【感想分析】アニメ『刀剣乱舞花丸』　第7話を視る！

物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「創り手の視点」の感想を読むことで、創り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『刀剣乱舞花丸』の第7話「（文月）誰かを想う幸せ」の感想分析をします。
※ネタバレあり

『刀剣乱舞-花丸-』blu-ray 4巻

基本的に「女性向き」の内容ですが、「女性向き」と「男性向け」がどう違うのかというところに焦点をあててみます。
ちなみにゲームはやっておらず、初めて刀剣乱舞にふれる。あと歴史にもうとい。

アニメ公式サイトはこちら

※追記　後日談「薬研炎上について」の記事を追加

7話のあらすじ

陸奥守吉行の発案で、海水浴へ行くことに。『浦島虎徹』をはじめ、希望した刀剣男士総勢17振りは、初めて触れる海を楽しむ。本丸に『江雪左文字』が来たことで、小夜左文字も喜んでいる様子。そんな微笑ましい風景を見て薬研藤四郎は…。

刀剣乱舞花丸公式サイトより引用

7話の構成

お守りが流行る本丸
海へいく準備
海で遊ぶ
焦る薬研
一期一振の顕現
屋根での会話
桜の木の下で
センターは誰だ！

感想分析

（Aパート）お守り流行中

もう、すっかり夏です。ミーン、ミーンとセミが鳴いてます。

安定あのくらいの敵なんて、朝の準備体操みたいなもんだね
前回は、いきなりバトルでしたが、今回はいきなりバトル終わった状態です。
少しでも本筋を忘れないように、チラリとバトルの小話を入れてます。

清光なんか、いい臭いする安定気がついちゃった
なんかカップルみたいな、やりとりです。イチャイチャしてます。
ちなみに「お守り」は、今回の前フリ。

そして本丸では、「お守り作り」が流行っています。
とある本丸は、平和です。

左文字３人が花を愛でる

じーと花を見てる、小夜左文字と宗三左文字と江雪左文字の3兄弟。
異様な光景です。
ちなみに、この花瓶ってホストをやった時の歌仙兼定の花瓶じゃあないか？
と思って確認したら違っていました。
同じなら、さらに繋がりできてよかったけど、それでも繋がりがあって良いです。

新キャラの江雪左文字が登場。
いつの間にか3兄弟がそろったようですね。
だいぶ個性的な3兄弟です。

照れる小夜のカットが可愛い。
フカンからのアングルのカットの絵が、照れがいい感じに出てます。
ちなみに、小夜の後ろからのアングルで、2人のお兄さんに見られた時に、頭をかしげる。
照れて、うつむいたのでしょう。仕草が細かいです。

道場

薬研が、道場でみんなを鍛えています。
今回の主役の、薬研藤四郎。

そして訓練も終わり、みんなを集めて海水浴のお知らせ。
なぜか、みんなチビキャラになっています。赤ちゃんキャラ？
とても可愛い。後ろ姿だけなのが、もったいない！（笑）
前回は、ギャグのとこで頭身の低めの絵をチラっと使ってましたが、今回は極端に頭の大きいチビキャラになっています。「ねんどろいど」みたいな。
キャラのテイストで、変化つけてます。花丸は、各話で細かく変化つけてるのが上手いです。

出発準備

最初のカット。
クーラーボックスに、それぞれの水筒が入っています。
とても個性的な水筒。
よくみると、竹の水筒もあるし…
さらに水筒といえない入れ物も…なんだコレ？
誰がどの水筒なのか、妄想好きな人は想像してみて下さい（笑）

なんでか、チビキャラのままです。
ワキャワキャしてて、みんな可愛いです（笑）
五匹の虎も可愛いです。
「プー」と浮き輪を膨らませる姿はなんともいえない可愛さですね。
道場では、後ろ姿しか見せませんでしたが、ココでは普通に見せる。
見たい！と思わせ、ココで見せると！押し引きが上手いです。

陸奥守吉行の登場。
結局、陸奥守が派手なフンドシをはくことになりました。
長谷部じゃないのか…予想外れたか。

そして、新キャラの浦島虎徹の登場。
浦島…やっぱり浦島太郎の浦島なのかな…

で、チビキャラも終わり、みんな普通になりました。
みんな出発前なのに、海パン一丁（一人はフンドシ一丁）です。
海まで待てません。
もちろん乱藤四郎は、上はパーカーを着てます（笑）

みんなで主に挨拶。
主お世話係りの長谷部が、いつものように主のために皆をしかります。
いつものネタです。定番ネタは大事です。
出しすぎるとダレますが、細かく出すならOKです。

