物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「作り手の視点」の感想を読むことで、作り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『幼女戦記』の第7話「フィヨルドの攻防」の感想分析をします。
ちなみに原作は読んだことはありません。
※ネタバレあり
7話「フィヨルドの攻防」あらすじ
ターニャ率いる第二〇三航空魔導大隊は北方方面軍に配属され、敵に強襲されていた物資集積所の防衛に成功。部隊は初の本格的な戦闘に戸惑いながらも、魔導師ならではの機動力で複数の爆撃機を撃墜した。さらには共和国の義勇兵や連合王国の監視拠点を壊滅させ、世界を相手にした戦いにおいて、帝国の国威を示した。そうして北方の司令部にもターニャの実力が知られるなか、現地に到着したルーデルドルフとレルゲンにより、新たな作戦が命じられた。それは協商連合との戦いにおいて決定的な一撃となるような、大胆な作戦であった。対して、帝国の動きを警戒する協商連合軍は、沿岸部のフィヨルドに魔導大隊を派遣。そこにはターニャと因縁深い、アンソンの姿があった。
「幼女戦記」公式サイトより引用
感想
今回の始まりはアンソン・スー大佐と娘さんとの別れからの始まり。
戦時中は、こんな別れがよくあったのでしょうね。
父と別れたくないが、父は国のために家族のために戦う身。
前線ではないので、普通に帰ってくることを信じて別れます。
ほのぼのとは言いませんが、和やかなシーン。
娘が言います。早いけど、クリスマスプレゼント!
うんうん、手編みの手袋とか、マフラーとかかな。やっぱり寒いしね。
そうだよね。こんな可愛らしい少女なのだから。
私も娘がいたら、そんなプレゼントもらったら嬉しいな~
パカっ。
銃かよ!
そんなビックリから始まる幼女戦記。さすが幼女戦記、あなどれません(笑)
これも神の仕業なのでしょうか(笑)
今回も司令が発動され、ミッション回です。
そして、久しぶりにサブストーリーが展開されました。
やはり、サブストーリーがあると物語に深みが生まれますね。
サブストーリーは、アンソン・スー大佐のお話。
前回の娘のペンダントを見たシーンで、もう死亡フラグは感じてましたが、やはりお亡くなりに。
大佐の漢をかけた特攻に感動しました。
大勢の人数にもひるまずに特攻、かわし、かわし。
大佐つえーと思ったのは、私だけじゃないでしょう。
そして、戦艦からボコボコフルボッコ。絶望する大佐…
戦わなくてはいいのにツッコむ大佐。ターニャめがけて再特攻!
それを向かいうち、容赦なく銃剣でグッサリとターニャ。
血をはき、ぷるぷる震えながらターニャを倒そうとする大佐。
大佐頑張れ!もうちょっとだ!と応援したのは、私だけじゃないでしょう。
それを容赦なく、蹴り上げるターニャ。
この鬼畜!悪魔!と叫んだのは、私だけじゃないでしょう。
動きや飛び散る血がなんとも残酷で、美しかったです。
ドボン。
アンソン大佐は、定時帰宅できませんでした。
プレミアムフライデーとかいっても、定時で帰れない人はたくさんいます。
帰れるのは一部の儲かっている大企業と、公務員だけです。
中小企業なんて人材足りなくて、週休2日すらないところもあるのに。
その悲しさが、余計大佐を悲しくさせます(泣)
プレミアムフライデーの日にこんな話をするなんて、さすが幼女戦記。憎い演出です。
ラストは、父の死をなげくメアリー・スー嬢。
ああ、なんてこと。ああ、なんてこと。
そして一部の人はああ、なんてことと思ったのでしょう。
彼女が「メアリー・スー」なのか!と。伝説の戒めの少女の名前…(詳しくは検索!)
もちろん、今回のサブストーリーはただの単発の感傷的な小話ではないでしょう(ニヤリ)
しかし、銃をクリスマスプレゼントとしてもらうターニャ。
この外道!と叫んだのは、私だけじゃ(以下略)
クリスマスプレゼントとしてもらうなんて…クリスマス?
クリスマスといえば神の誕生日?ということは、神からの贈り物?
