戦記」公式サイトより引用

感想

今回は、「戦争終結大規模作戦の成功回」。

ターニャの大隊が作戦を成功させ、それによって一気に撲滅作戦が成功へと。
主人公ターニャがあまり活躍するような話ではないですが、面白かったです。

前回に博士との掛け合いがありつつ、バビューンと人間ロケットで飛んでいって、盛り上がりはしたのですが、作戦自体はアッサリしたものでしたね。
ターニャはハズレで、活躍は暗殺術を披露したぐらいで(笑)
後は作戦成功の知らせを受け、「ウヒョー」という顔芸を披露したぐらいで(笑)
また、帰りに何かヤバいことが起きるのかと思っていましたが、そうでもなかったし。
大作戦のわりに、主人公のターニャとしての活躍はいまいちでした。

そして、大隊の作戦から『回転ドア』作戦、フルボッコ作戦です(笑)
幼女戦記は、フルボッコが好きですね。
そして毎回フルボッコは、きちんと工夫しています。
今回でいうと地下爆破とか、戦車登場とか、火炎放射登場とか。
フルボッコを楽しむのも、幼女戦記ならではなのでしょうかね。

ラストは、大勝利しコレで戦争が終わる!と思わせといて、アンソン大佐が登場!
皆さんも「アンソン大佐、キター!」と叫んだことでしょう。
その前には「グランツー!」と叫んだことでしょう(笑)
アバンでも登場してましたが、なんともイっちゃってる感じでしたね。
家族にも連絡しないなんて、娘さん泣いてるのに。神は何をしちゃったのでしょうか。
しかし、あの眼帯は何だろ…目ケガしたっけ?神のせいで中二病が発生したんじゃ…(ブルブル。笑)

お笑い担当のCパートは、潜水艦での就寝シーン
中の人の「寝息芸大会」です(笑)
それにしても、グランツがやられた後での、ゆるいグランツ話となってます。
グランツがやられる「逆前フリ」でしょうか。
時系列でいうと、ヴィーシャに敵とみなされ殴られたのは、グランツがやられる前フリだったのでしょうか。ああ、哀れグランツ…
でも、たぶん生きてると思うけど(笑)
逆に、こういうシーンを次に持ってくるということはそうなんだろうな。
やられた時にバリアはってたし。
いや、待てよ…ヴィーシャに殴られたから変に警戒が強くなって、射撃音がしてヴィーシャを思い出し、ついビクッとなってバリアはったのかも。ヴィーシャが未来予知して救った?(笑)

そんな感じで、面白かったですね。

分析

それでは、技術的なポイントを視ていきましょう。

ターニャのキャラクター

ターニャの活躍はあまりなかったですが、キャラクター表現はしています。

まず、作戦成功の知らせを受け「ウヒョー」と「顔芸」してました。
顔芸はターニャのお家芸です。ターニャならではです。
始めの方の回では、やりすぎでギャグ感が強くなりすぎてましたが、たまにやると効いてきますね。
ところで、この顔芸はある意味「おっさん感」をかもしだす表現といえるかも。
この娘はおっさんですよ、と忘れないために(笑)

そして、大事な「幼女感」も出していました。
潜水艦で起きた時のアクビ。可愛かったですね。

さらに、ターニャといえば「語り」。
毎回、大隊で部下に向けてのセリフは面白いですよね。
寝込みのセレブリャコーフ少尉に、イタズラを働くアホは誰も居なかったかね?
タダ酒を一生分のめると保証しておくぞ」とか。今回もノリノリな語りでした。
むしろ、「部下との信頼関係」が感じれるセリフなのかな。
部下との信頼関係を行動で表すより、セリフで表すみたいな。
ターニャの心の変化が、語りでも表れているのかもしれませんね。

ストーリー構成

今回のお話の流れは、大作戦が成功するかどうか?から、作戦成功しフルボッコとなり大勝利目前、そしてアンソン大佐の登場となっています。

前半は、ターニャたちの大隊が成功するかどうかの緊張のシーン。
緊張」を盛り上げるための工夫がなされています。

大隊の作戦中の緊張。普通だったら主人公のターニャがアタリをひいて、司令部を破壊するのですが、ターニャはハズレと。
主人公がアタリだと、作戦が成功する感じが強く高まってしまい、視聴者は「まあそうなるだろうな~」というユルイ緊張でみることになります。
しかし、主人公がハズレなので、視聴者はよくわからなくなり、成功するかどうかの緊張感がすごく高まります。
主人公が活躍しないのは物足りないですが、もしアタリで活躍しても内容はたいした作戦でないので、あまり効果はないでしょう。後々に大きな活躍(アンソン大佐とのバトル)があるので、ここはスルー。

