物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「創り手の視点」の感想を読むことで、創り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『レガリア The Three Sacred Stars』の第11話「牢獄」の感想分析をします。
※ネタバレあり
『レガリア The Three Sacred Stars』Blu-ray 6巻
11話「牢獄」のあらすじ
ルクス・エクスマキナに残されたメガエラは、3体の巨大レガリア・ギアを相手に苦戦を強いられていた。しかも、その内の一体には、ヨハンに体を操られたサラとティアの姉・ノアが乗っていることも判明する。レナによく似た謎の少女の力を借りて、ユイとサラとティアがその場に駆け付けるのだったが……。
レガリア公式サイトより引用
11話の構成
- メガエラがバトル
- ユイ達がルクス・エクス・マキナに到着
- ティシス変身
- ユイ絶望
- ティシスが加わりバトル
- 深層意識でユイとレナ
- メガエラの怒涛の攻撃
- ユイ復活!レナと共にアレクトに
感想分析
今回も合わせ、残り3話!
分析してる分、今まで長く感じますね。
それでは、視ていきましょうか。
(アバン)ケイとイングリットの状況
ケイとイングリットが軽く気絶していて、起き、敵の3体がせまる。
アバンとしては、アッサリしてる印象。
意味があるようで、ないようなシーン。
クライマックスなんだから、もう少し工夫をこらしたアバンが欲しいところ。
特に情緒的な感じを出してほしいかな。
Aパートの始まりのシーンが、むしろアバンの方がよかった。
(Aパート)ノア姉様(ヨハン)
アレクトが倒れて、ピクリともせず。
たそがれているヨハンくん。
ここがアバンの方がよい。
メガエラが敵3体にボコボコにやられる。
かないません。
ノア姉さんが、喋ります。
するとケイがノアだと気づきます。
声だけ聞いてわかるのか…ちょっとご都合です。
イングリットでも、あれは…ヨハン
もちろんイングリットは、ヨハンくんが喋っているのだと見破ります。
それはそれは12年間も一緒に暮らしていたのだから。
長年つれそったのですから。女房のようにヨハンのことはお見通しです。ヨハンマスターです。
GOOD!
しかし、下に降りるレガリア達の動きは地味です。
絵があまり動きません。
やはり描くのが大変ですから。
ノア(ヨハン)だからもう逃げられないように、ちょっと強く縛り直しちゃった
で、縛られている画面がでるのだけど、なんかダサイ絵…
ユイ達がワープ
裏レナのおかげで、ユイ達がワープして来ました。
まあ、そうなりますよね。
しかし、前回ラストに裏レナが意味ありげに登場したわりには、その後のシーンは省略ですか。
無駄に意味ありげにした感じですね。
何かそこから気持ちのやりとりがあるのかと思いきや、スカっと空を切った感じです。
どうせなら、そのやりとりがアバンでもよかったかな。なら繋がりも生まれ、自然な感じに。
あとコレ…時間軸おかしくないか?…前回もそうだったけど。
サラ・ティアがノアに飛ばされてから、すぐ戻ってきた感じになっている。
飛んでから夕飯食べたり、眠ったりしたよね?軽く8時間以上たってるよね?
っていうか、イングリット達が8時間以上もグッスリ気絶してたってこと?
それとも時間を超越している空間なのかココは?
ただの宇宙空間に見えるけど…
というか、裏レナって現実世界に「実体化」できるんだ。
今まではレナだけが幻覚として見えていたのかと思っていたけど…
まあ、ファンタジーだしね。
というか、ヨハンくんとユイ達って相当距離あるよね。
でも、会話は届くと。
いけない、いけない。いろいろツッコミすぎか。
ティシス変身!
一方、メガエラはバトルバトルしています。
ヨハンくんと、裏レナが見つめ合う。
なんか、いわくありげに。
後に、いわくが何もなかったらウケるけど(笑)
ユイが私は大丈夫だからと、サラとティアをいかせる。
そして、ティシスの変身バンク!