贈られたのは、本当に銃なのでしょうかね(プププ)
分析
それでは、技術ポイントを視ていきます。
幼女らしさ
幼女戦記で大事なのは、「幼女らしさ」を忘れてはいけないということ。
視聴者が幼女と忘れたら大変です。
今回は、話し合いの説明する時の「背伸びうーん」がそうでした。
キャラクターの新しい顔
今回は、ターニャの新しい顔がみえました。
会議のシーンで、いやいや無理だってという感じなのに、押し切るシュライゼ中将。
そこで、「西方では友軍が泥を啜って飢えに苦しんでおりましたが、ここ北方の司令部は随分と恵まれているようでしたので、つい」とミルクどぼどぼ。一気飲み。嫌味たらたら。
上官に対しては、意見はいうものの「絶対従う」的な感じでしたが、「嫌味」を言うとは思いませんでした。
ターニャの「新しい顔」ですね。
それによって、キャラクターに深みがでてきます。
もしや、調子にのってたりする?イケイケな状態で。
そして、次のルーデルドルフとレルゲンとの話し合いのシーン。
カップで何か飲んでるターニャから。
ここは気になりました。カップ強調しすぎな気がします。
「飲みすぎじゃね?」と余計なツッコミいれたくなっりましたし。
説明不足
アンソン大佐の娘のクリスマスプレゼントが銃というのは、さすがに説明不足でした。
少女が銃をプレゼントというのは、違和感があります。しかも値段も高そうですし。
伏線のための道具なのでしょうけど、説明が自然になされないと少し取ってつけたような感じになりますね。部下の人が頼まれて用意したなら、自然でしたが。
時限爆弾(緊張の盛り上げ)
緊張感を盛り上げるのに、よくあるテクニックとして時限爆弾があります。
まあ、時間設定することですね。
今回は30分以内に、ミッションを遂行しなければいけないと。
その緊張感があることで、バトルが盛り上がっていきます。
もし何もなかったら、ちょっとダレた話でした。
さらに、このミッションが失敗したら、ルーデルドルフ作戦参謀次長にも影響があるという点は良かったですね。それが緊張感をさらに高めます。
しかし、バトル中にもっと緊張感がせまる展開がほしかったかな。
ちなみに前回は、仲間ピンチ!で緊張感を盛り上げてます。
サブストーリー
アンソン大佐のサブストーリーが展開されました。
やはり、サブストーリーがあると物語は広がりがうまれます。
特に、幼女戦記の場合は、ターニャがあまり他のキャラクターと強くかかわらないので、そんなにサブストーリーが生まれていません。今後はわかりませんが。
なので、他キャラクターでサブストーリーとなります。
といっても今回の大佐の話は、少し浅い話でした。
もっと感情が高まる背景のシーンや設定などがあると、よりグッときたのですが。
サンドイッチ
フィヨルドの景色をみて、アンソン大佐「絶景だな」というセリフ。
ラストの方のターニャの「絶景だな」にかかってました。
サンドイッチではさんで、対比で深みを出しています。
テーマの強調
バトルクライマックスのターニャの祈り。
「主よ、父と子~」がアンソン大佐と娘を表してましたね。
今回のお話のテーマを強調しています。
また、大佐が「神よ、願わくば我にあの悪魔を撃ち滅ぼす力を与え給え」と神に祈るのが作品テーマにかかってますね。強調されます。
信仰心のないターニャが勝ち、信仰心があるものが負ける。
もしや、大佐の願いは叶えられる?
おわり
アンソン大佐のお話は、会議とバトルシーンにかたよりがちな幼女戦記に彩りを与えてくれました。
というか、ほんと会議シーンが多いな。
今回も帝国は勝利です。圧倒的です。
そして次回は「火の試練」です。
試練というからに、そろそろ厳しい戦いが展開されたりするのでしょうか。
ターニャが苦しむ展開がみたいですね。あのセリフを。
それでは、また次回。
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幼女戦記の基本情報
【感想分析】1話「ラインの悪魔」/2話「プロローグ」/3話「神がそれを望まれる」/4話「キャンパス・ライフ」/5話「はじまりの大隊」/6話「狂気の幕開け」/6.5話「戦況報告」(総集編)/7話「フィヨルドの攻防」/8話「火の試練」/9話「前進準備」/10話「勝利への道」/11話「抵抗者」/12話(最終回)「勝利の使い方」/総括
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出典:カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会/アニメ『幼女戦記』(AbemaTV 2017年2月24日放送)第7話