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【分析】アニメ『DYNAMIC CHORD』2話 回想による混乱

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物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を1つのテーマで分析した内容を読むことで、分析力が鍛えられるシリーズ。

今回は、アニメ『DYNAMIC CHORD(ダイナミックコード)2話「Unreachable wish」をとりあげます。
テーマは「回想による混乱」についてのお話。
※ネタバレあり

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2話「Unreachable wish」あらすじ

KYOHSO解散の記事を見た[rêve parfait]メンバー。真相が気になる玲音は練習を飛び出し、依都を見つけ出そうとする。DYNAMIC CHORDメンバーを追うカメラマンの辰哉に心当たりを聞くと、彼は何かを思い出し急いでその場から去っていく。あとを追いかける玲音たちだが辿り着いたその先には――。

『DYNAMIC CHORD』公式サイトより引用

2話の感想

世間でウワサの『DYNAMIC CHORD』。ノリノリの第二話です。

予想どおりの酷さでしたね(笑)
もう、ツッコミどころ満載で、どこからツッコめばいいのか大変です。

作画はあいかわらず。
作画枚数が少なすぎて、全体的にぜんぜん動いてません。アニメーションとはいえない動きですね。あまりに意外な動きをするので、所々で「ぶふぅ」と笑いがこみあがります。

動かない音楽シーンも健在。あいからず1枚絵。ブレないです。
ギターやベースのあの手の動きは…

作画といえば、喫茶店が道路につきでてたり、ラストの墓の前についた足跡も酷かった。
雨の日ならまだしも、どんだけ重いんだよ。というか足跡で誰とかわかるの?

そして、ストーリーも、ストーリーとはいえませんね。
城坂依都を探して、墓にいたかも」程度のお話。ストーリーというより、ただのシーンです。ドラマも何もありません。
というか、尺を無理やり伸ばしすぎで、5分で収まる話になってます。なんだこれ。

というかセリフ少なっ!
もう、セリフが少なすぎて何も表現できてません。キャラクターもストーリーも死んでます。

私たちは何を見てるのでしょう…

、もしかしたらコレは革命的な挑戦じゃないのかな。
私たちはアニメだと考えてるけど、実は「グラビアアイドルのイメージビデオ」なのかもしれない!
グラビアアイドルのイメージビデオって、なんかすっごい薄いストーリーが展開されたりしますよね。「お兄ちゃん!一緒にお出かけしよ」とか。
それに、あまり動かなかったり、下手くそな演技が繰り広げられたり。
まさに同じ。この作品はイメージビデオをモチーフとした革命的なアニメ作品なのかもしれない。

ストーリーを見るのでなく、彼らを感じる!という新たな試み。

私たちは今、伝説を見ている。

分析

そして、今回のテーマの「回想による混乱」です。
全体にいろいろ酷いですが、回想の使い方について見ていきたいと思います。

3つのシーンで使われた回想が、だいぶ不味い使い方です。

まず、主人公・香椎玲音が公園のベンチで、先輩の城坂依都について回想するシーン。
1話のオープンカーにのっている城坂依都が、雨の中でたたずんでいるところを見てたシーンが回想され、続けて室内でメンバーとマネージャーと解散のウワサについて話をするシーンが回想され、回想が終わり公園に戻り、どこかへ走っていくという流れ。

回想で、違うシーンを続けて回想するというのは不味い
どこから回想で、どこまでが回想なのか視聴者が混乱するので、続けて違うシーンを回想するのはよくないです。お手つきです。
内容から考えると、オープンカーのシーンは邪魔です。

まあ、予想するに、時間の尺を伸ばしたいから無理やりオープンカーのシーンを追加で入れただけだと思いますが(笑)

次に、香椎玲音とパパラッチのカメラマンが喫茶店で話をしてて、仲間のメンバーの3人が隠れながらこっそりとお茶をしている。
で、メンバーの会話から唐突に練習シーンへと回想。

話の流れに、ほとんど脈略のない回想
回想の効果がまったくないです。意味がないので、視聴者が混乱します。

まあ、予想するに、ただ練習シーンでウリの歌をみせたかっただけだと思いますが(笑)

ちなみに、この回想の終わりで主人公がドアに走って出ていくけど、前の公園シーンの回想の終わりでも走って行くという、まったく同じ流れ。何だこれ?

最後に、先の回想が終わり香椎玲音が「えっ、心当たり!」と叫び、少し間があって、突然カメラマンがバイクで走っていく。で、たまたま来たマネージャーの車にのって、みんなで追いかける。で、途中の車中で回想が始まる。喫茶店で主人公がカメラマンに城坂依都の居所の心当たりないかを聞き、「まさか!」とバイクで出発するという回想。

イヤイヤ、ついさっきの場面を回想しててスゴイ意味ねー!
しかも、回想するほどの大事なところでもない。
ただ、少し違った動きで同じシーンをループしてるだけに見える…これは酷い。

まあ、予想するに、回想を使うことでクライマックスへの盛り上げを少ししたかったのかな?
(そもそもクライマックスがクライマックスになってないけど)

このように回想の使い方が、まるで意味がありません。何の効果もありません。
これほど酷い回想の使い方は初めてみました。

シナリオの書き方の本では、「素人は回想を使うな!」と戒めが書かれていますが、まさにソレですね。

おわり

とまあ、今回もやっちゃいましたね。
忙しいというのに、作品のインパクトで、つい分析してしまいました。

というかファンの人は大丈夫なのだろうか。生きてるのだろうか(笑)

次回も派手に決めて、伝説を引き起こしてくれるのかも。楽しみです。

出典:ASGARD/DYNAMIC CHORD

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