みんないってきま～す！
花丸は、ほんと平和です。

海へ到着

さて、海となると定番のもの、ベタなものが色々とありますが、花丸はどう工夫をするのか？

みんな、はしゃいで勢いよく海に入ろうとします。
で、黒い棒の絵で、アチャアチャアチャアチャアチャ（笑）
また絵のテイストで、きましたか。

清光みんな、はしゃいでるなー
ガッチリ紫外線対策の清光に、かたまる安定。
で、カップルみたいなこと言います。今回2回目。
今回は、安定と清光のカップル会話な回でもあります。
そして強引に連れていく安定。安定は優しくないです！
本筋では「優しさ」を求めるが、ギャグでは「優しくない」安定の対比が素敵ですね。

で、こちらも黒い棒の絵で、アチャアチャアチャアチャアチャです（笑）
2回は大事です。

海で遊ぶ

それぞれが海を楽しみます。
もちろん、キャラクターの表現タイム。

ビーチバレーチーム。
前田藤四郎が海に落ちて、海の味を知る。
そして、みんなも試し、しょっぱいと！
ここで終わったら普通ですが、再度、挑戦する彼らがイイですね。

浦島虎徹は、亀吉とお話します。
通じてません。

乱藤四郎は、綺麗な貝殻をみつけました。
乱集めて、首飾りでもしようかな
可愛いらしいこと言います。
そして、もちろん海でも上着は脱ぎません。

そこへ、薬研藤四郎が乱にヒトデを持ってきます。
ウニウニウニとヒトデの動きが、リアル！動きのカット数が無駄に多い（笑）
そして嫌がる乱を追っかけまわします。
海での定番ですね。
マッドサイエンティスト的な薬研と、女の子な乱の組み合わせがイイです。

ウニを食っている厚藤四郎。
海鮮物で金に目がくらむ博多藤四郎。

一方、3兄弟チーム。

小夜のとってきた花を入れた花瓶を海にまで、持ってきてます。
海と花瓶。シュールな絵です。
海まで持ち歩くなんて、弟をとても溺愛してる兄なのでしょうか。
シュールと共に、そういう意味も感じとれます。

宗三左文字は、海に来ても暗いです。
気持ちが晴れません。

江雪左文字が、おがみながらサーフィン。
なんか昭和のマンガかアニメで、こんな感じみたような…

なんともシュールな3兄弟です。

山を作って、トンネルを作る遊びをする骨喰藤四郎と鯰尾藤四郎。
握手したはずの手が、手でありませんでした。ホラーでした。
ここで新キャラの、浦島のカメを使っています。
浦島と関係ないシーンで、カメを使うことで、浦島のキャラクターを間接的にアピールしてます。新キャラですから。

メーカー「MELISSA」の日焼け止めを塗る清光。
SPFは、もちろん50です。
日焼け止めを海に落としねー、安定。取ってくれない？と清光。
また、カップルみたいなこと言い出します。今回3回目。
もちろん、安定は優しくないです。
清光には、Sな安定くんです（笑）

浜に戻る2人。
安定はい、思い出と貝殻を渡します。
ちょっと、ビミョ～な貝殻です（笑）

休憩

一息ついて、ビーチパラソルで休みます。
小さい子は、疲れて眠ってます。こういうとこリアリティあります。イイです。

平野藤四郎海、楽しいですね
お茶を飲む姿が、さまになっています。
お茶キャラの、鶯丸に鍛えられたのでしょうか。
以前のアヤをしっかり使ってます。

シュールにサーフィンする小夜と江雪。
陸奥守吉行仲のいい兄弟じゃのー
言っちゃいました。みんな氷つきます。

薬研どうしたんだー。そうだ、スイカ持ってきたんだ！
お兄ちゃんが、頑張ります。苦しいけど頑張ります。

で、陸奥守がカメラでパシャリ。
カメラは、写ルンです。懐かしい…。やっぱりカメラキャラになりましたか。

陸奥守は空気が読めません。
陸奥守おんしゃらも、楽しみゆうがー
みんな、ハァ～と。

薬研が、スイカの話をして微妙な空気でも一応シーンが終われますが、陸奥守のトドメのセリフがあるから、シーンが決まります。
海遊びでベクトルが大きく上がり、大きく下がって、少し上げて、下げる！
メリハリが大事です。

