物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を1つのテーマで分析した内容を読むことで、分析力が鍛えられるシリーズ。
今回は、アニメ『テラフォーマーズ リベンジ』をとりあげます。
テーマは「回想」についてのお話。
『テラフォーマーズ』のあらすじ
火星のテラフォーミング用に放たれた結果人型へと進化したゴキブリ「テラフォーマー」と、それを駆除するために特殊な手術を施された人間との戦いを描いたSF漫画。
アニメ『テラフォーマーズ リベンジ』の感想
『テラフォーマーズ』は漫画原作で、『テラフォーマーズ リベンジ』はアニメの二期。
漫画は読んでなく、一期で初めてみた作品なので、話の内容も引き込まれるものがあり、作画も映像も音もリアルな感じで、とにかくインパクトある作品だった。
しかし、二期はキャラの作画がシンプルになり、インパクトがだいぶ弱くなり、それだけで面白さが半減した感じだった。
予算がないのか、スケジュールがなかったせいなのかわからないが、そこは残念。
今回のテーマ「回想」
回想が多い作品
この作品は、多数の登場人物が出てきて、1人1人をちゃんとキャラづけしている。
話の始めにそんなキャラ説明もなく、いきなり火星に飛んでゴキブリと戦うので、
多数の登場人物の背景を説明するのに、どうしても「回想」を使うことになる。
「脚本の書き方」の本でよく言われるのが、「回想はあまり使うな!」という教えがある。
回想を使うと、どうしても話の勢いが落ちダレる。
書き慣れていない初心者は、回想を安易に多用して、よく失敗する。
なので回想に頼らず、説明するのが基本で、使うならどうしても!というところに限る。
『テラフォーマーズ』は、回想シーンがどうも気になる。
登場人物の1人1人の背景を説明するのに、回想を使いまくるので、どうしても勢いが落ちる。
それにバトルものなので、アクションしている途中に回想が入ると、アクションの緊張感が立ち消えになり、勢いが弱くなる。
しかも、何度も何度も回想になるので、見てて「あーまたか…」とダレてくる。
いろんな登場人物のドラマを表現するのは売りでもあるが、そういう点ではデメリットとなっている。
漫画とアニメのメディアの違い
多分「漫画」で見るなら、あまり回想は気にならないのかもしれない。
漫画だと、自分のペースでパパパとみれ、また多分そんなに回想シーンにページを使ってないと思うので、そんなに気にせず読めるだろう。
しかし、アニメだとそうはいかない。
自分のペースで見れるわけじゃないし、1つのシーンを表現するとなると、それなりの時間をとられる。また、この作品では「静かなしっとりとしたシーン」で回想を使うことが多いので、静かなシーンってけっこう時間を使うので長く感じやすい。
なので、見る人は漫画で見るより、回想シーンがすごい気になるだろう。
このような回想が多い作品は、アニメには向かないのかもしれない。
まとめ
『テラフォーマーズ』は次々と読めない展開が起こるのが面白いので、回想のデメリットはあまり気にならない人がいるのかもしれない。
まあデメリットとわかっていて、あえてそれを使うということもあるだろう。
それを覆い隠すほどのメリットがあればね。
まあ、それがデメリットとわかっていないで使うのは最悪だけど…
出典:貴家悠・橘賢一/集英社・Project TERRAFORMARS R TVアニメ『テラフォーマーズ リベンジ』(BS11 2016年放送)
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