やっとティシスの番が来たね。
でも、あれ…いまいちイイ感じのカットがないな…
ロングからのアングルが多いし…
まあ、ティアのセリフが可愛いからイイけど。一生懸命唱えてる感じが。
というか、ティアがここまで長いセリフを喋ったのは初めてじゃないか?
GOOD!
で、ティシス去った後に、なんか疲れを見せるユイ。
ヨハンどこが、大丈夫なんだか
と。
だから唐突なんだよな。
ダメージ蓄積設定やるなら、チョコチョコ前フリしようよ。
レガリアについて語るノア(ヨハン)。
語りながら、アクションは続くと。
まあ、語りで止まったままにも出来たけど、アクションをしたのはよい。
GOOD!
ユイの絶望
レナ(アレクト)に呼びかけるユイ。
ヨハン君のお姉さんが元の姿に戻ることはもうないよ
えー、そうなの!
すっごい唐突だわ。そんなに力使った?力つきるの早っ!
そんなに力使ったなら、そういう無理に力使ったシーンをちゃんと作ろうよ。
そういえば、初めてアーベル氏と戦った時も、ハァハァいってたな。これは伏線の1つだったの?
だとしても、わかりずらい。
ヨハン君のせいだよ
と言われ、あっさり膝をつきガックリするユイ。
え~~~~~~
メンタル弱すぎだよ!豆腐メンタルだよ!
ユイが責任を感じるほどのことを、何かしたかな?
そういうシーンがないので、説得力が弱い。
ユイが、責任をすごーく感じるようなシーンをちゃんと作ろうよ。
また、ここではユイのセリフがまったくなく、ただの受け身で話聞いてるだけがよくない。
会話になってないので、盛り上がらない。
それらが無いので、唐突で、ご都合的なシーンになっている。
全然感情にグッとこない、シラけたシーンとなっている。
で、落ちていくメガエラ。
落ちてばっかりだな。
レガリアとはの解説が続く。
ヨハンくんのユイいじり。
言葉攻め。
ユイに近づくヨハンくん。
横アングルで近づく作画が、ダサいな。
ユイの顔を「クイっ」とするヨハンくん。
で、国のみんなが眠っている映像を見せられる。
やっぱり、みんな眠ったんだ。
というか、大事なとこなのに、素早くパパパと見せてお終い…
イヤイヤ、もっとちゃんと見せようよ!
じっくり、ねっとりさ。ヨハンくんの嫌味と共に。
国の危機は、ユイにとってすごい弱点なんだからさ。
あと、それに対するユイの反応も微妙…
しかし、ユイは途中から皇女感がなくなってきたな。
そして、このシーンのユイの表情の絵とか、酷いな…
すごい大事なシーンなのに、力の入ってない作画だな…
セリフも酷いし。
ヨハンただ、大切な人を全てなくした時の君の顔が見てみたかったんだよ
スーと沈むユイ。
沈み方もね…ユイの反応もね…
うーん…全然絶望感が出てないな。これは酷い。
しかし、メガエラのバトルシーンと、ユイのシーンの切り替え方がよくないなぁ。
この後の方でもそうだけど。
あっちこっちとシーンが飛びすぎて見づらい。
細かくシーンを切りすぎてよくない。構成よくないわ。
もっとシーンをまとめて。
(Bパート)ティシス合流
向かい合うイングリットと敵3体。
そこへサラとティア合流。
ティアユイちゃんも来てるよ
で、イングリットとケイがホッとする感じ。
イヤイヤ、どうやって戻って来たのか疑問に思うおうよ!
レガリアはいつものごとくスルーです。
で、レガリアについて語る。
なるほど。ルクス・エクス・マキナは、人間が作ったってことね。
みんな消して、もう一回世界やりなおそうとか、そういう変な人がいたんだ。
魂を取り込んで、どうとやらなんとやら…いや、もう設定わかんね。
サラがブチ切れて、敵に突っ込む。
その突っ込んでる作画が、何か変。
安っぽいダンボールのロボットみたいな絵になって、ちょっとウケた(笑)
ユイ深層意識へ
で、深層意識。レナが倒れている。
ユイの泣き声に気づくレナ。
両親が死んだ時の状況を思い出すレナ。
そばに体育座りで泣いているユイがいて、ムクリとあっさり起きるレナ。
イヤイヤ、もっと辛そうに起きようよ!仮病か!