（Bパート）薬研の焦り

鳴狐のキツネ海を満喫して来ましたか？
みんな一兄に会いたい気持ちが強くなりました。
日記を書いたり、海でのモノをプレゼントしようとしたり。

そして薬研が、まだかまだかと焦る毎日。
何度も何度も来てないか確認します。

布団での会話

安定一期一振、なかなか来ないね…と心配します。
でも、清光は少しそっけない反応です。

安定思い続けるって苦しいよ
でも、清光は言います。
清光誰かを思うって幸せなことなんじゃない
と自分の考えを、思いを吐露します。

清光俺もそうだったしデレます。
おーやーすーみー誤魔化します。デレデレです。
ギャグなカップルやりとり3回からの、真面目なやりとりです。緊張と緩和。

一期一振の顕現

鳴狐が、主から御札をもらいます。
「祈願（カメの絵）富」？
レアなものを呼び寄せる、幸運の御札でしょか？
ゲームでもそうなのでしょうか？
今回の浦島の亀吉と関係あるのでしょうか？

パーと光る。

薬研に伝える鳴狐。
鳴狐「さあ」と行かせます。
詳しいことは、言いません。粋に伝えます。

主に自己紹介してる一期一振。
そして薬研と出会います。

一期一振がどう顕現するか、どうみんなと出会うかは難しいところですね。
楽なのは、みんなが顕現するところを待っていて、顕現してウワーとなってオワリとなるやり方。
もちろん花丸は、そんな楽はしません。
静かに顕現し、静かに薬研と出会います。

屋根の上での会話

屋根の上に一期一振を誘い連れてくる薬研。
とある本丸を説明したり、弟たちが強くなったことを言います。
普通の会話を淡々とします。静かな時です。

一期一振がお守りに気づき、質問します。
そして薬研がお守りに入っている、弟の「お願い」の短冊をみせる。
今回の「お守り」話が、ここで決まりました。

一期一振薬研、よくやってくれました。甘えていいぞ
頭ナデナデ。
薬研馬鹿いうな。俺は大人だ！
ツンデレです。デレデレです。

薬研一兄は運がいいな。今日の月は、今までで一番綺麗だ
粋なセリフでシメます。

屋根の上は、5話の三日月宗近と清光のシーンでも使われましたね。
お話に繋がりが生まれます。
月の終わりも5話の終わりと、少し似てるので、より繋がりが強調されてる。

桜の木の下で

弟達の眠っている姿をみる一期一振。
一期一振の気持ちを表すシーン。

このシーンは、とても大事。
弟達の気持ち、一方だけの気持ちだけだと話は弱くなる。
一期一振の、双方の気持ちが見えることで、感動が伝わります。
もし、このシーンがなく終わりのシーン迎えたら、それはそれで成り立つのだけど、何か物足りない感じを受けるでしょうね。ちょっと都合のイイ話に見える危険すらあります。
こういう1シーン入れれるかどうかが、プロとアマの違いなんでしょうね。

朝、みんなに鈴をみせる薬研。
それを見て、みんなが一兄が来たことを知る。
セリフで直接「一兄が来た！」と伝えないのがイイですね。情感があります。

で、来たら驚かせようということになり、驚かせると、それは鶴丸国永。
もちろん、いきなり登場なんてしません。簡単には登場しません。それは無粋です。

そして、万葉桜の元にいることを見つける。
大事なシーンは、場所も大事ですから。
また、鶴丸のセリフも粋なものなってます。
人生には驚きが大事だなといい、ほう、こりゃ驚きだとつぶやく。

みんなが一期一振に集まる。
一期一振私も、みんなと遊びたくてな。作ったんだ
そこにはブランコが。
で、みんなで一兄につかまり、乗ることに。

薬研いや、俺はいいよ
と断ります。お兄ちゃんは、ここでも素直じゃないです。
でも、みんなに言われ乗ります。
ここのシーンも大事ですね。普通にすんなりのったら都合よい感じになります。
また、今回の主役、薬研のシメのシーンでもあります。

みんなで乗ってウワーです。
ヒモが切れます。ドテン。ワハハハハ。
ラストは桜の木に、一期一振のつけた短冊が…
感動的なシーンになってます。
ちなみに、みんなブランコに乗って飛んだカットが静止なのは、思い出を切り抜いたイメージなんでしょうね。

（Cパート）歓迎会

今回はEDもなく感動的に終わり…かと思いきや、CMあけにCパートの開始。
とある本丸は、ただの感動で終わりません。
もちろん、オチをつけます！

一兄の歓迎会をやることに。
すると安定がアイドル雑誌を持ち出します。
安定は、また唐突なことを言い出します（笑）

それを見て、ポーとする乱藤四郎。可愛いです。
乱うわー、アイドルー！
すごい、はしゃぎます。キャーキャー。
乱AWT48（あわた48）！とか言い出します。

プロデューサーに鳴狐が選ばれる。
出羽国山形藩の秋元家に伝来との解説…
えっ、ナニコレ…

センターで揉めるみんな。
そして、プロデューサーが決めることに。
EDへ。いつもと違って派手に決めてます。
単調にEDを流すのでなく、変化つけてますね。
EDの最後に、鳴狐の腕をグッとガッツポーズするのがイイ！（笑）

