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【感想分析】アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』 第4話を視る!

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物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「作り手の視点」の感想を読むことで、作り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』の第4話「怒っちゃった!」の感想分析をします。

原作などは読んでおらず。また、アニメ『ラブライブ』との比較分析を、軽く入れたりと。
※ネタバレあり

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『BanG Dream!(バンドリ)』の基本情報
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4話「怒っちゃった!」のあらすじ

予期せぬ出来事からライブハウス「SPACE」で即席バンドを披露し、興奮が治まらない香澄、有咲、りみの三人。次の文化祭に向けて練習をしようと決意を固めたとき、ランダムスターを持つ香澄のことを「変態だ」と言うクラスメイト・花園たえが現れる。小学校のころからギターをやっているたえは、実は「SPACE」でアルバイトもしていて、すっかり意気投合する香澄。ギターを教えてもらうほど仲良くなる二人の様子が、有咲はなんだか気に食わないようで……。

BanG Dream!(バンドリ)公式サイトより引用

感想

これは、どういうことだ…
いや、こんなことってあるのか…
自分でも何をみたのか混乱している。

普通に面白い。

そんな馬鹿な、こんなことってあるのか。
主人公が何もしないほうが面白いなんてことが!

というか、それほどすごいことやってるわけじゃないけど、3話までが酷すぎて対比として面白く感じる(笑)
まあ、3話までが主人公が強すぎて、疲れる感じでしたからね。
主人公が強引な上に、ストーリーも強引気味でしたから、見てる人も疲れます。
今回も問題がないわけじゃないけど、普通に面白かった回だと思います。

4話は「花園たえ」のキャラクター回。

香澄と花園たえとの、やり取りはよかったですね。
花園たえの天然のセリフが、香澄のキャラクターとあいまみえて、いい味を出してました。
不思議と花園たえとやり取りしてる香澄は、ウザいと感じない。
このぐらいのバランスだと、いいんですよね。
間があるからかな?

あと、個人的な好みとしては、花園たえの声質は好きですね。
また他のキャラクターとの声質に対して、いいワンポイントとなる声質です。
全体の声質バランスはよいですね。

そして、香澄が「演奏練習」をする回ともいえますか。
バンドものなのに、香澄の練習シーンがほとんどなかったので気になってました。
で、今回やっと練習して、少しはバンドらしくなりました。
友情もいいですが、バンドものなのですから。

そして、伝説になりかけてる『きらきら星』地獄が続行中(笑)
始め聞いた時は、「キャー!」と耳をふさいで叫びたくなりました。それぐらいトラウマです。
今後も『きらきら星』が鳴りつづけ、文化祭ライブでもそうなんでしょうか。
もしそうだと、視聴者がそれに耐えられるか心配です。
いえ、そこまでいくと視聴者も頭がキラキラになってて大丈夫ですかね。

キラキラ地獄に耐えて、見続けた者だけが味わえる最高の瞬間がそこに!(笑)

分析

それでは、技術的なポイントを視ていきます。

香澄のキャラクター

今まで問題だった香澄の「ウザさ」は、今回はあまり感じられませんでした。
まあ、印象としてはギターを覚え始めて、楽しくてキャッキャしてる感じですかね。
そういうふうに普通に受け取れます。このぐらいならいいです。

ウザさの原因の一つとして、今までは「人の話を聞かず一人で強引に喋っている」感じだったけど、やっとまともな会話のやり取りになっているからかな。
前は、けっこう会話になってなかったですから。
強引に一人で喋っていると、他のキャラクターを置いてけぼりにするし、視聴者も置いてけぼりにする感じになります。
強引なのも、使いどころですね。

花園たえのキャラクター

不思議ちゃんキャラクターの花園たえ
香澄とは違った読めないキャラクターです。ミステリアスです。

ランダムスターをもってる香澄に、いきなり「変態」とか言い放つのはよかった(笑)
キャラクターのツカミはOKです。
今後にすごい期待のもてるキャラクターですね。

ちなみに、ギターに出会った花園たえの小さい頃の回想シーンなのですが。
小さい頃の可愛い姿がみれるのはよいですが、なんか演出が地味でしたね。ひと工夫ほしい。

市ヶ谷有咲のキャラクター

つんつんツンデレの有咲
ほったらかしにされて、嫉妬の有咲。とても可愛らしいですね。
でも、ツンツンした他の有咲視点のシーンもほしかったかな。

しかし、あっさり香澄を許したのは、ちょっと安っぽかったです。
安い女になりました(笑)それがいいのか?

そして、愛する利根川(盆栽)を売り払ってまで、愛する香澄のためにキーボードを買う姿には感動しました。
利根川「私を捨てるの!あんなに愛し合っていたのに!
有咲「ごめん(泣)、私…好きな人できたんだ…
裏で繰り広げられた愛憎劇。そして花園たえへの嫉妬。ドロドロ~(笑)

他のキャラクター

妹・明日香は、あいかわらず妹らしい妹でしたね。
ソファーに寝そべり、香澄の話を聞いてません。
(アイスの)オチもあり、姉妹の良いシーンでした。

山吹沙綾は、今回はあまり出番はありません。
でも、一緒にお昼食べたり、家庭科の実習では家庭的な一面をみせてましたね。

牛込りみは、有咲のことを心配する姿がよかったです。
りみがアタフタしてるから、有咲が怒っていることが表現されています。
しかし、りみに関しては「前回の余韻」が少しほしかったですね。
ライブしてどうだったとか、お姉さんの反応がどうとか、少しりみのためのシーンがほしかった。
そうすれば、お話全体に繋がりがより生まれました。

