物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「作り手の視点」の感想を読むことで、作り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』の第1話「出会っちゃった!」の感想分析をします。
原作などは読んでおらず。また、アニメ『ラブライブ』との比較分析を、軽く入れたりと。
※ネタバレあり
『BanG Dream!(バンドリ)』の基本情報
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1話「出会っちゃった!」のあらすじ
前向きさだけは空回るほどあるごく普通の高校一年生・戸山香澄。 幼い頃、満天の星空を見上げた時に聞こえた“星の鼓動”のように、キラキラドキドキする何かを見つけたいという想いにつき動かされながら、様々な部活を体験するもいまいちしっくりこない。 そんなある日、学校からの帰路で香澄が目にしたのは、不思議な星のシールだった。あちこちに貼られた星に導かれるままに香澄が進んでいくと、そこは古びた質屋「流星堂」だった…。
感想
バンドリというと、声優自身が実際にバンド演奏をするというウリのコンテンツ。
アイドルバンド?
アニメ化の前にすでにライブとかやっているようだし、いろいろメディア展開もしているよう。
お膳立ては整った上でのアニメ化。
ラブライブを彷彿させる流れですが、さてどうなることやら。
アイドルと違ってバンドか…
思ったのは、バンドとなると単純に「パフォーマンス」が弱くなりますよね。
アイドルだとダンスという動きのパンチがあるのですが、演奏というのは動きがでないのでパンチが弱くなる。
そのデメリットをどうクリアするか。
そこを超える何かがないと、ラブライブ的な大ヒットは難しそうに感じますね。
まあ、他のたくさんのガールズバンドもたくさん出るとかなら面白いかも。
全員が演奏覚えるのは無理なので、エアーでいいですから(笑)
もしや「エアーガールズバンドを流行らせる!」という方向なら大ヒット?
楽器はファッションですからというノリで。あれ、その流行ってもうやったっけ?
さて、印象はともかく、アニメの感想を。
1話のストーリーは、まあ無難な感じですよね。
何かやりたいことを探している主人公が、ギターと出会い、バンド演奏をみてバンドやりたいと思うと。
よくありそうなストーリー展開。
悪いともいえないけど、良いともいえない感じ。
または、気になるところはチラチラあったけど、良いところもあるので相殺されて、まあ普通と。
まず気になったのは、主人公・戸山香澄が「ウザっ!」て感じ(笑)
こういうタイプの主人公としては、多少ウザくてもいいのですが、ちょっと行き過ぎな感じがしますね。
まあ、そう感じるのは見せ方の問題でもあるのですが。
あとは、ストーリーが「強引!」ってところ。
ギターを発見するシーンは、まあ工夫があってよかったんですが、その後のライブハウスへのくだりは、なんとも強引ですね。無理やりストーリーを動かしてる感じ。
まあ、いいですけど。
しかし作画はしっかり描いているし、キャラクターも悪いわけじゃないし、ウリのバンドの歌もOPもよいですし。
あとは今後の展開しだいですね。
分析
それでは、技術的なポイントを視ていきます。
主人公・戸山香澄のキャラクター
主人公の香澄は、元気いっぱい前向きで行動的なキャラクター。
それはいいのですが、ウザさを感じてしまう。
原因としては、香澄がそういうシーンが、表現が多すぎたという点ですかね。
まあ、普通にセリフが多すぎるという点もありますが。
多ければ多いほど、そう感じてしまいます。やりすぎ。
また、「動機」も少し気になりましたね。
キラキラドキドキすることを探してる香澄ですが、「なぜ高校になってから探すの?」という疑問がわいてしまいます。
あんなに行動的なら、中学生の時からそういうものを探しているでしょう。
中学は一体何をしていたのでしょう?