一方、バトルチーム。
ティシスが攻めるが、ダメー。
作戦会議。まずは一体狙おうぜ!
サラ姉様が助けてくれたから、私とティアはユイちゃんのところに戻れた!
ティアだから今度はティア達が助ける!
と、やる気満々で盛り上がる!
しかしケイちゃんが、イヤ私がやるからと(笑)
さすがSなケイちゃん。
GOOD!
で、大技蓄積タイムに入るティシス。
ユイは引きこもる
一方、ユイチーム。
レナが行こうと言うのに、グズるユイ。
ユイ一緒にいよう、お姉ちゃん
駄目駄目ユイちゃんです。
ここに出てくるユイだけど、「幼い姿のユイ」でもいいよね。
その方が、ユイの心の本音みたく見えるし。
で、一方バトルチーム。
いや切り替え、はえーよ!細切れしすぎだよ!見づれーよ!
ティシスが貯めてる間に、メガエラがバトル。
途中オービスがなんとやら。もう設定がよくわからない…
一方、ユイチーム。
レナたぶん私はもう、人間には戻れないと思う
ユイだったらもういい!私はここで、ずっとお姉ちゃんと一緒の方がいい!
もうお家から出たくありません!
で、一方バトルチーム。
いや切り替え、はえーよ!細切れしすぎだよ!見づれーよ!
ケイイングリット。少し無茶してもいい?
ケイちゃんの本領が出ます。
ニョニョニョーと開いた手から、たくさんの武器を出します。
一方、ユイチーム。
レナ私ね。ユイのことずっとスゴイと思っていた
言い返そうとするユイの唇に、指をあてるレナ。
GOOD!
しかし、この後のセリフは回想とか交えながらの方が雰囲気でるかな。
小さい頃のユイが、頑張っている姿とか。
そして決め台詞。
レナお姉ちゃんですから
表情もいい。
GOOD!GOOD!
メガエラの怒涛の攻撃
一方バトルチーム。
いや切り替え…(以下省略)
で、ケイの連続攻撃が始まる!
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」
GOOD!GOOD!
今回の見せ場。
欲をいうと、ケイちゃんのバトル声も聞きたかったかな。
「ホラホラホラ!どうしたの?そんなもの!さっきの威勢はどこいったのよ!私の相手なんて2000年早いのよ!」とか。
そんなパンチの聞いたセリフでね(笑)
で、呪文唱え終わりそうなサラとティア。
でるか?でるか?でるのかー?
ユイ復活/大技充電完了間近
一方、ユイチーム。
いや…(以下省略)
1人じゃなにもできなかったと語る2人。
で、お母さんの言いつけどおり力合わせましょと。
復活するユイ。
でも、いまいち決まらないんだよな。普通のシーンみたくなってる。
大事なとこなので、そういう演出しっかりやってほしい。
あと、シーンがアッチコッチ飛ぶのでバシン!と決まらない。
一方バトルチーム。
い…(以下省略)
メガエラさんも、ちょっとキツイ。
で、今度こそ呪文唱え終わりそうなサラとティア。
でるか?でるか?でるのかー?
一方、ユイチーム。
(以下省略)
アレクト操縦席に乗ってる2人。
ユイレナ、私達死んじゃったらどうなるのかな?
レナもし死んじゃっても、ユイがそばにいてくれるから
しかし、チラチラ「死」について取り上げているな。死亡フラグ?
フッと、裏レナが登場する。
レナアレクトから生まれたもう一人の私
うむ、あれかな?小さい子が寂しいから、もう一人の自分作るとか?
まあ、よくわからないけど、裏レナのキャラクターがいることでキャラクターバランスは良くなっているけどね。
GOOD!
レナいくよユイ!
ユイハイ、お姉ちゃん!
アレクトが光を取り戻していく。
で、EDへ…
あれ?大技ぶっぱなさないの?
イヤイヤ、あのシーンの流れならぶっ放すよね?