次に、会議室での緊張。
もし、司令部の人が黙って報告をまっているだけだと、多少は緊張がおこりますが弱いです。
会議で、作戦の意図がわからず、司令部の人にアレコレいうお偉いさんがいることで、逆に緊張が高まっています。
彼らの「焦り」が、大隊の作戦に「焦り」を追加し、緊張をより強めてます。
対比として司令部の人の「冷静さ」が、またいいですね。

そして、大隊の作戦が成功しフルボッコ。
地下爆破し、回転ドア作戦と。
このへんの作戦が、視聴者に先にネタバレしていなかったのが良いですね。
視聴者は、相手の司令部を破壊することは知っていましたが、その後のことは知りません。
そこで、実はさらに作戦があるという「秘密の暴露」に。
秘密の暴露の印象が、フルボッコのインパクトをより強めてます。
もし、前回にそのことがネタバレしていたら、インパクトはいまいちです。
隠して、秘密の暴露の構成になってます。

そして、相手の共和国軍の馬にのっているセヴラン中佐のキャラクターは、大事な役目をしてますね。
役割としては、「相手の反応」をみせるキャラクター。
フルボッコして、相手の反応がないと盛り上がりません。
また、司令部の破壊を彼にみせるのも良いですね。視聴者に、あえて司令部を爆破したシーンをみせてないので、セヴラン中佐と同じタイミングで破壊された後の施設をみせる。
なので、セヴラン中佐に感情移入がうまれ、より彼の絶望感を感じれます。
ここも隠して、秘密の暴露の構成に。

ついでに、新しく地下爆破とか、戦車登場とか、火炎放射が登場したのも工夫ありますね。
新しい」というのは、それだけでインパクト感が追加されますし。
そして、火炎放射は「恐怖感」をあおる武器なので、ここで登場するのはグットです。

そして、作戦もうまくいき、大勝利を確信。ターニャ(また大隊)はノリノリの状態へ。
「戦争は終わり、これで安定した生活ができる!」とターニャの願望が叶う時。
気分は最高潮です。ベクトルは最上昇。
そこへ、神話パワーを得たであろうアンソン大佐がドカーンとやってきます。相手の人数も多数。
最高潮から、最悪です。のぼっていたベクトルは、ガクンと下がりました。
その大きな「ベクトルの上下」があることで、クライマックスらしく盛り上げてます。

ついでに、グランツがやられることも大事ですね。
名前の知らない隊員がやられるより、名前のあるキャラクターがやられることで絶望感はより増します。

このように、あちこちに工夫のある構成となっています。

前フリ

地下を爆破する前に、きちんと「前フリ」をしてましたね。
相手がタバコに火をつけようとして、なかなかつかず、ついてドカーンと。
まあ、内容はベタですが、ただドカーンよりは大事です。

他にはアバンで、アンソン大佐が戦地に向かっているのも大事な前フリですね。
このシーンがなく、唐突にラスト登場したら、お話の意味がわからなくなります。
また、ここで大佐が少しおかしくなっている感じも、前フリとして出してます。

そして、ターニャの「これで戦争が終わる!」的な流れも、まあ前フリでしょうね(笑)

飲み物のアヤ

幼女戦記は、「飲み物」を使うのが好きですね。

今回は、会議中に何か相手を小馬鹿にしたように、ゼートゥーア戦務参謀次長は「うまいな」とか言ってましたし。
また、ラストの方でターニャが大隊に、お酒について話していたり、自分はコーヒーだとか。
そういえば、共和国軍のセヴラン中佐が運んでいたのってお酒だったっけ?

そんな感じで、飲み物のアヤを使うことで、作品全体の統一感が生まれています。

おわり

このように、今回は特に構成に強く工夫を感じる回でしたね。

さて、神パワーを得たアンソン大佐が登場し、クライマックスに向けて盛り上がってきました。
ヤバそうなバトルの感じがビンビンです。

どうバトルするのかが楽しみですね。
大佐はどう神パワーを使うのか?眼帯ですから魔眼?定番の「未来予知」とか?
アンソン「オマエの行動は全て読めてるぞ!フハハハ!
ターニャ「なんてラノベ設定だ!」とかツッコむのしょうか。
もちろん、前世のライトノベルの知識でやっつけるのでしょう(笑)
または、巨人とかなんないかな(笑)

そんな妄想が膨らみつつ、盛り上がりそうなクライマックスです。
それでは、また次回。

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出典:カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会/アニメ『幼女戦記』(AbemaTV 2017年3月17日放送)第10話