なぜ今なのか?が、きちんと描かれていないからフワフワしてる。
チラッと「高校生になったから」という理由もありましたが、それじゃあ弱い。
ただ思いつきでやってるように感じなので、キャラクターも浅くなってる。
それが「物語の強さ」にも影響し、また「ウザさ」にも影響しているのが不味い。
他にも気になったのは、「妹と同じ水泳にしよっかな」とか「バイトやとってくれる?」とか、少し気持ちがフラフラなところがありましたね。
探してるなら探してるで、「ビビッときたもの以外はやらない!」くらいの強い気持ちがあったら、キャラクターが締まったんですが。
そういう「気持ちの強さ」があったら、ウザさは少し消えていました。
妹・戸山明日香のキャラクター
妹はよかったですね。妹妹してました。妹の鏡ですね。
そして、主人公を際立たせるキャラクターとなっています。
妹が主人公の反応を生み出してますし、妹が感じることを通して主人公の気持ちがみえます。
もちろん、ちょっとウザめの姉には、しっかりした妹ですね(笑)
ちなみにラブライブでは、幼なじみのキャラクターがその役割をになってます。
バンド仲間のキャラクター
バンドの仲間になるであろう山吹沙綾、牛込りみ、市ヶ谷有咲のキャラクターも、ちゃんとキャラクターが表現されていましたね。
どんな性格なのか、どんな背景なのかとか、また興味を引く謎とか。
山吹沙綾との出会いで、パンの臭いがしてお腹すいた的なシーンは自然でよかったですね(朝食を抜いていることにも繋がってるし、彼女の家がパン屋という説明になっている)。
そして、いかにもいわくありげな謎がありそうですし。
そう簡単に仲間ならなさそうな感じ(笑)大事ですね。
天才で引きこもりな市ヶ谷有咲も謎まんさいで、一体何者なのか興味がでますし。
牛込りみは、自己PRで気弱そうなのに、なぜかライブハウスにいるという謎もありますし。
さわりとしては、キャラクターがきちんと表現されていたと思います。
あれ…あと一人いたっけ?
工夫
ストーリーとして一番工夫があった点は、ギターと出会うシーンですかね。
「★のシール」をみつけ、次々に★を発見し、それを追っていった先でギターと出会う。
新しいですね。
しかも、そこが仲間になるであろう市ヶ谷有咲の家なのも大事ですね。
今後の展開が進みやすいです。
逆にいうと、そこ以外はあまり工夫がなかったといえますが…
構成「うまくいかないな表現」
頑張ってやりたいことを探す香澄ですが、うまくいきません。
うまくいかない感じは、表現されていましたね。
友達と遊び、パン屋へより、その帰りに交差点で「赤信号」で止められ、ちょっとションボリと歩いてく。で、☆発見という流れ。
挫折があって、メリハリがつきます。ないと薄っぺらい話となったでしょう。
しかし、普通に友達と遊んだ後に交差点へのシーンになったら、もっとよかったと思います。普通に遊んで楽しい…別にキラキラしたことを探さなくてもいいんじゃ…でも…(しゅん)といった感傷的な感じを出せたかなと思います。
構成「ライブを見る」
感想でものべましたが、ギターと出会ってからライブハウスへのくだりが強引でしたね。
「探してくる!」と香澄がギターをもって、どこにあるとも知れないライブハウスを探しに外へ飛び出す。そして、ライブハウスでライブを見ると。
ここは、さすがに無理やりでしたね。
市ヶ谷有咲も、不自然にライブハウスを探してあげますし。
また無理やりなせいで、香澄のウザさも増しました。
積極的というか、おかしな娘という感じに見えますし。
「前フリ」で、ライブハウスがある建物を香澄が知っていて、あそこがライブハウスだと気づかされて、走り、まず香澄がライブハウスに到着。追ってきた有咲が到着。なら、まだ自然だったのかな。
それでも、強引だけど(笑)
ベタにやるなら、ライブハウスで感動!バンドやりたい!となって、次にギターと出会うなら、普通に自然になるんですけどね。
ギターとの出会いは、2話じゃダメだったんですかね。
(あっ、なんか政治家の2位じゃダメなんですかねみたい。笑)
また、ライブをみて感動し自分のやりたいことをみつけ、香澄のバンドリの物語が始まるのですが、その「ライブをみて感動」の大事なシーンの表現が安っぽかったです。
特に、グリグリのライブが始まり、すぐに「すごい、すごい、すごい」と連発するところはいらなかったです。ここが余計で、感動!という感じが弱まりました。
さらにラストも「すごい、すごい、すごい」と連発し、繰り返しのセリフとなるので単調で、感動というよりちょっと面白そうなものを見つけた程度になりました。
うーん、喋りすぎなんですよね。
ベタに、バンドが始まり衝撃で黙り込み、そしてラスト一言で感動した感じが出るのですが。
まとめ
こんな感じで1話は、気になる点がチラチラありました。
もしかして、いろんなメディアで展開する作品だから、あまりキャラクターをリアルにしたくないのですかね。
そういう狙いなら狙いでいいですけど、あまり曖昧すぎるとアニメ作品としては弱くなりますね。
ちなみに、ラブライブもキャラクターを少し曖昧にした感じだったかな。
まあ、主人公のウザさ感だけは続かないように祈ります。
…あっ、そうだ!
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出典:BanG Dream! Project/アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』(BS11 2017年1月24日放送)第1話