そして、安定の夢オチと。
いつもの池田屋の悪夢のアヤを使ってるのはいいですね。
今回は、安定の真面目なアヤが、ギャグに。なかなかです。

まとめ

今回は「刀剣男士の兄弟愛」についてでしたね。
「家族愛」でもあるのかな。
で「思い」、そして「思い出」について。

今回のAパートの海も、ちゃんと意味あるパートになってます。
ただの都合のいい出来事を入れてるわけじゃないのが、花丸ですね。
海といえば「思い出」。今回の「思い」とかけてますね。
そして、左文字3兄弟と、粟田兄弟の対比で強く気持ちが表現されます。

これは3話での粟田兄弟の伏線を、回収したお話。
普通にやれば、一話完結的になって単調になってしまう花丸ですが、サブストーリーを入れる形で単調さをなくしています。
あと通常、話の折り返し地点では、大きな話をもってきて盛り上げるものなので、ココで持ってきました。
繊細な感情のやりとりの、感動回となりました。
またギャグもバシッと決まりました（笑）

ちなみに今回の話は、少し問題もありましたね。
始め、ちびっこ4人が兄弟かと思っていたのだけど、兄弟ってこんなにいたんだ！
私の場合、ゲームをやっていないので、関係性がわからず、どこまでが兄弟かわかりませんでした。そこがアニメで初めて見る人には、引っかかって話がスムーズに見れないところではありますね。

しかし、粟田兄弟ストーリーがなくなり、残りの回をどうするか難しそうですね。
安定のストーリーだけで持つか？また、新たなサブストーリーが展開されるか。
腕の見せ所ですね。

次回は「青い鳥」がどうとか、「お化け」がどうとか、あいかわらず怪しさ満点です（笑）
それでは、また。

出典：アニメ『刀剣乱舞-花丸-』製作委員会／アニメ『刀剣乱舞-花丸-』（BS11 2016年11月14日放送）第7話

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アーティスト: 陸奥守吉行(CV:濱健人),博多藤四郎(CV:大須賀純),山伏国広(CV:櫻井トオル),御手杵(CV:浜田賢二),前田藤四郎(CV:入江玲於奈),鯰尾藤四郎(CV:斉藤壮馬),薬研藤四郎(CV:山下誠一郎),五虎退(CV:粕谷雄太),秋田藤四郎(CV:山谷祥生),乱藤四郎(CV:山本和臣),平野藤四郎(CV:浅利遼太),骨喰藤四郎(CV:鈴木裕斗),厚藤四郎(CV:山下大輝),一期一振(CV:田丸篤志)
出版社/メーカー: 東宝
発売日: 2016/11/23
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後日談「薬研炎上について」

どうやら、7話後に薬研が贔屓されていると炎上した模様。
薬研が出すぎとか、EDで歌いすぎとか、そういったことをキッカケに。
なかなか難しいものですね、こういったキャラクターものは。

私はゲームやってないので、ゲームでのキャラクターとか、詳しい設定とかまったくわかりません。
ゼロから作品を分析してますからね。

こういう作品の場合で考えるべきは、「制作側の目的はどこにあるか？」ってことでしょうね。普通に考えると「作品を知らない新規の客を取り込む」と、「コアなユーザをより満足させる」といった２つの目的が考えられる。
でも、今回の花丸は「作品を知らない新規の客を取り込む」という目的だと思います。

両方を目的にすることはできないでしょうね。
もし両方やるとなると、どっちつかずになり、話は破綻し、どの目的も果たせなくなる。

なので、「作品を知らない人に、わかりやすく作品を紹介する」といった方向性で、シナリオが書かれたのでしょう。
そして、わかりやすく作品を見せるために、ゲームでのキャラクターの整合性が微妙に違っていたり、中心となる人物などが設定され、多く出るキャラや、あまり出ないキャラがでたり。
といった感じなんでしょうね。

で、作品を知らない人がアニメを見て「面白いな」と思って、ゲームやったり、関連するものに興味を持ったりするのでしょう。
アニメで、各キャラクターがあまり深く描かれないてないので、ゲームや関連するものから、よりキャラクターを深く知ることができ、より興味深く『刀剣乱舞』の世界に入り込みやすくなると。
そういった狙いかな。
まあ、いうなれば花丸は、『刀剣乱舞』の入門編みたいなものでしょうね。

でも、そうなるとコアなユーザを満足させるのは難しい。
いやはや大変です。

まあでも、まだわかりませんね。
コアなユーザ向けに、何か用意している可能性もありますし。
テイストを変えた「劇場版」とか。

そうなると、みんな幸せになるんだけど。