何、この消化不良な感じ。
次回でぶっ放す形にしたら、スゲー微妙なんだけど。
バトルのせっかく貯めた緊張がアッサリ飛散した…酷い…
これは構成がな…
しかし、レナはダメージ蓄積で倒れてたけど、ユイが来たらアッサリ回復しちゃった。普通に。
それもなんだかなぁ…と思う。
まとめ
今回も前回に引き続き、うーんという回。
バトルがあった分、盛り上がりはあったのだけど消化不良気味。
ラストが心配になってきました…
大きな問題としては、「ユイの気持ちが盛り上がってない」という点ですかね。
ユイが最高に絶望し、復活するという話。
こういうのは事前にアチコチで準備し、貯めに貯めて吐き出す必要があるのに、それが上手くできていないので、「絶望の気持ち」が盛り上がってない。
あまりに唐突的な、絶望なのでシラけてしまう。
同じように絶望する前回の10話が、あまりにも活きていない。
連動した流れになっていればいいのだけど、そういうわけでもない。
というか、10話が本当に必要だったのか疑問。10話のせいで、アチコチで整合性がおかしくなっているところもあるし、何の意味があったのか不明。
まあ、なんとなく表現したかったものはわかるが、安易にテクニックに走ったせいで失敗してる。
他の問題としては、「バトルとユイのシーンの切り替えが上手くいっていない」ところ。
切り替え回数が多すぎて、アッチコッチ飛んで見づらい。構成がよくない。
こういう構成にすることで、話が盛り上がると思ってやっているのかな?
でも、それは間違い。そんな誤魔化しでは、話は盛り上がらない。
あとは、「ティシスの大技がでなかった」ところ。
先も解説したが、せっかく貯めた緊張が回が終わると、途切れてしまう。
次の回で大技出しても、たいした盛り上がらないだろうな。
こういうのは、その回で出さないと意味がない。
その大技が「失敗する予定」なら、別だけど。
さらには、「演出表現が弱い」ところかな。
平面的なアングルだったり、動きが鈍かったり、表情がイマイチだったり、情感を表す演出がなかったりとか。
まあ、ここは時間なくてできなかった感じかな。
時間ないのは仕方ないけど、大事シーンのところだけは気合入れてやって欲しかった。
なんだかんだ、今回も厳しいことを言ってしまったか…
まあ、残り2話もあるんだから、なんとかなるか!
気分を変えて、結末の「未来ネタバレ」でもします。
ネタバレしたくない人は、以下を読まないで下さい。
ちなみに、ただの私の想像ですから。
結末は、結局はルクス・エクス・マキナが発動して、新たな世界が構築されてしまうと思います。
魂になったみんなを救うためには、そうするしかなかったと。
で、新たな世界が始まります。
新たな世界の「ジャポン」という国。そこの国には「明日照利亜」という一家がいました。
そこは大家族の一家です。
両親の他に、長女にイングリット、次女にケイ、三女にレナ、四女にユイ、五女にノア、六女にサラ、七女にティア、八女にヨハンちゃんという、大家族。
あっ、そうそう長男がいましたね。俺…じゃなく、長男の◯◯くんがいます。
11人の大家族。その大家族が巻き起こす、ほのぼのした日常が繰り広げられます。
みんな仲良しの大家族です。
でも末っ子のヨハンちゃんが、ヤンチャです。いつも問題ばかりおこします。
ちなみに、自分のことをボクとかいってしまう「ボクっ娘」です。
いつも「残念」とか、キメ顔でいいます。
そうそう、みんなお兄ちゃんのことが大好きです。
「お兄ちゃん」とか、「お兄様」とか、「おにぃ」とか、それぞれ違った風に呼びます。
そして、アニメ第二シーズンに突入です。
シスタープリンセスか!
そんな妄想はともかく、苦しいかもしれませんが制作会社さんには頑張ってほしいですね。
アニメ「ろんぐらいだぁす!」も苦しいかもしれませんが、頑張ってほしいです。
まあ、頑張れなんて酷ですかね。
感動のラストを期待して。
それでは次回、またお会いしましょう。
出典:Regalia Project/TVアニメ「レガリア The Three Sacred Stars」(GAYO! 2016年11月10日配信)11話
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