またバンドリは、「香澄視点のシーン」が多いので、他のキャラクター視点もあったほうがいいですね。
それが、ウザさを感じる原因の一つにもなってますし。

感情移入

ここまで見て「主人公に対する感情移入ができない」という点が気になります。

香澄に対してウザさを感じるのは、視聴者が感情移入できないというところにもある。
感情移入というと、主人公に対し「憧れ」と「共感」があることが大事。

すごい前向きに突き進むところは「憧れ」となっていますが、「共感」できるところがない。
なので、感情移入ができにくい。
よくあるのは「弱点」があると共感できるのですが、そういうのも無さそうだし。

ちなみに『ラブライブ』の主人公・穂乃果も、前向きキャラクターで共感がなさそうですが、始めは「状況」によって共感をえられているキャラクターとなってます。
3話でライブをやるけど、人はほとんど来ない。そういう「上手くいかない状況(挫折)」があることで、視聴者は彼女に共感しています。

構成

基本は、香澄のギター練習回でした。
家庭科の実習の居残りをからめたギターの練習は、工夫があります。

実習が進まないというのもギャグになりますし。
先生が来て「あっ」という、繰り返しギャグもよかったです。

そして、それが原因で有咲の嫉妬をかうと。
ストーリーの流れとしてはよかったです。

ギター解説

今回は、リアルな「ギター解説のシーン」が多かったです。
なので、バンドアニメらしくなり、作品全体が締まりました。
今まで、友情分が強く、バンドらしい感じが弱かったですからね。

少し気になったのは、解説はいいのですが少し時間が長かったかなという点。
もっとキャラクターを表現するのに、時間を使ってもよかったと思います。
有咲と牛込りみの一緒のシーンとかあってもよかったですし。

クライマックスの単調さ

山場としては、有咲の嫉妬をかい、仲直り。
今回も、なんとも強引な進め方に感じました。

まず、有咲の嫉妬が行動にあらわれた場面。
昼飯の時に、途中でさっさと帰り、嫌味をチラリという。
そこで香澄が有咲が怒っているのに気づくのですが、ここは不自然でした。

いかにも「鈍感」そうな香澄が、それぐらいでは気づかないでしょう。
香澄が怒っていることに気づくシーンとしては弱い。
もっと鈍感な香澄でも、気づくぐらいの強いシーンがほしいところ。

そして、有咲のところへ向かう香澄。
有咲はいじけて香澄を倉にいれないが、あっさり開けて仲直りと。
簡単に仲直りできて、つまらないシーンとなってます。

まず、セリフが単調でつまらない。
有咲が契約違反だよ的なことをいうのですが、もっと有咲の気持ちがあらわれる情感のあるセリフがほしかったです。
こういう場面は、キャラクターを出すのに一番強く表現できるところですから。
例えば、「馬鹿、待ってたんだだから!」とかチラリ本音がでるとか。

そして、香澄の反応。
「ゴメン」と一言。これもまた、つまらないセリフでした。
この程度だと、香澄はキャラクター的に鈍感なので、有咲が言っていることを本当にわかっているのか怪しい。
よくわかっていないけど、とりあえず謝っている程度にしか聞こえないという危険性があります。

例えば、香澄が過去に一つのことに夢中になって友達を傷つけたことがあったとして、今回もまた同じ失敗をしたことに気づき、反省して謝りますといった感じならよかった。
そうなると、香澄もただウザいだけじゃない人間(弱点あり)というアピールもできて、キャラクターがアップしたんですけね。もったいないです。

また、他には演出もキャラクターの演技も単調だったので、盛り上がりにも欠けました。
山場なんですから、もっと力を入れてほしいですね。

なんでかバンドリは、クライマックスを毎回強引にすすめる傾向にありますね。
いったいどういうことなのでしょうか?

ちなみに、『ラブライブ』も強引にクライマックスを進めてるところもありますが、その表現とは大きく違います。
『ラブライブ』の場合は、雰囲気を重視した「少女漫画風の表現」のやり方なので、強引なようにみえて強引ではないのです。

バンドリの場合は、工夫も何もないので、ただの強引としか感じられないですね。

キラキラ地獄

さて、今回も『キラキラ星』地獄でした(笑)
前回のライブがなければ、そんなに気にならない『キラキラ星』だったんですけど。
けっこう扱いが難しいです。

作品のテーマに対し、わかりやすい良い曲ではあるんですけど。
実際のライブでも、みんなと合唱できるキモとなる曲なんですけど(笑)

ここぞ!」ってところだけに使えたら一番だったのですが。
文化祭の時に、初めてだったら良いインパクトだったのかも。
「オリジナル曲じゃなく、『キラキラ星』かよ!」と、よいツッコミもありそうで。

とにかく今後も流れそうですが、悪い影響はさけられそうにないですね。

まとめ

とにかく問題はありつつも、普通によかった回でした。
仲間を次々とゲットし、うまくいってる香澄ですがどうなることやら。
ラストは、少し不穏の残る終わり方だったが、香澄は挫折するのかな~

さて、次回も意外な展開に期待します!

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出典:BanG Dream! Project/アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』(AbemaTV 2017年2月11日放送)第4話