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【感想分析】アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』 第6話を視る!

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物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「作り手の視点」の感想を読むことで、作り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』の第6話「作っちゃった!」の感想分析をします。

原作などは読んでおらず。また、アニメ『ラブライブ』との比較分析を、軽く入れたりと。
※ネタバレあり

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6話「作っちゃった!」あらすじ

蔵でのライブ、通称「クライブ」が終了し、待ちに待った文化祭モード。クラスの実行委員長となった香澄はキラキラドキドキする文化祭にするため、副実行委員長の沙綾の助けを借りて着々と準備を進めていく。一方、香澄たち4人は文化祭でのライブに向けて曲を作り始める。バンド名が決まったり、フライヤーを廊下に貼ったりと、楽しそうなみんなを見つめる沙綾はなんだか複雑そうな表情を浮かべていて……。

BanG Dream!(バンドリ)公式サイトより引用

感想

さて、今回は「山吹沙綾キャラクター回」。

沙綾のバンドをやっていた過去がチラリとみえ、楽しい文化祭と文化祭ライブへと向かいつつ、ラストは「やらない!」と謎を残しつつ終わります。

全体としては悪くはないのだけど、なんともスッキリしない感じが残りますね。
まあ、バンドリは毎回どこかスッキリしないのだけど(笑)

なんだろうなーこのスッキリしない感じ。
女子校生が文化祭の準備でキャキャして楽しそうな日常なのはよいのだけど、これって「バンドもの」だよね?
なんともバンドという感じが、音楽への情熱とか愛を感じない(以前からチラチラそう感じてるけど)。
バンドはただのちょっとした趣味で、楽しい女子校生ライフという方向性なら別に問題ないのだけど、そうじゃないよね?(たぶん)

単純に、バンドに関するシーンが少ないし、あっても弱いというのが原因の一つ。
あとは、やっぱり香澄かな。
香澄はキラキラドキドキするものをずっと探していて、やっとバンドというものに出会った。
バンドは彼女にとって、すごく特別なもの。
しかし、別にバンドをやらなくても、香澄は普通に楽しそうな毎日を送ってる

今回は文化祭で、実行委員になり盛り上げようとする。
キラキラドキドキするクラスの出し物しよー!的なことを言う。
それを見てると、なんか別にバンドじゃなくても楽しそうに見えてしまう。
バンドはオマケのように見えてしまう。
最悪、香澄がバンドに出会わなくても、普通に幸せに暮らしてるんじゃないのかとも思ってしまう。
そのように見えてしまうから視聴者は困る。
視聴者は、この作品の何にキラキラドキドキすればいいのだろう。

文化祭ライブは、大勢の客の前でやる初ライブ。
彼女たちには、大事な試練みたいな感じなのに、それを成功させるために頑張る感じがない。
むしろ文化祭のクラスの出し物の方を頑張ってる感じに。
そこが、アレ?ってスッキリしない感じになるのだろうな。

さらにバンド名『Poppin’Party』もあっさり決まってて、アレ?って感じ。
なんか軽っ!って感じ。そんなもんなの?
せいぜい出し合った名前決定会議のシーンとか見たかった。
そこもバンドの適当感を少し強調している。
ちなみに、『ラブライブ』もあっさり名前決まったけど、きちんと決めた!というシーンはありますね。

さらに文化祭の曲も、ノリでつくった花園たえの曲で、それでOK!と軽いし。
さらに歌詞の方向性もイマイチあいまいで軽いし。
文化祭ライブは、こういう感じでいきたい!」という方向性や目標が始めに少しでもあったら。

例えば、花園たえがクライブの終わった夜に思いついた曲で、自分が何か始まるみたいな気持ちになり、そんな時に浮かんだとか。で、いい!その曲を私たちのスタートの曲として作りたい!とかね。
でないと普通の人が、ノリで普通に曲つくってる感じだし。これはリアルでなく物語なのだから。

さらに、紗綾の家に泊まる理由も、(歌詞を考えるの)一人だと眠くなるからとかそんなこといってたような…
いや、それってどうなの?情熱感が弱っ!
思いつかないはいいけど、眠くなるはちょっと…ここにも適当感が…

あと、そういえば今回ランダムスターは出てたっけ?
一回も出てなかったような?バンドリの「象徴」が出てないのはちょっと…
ある意味、裏主人公でもありますし。ここも適当感が強調されてるかな。
歌詞を書く時も常に身につけてたり、人の家でお泊りする時でも一緒!ぐらいの愛がほしいよね。
もしや、ランダムスターを見れなかっただけでスッキリしてないだけじゃ(笑)

そんな感じで、悪くはないけど心配になる流れです。
お母さんのように心配です。紗綾のように心配です(笑)

分析

それでは、技術的なポイントを視ていきましょう。

香澄のキャラクター

今回も香澄のうざうざ感が強く出てきました。
まあ、文化祭というお祭りなので、祭りのノリということで許されてはいますが。

気になるのは、沙綾に頼りっぱなしという点ですかね。
面倒事は沙綾が、全部引き受ける形になっている感じに。
そこが、「依存感」が強く出てしまっているところではあります。
ストーカーとか、依存とかちょっと気になるワードがチラチラ浮かぶのが危険です。

また悪くいうと香澄は、「他人まかせ」なところがある。
面倒なことは他人に。わからないことは他人に。
自分だけやりたいことをやっているという印象に。
そういう印象を払拭するところがあればいいのだけど、弱いな…

なのでラストのバンドのポスターに、勝手に名前をのせているところは「怖っ!」って思う人もいるだろうな。香澄が「バンドに入らなくてもいいから」といい、紗綾が「いつかね」といい、次のシーンでポスターに名前がガッツリのってて「メンバーだよ!」と(笑)

沙綾のキャラクター

6話の主人公・山吹沙綾
沙綾シーンがたっぷりで、沙綾づくしでした。
過去にバンドをやっていたという謎多き?少女。

みんなの頼りになる、しっかり者の「お母さん」キャラクターです。
家ではパン屋の手伝いをし、弟妹の面倒をみて、学校では香澄の面倒をみて、大変なお母さんです。
有咲が「どM?」と聞いて、認めるほどのM体質です。
そのセリフがあるから救いでもありましたが、それでもあまりにも苦労人なので泣けてきました(笑)
将来は「都合のいい女」としてダメな男に騙されそうです。あれ、有咲もだっけ?
いえいえ、有咲は「軽い女」でしたか。似て非なるものです(笑)

しかし、ちょっと沙綾シーンを多くつめすぎな気もしますね。
簡単にいうと、ほとんど「面倒をみるシーン」ばっかりでしたし。
もっと沙綾の違う表情をみたかった。
こういうお母さんキャラクターって、特にあまり違う表情がみえにくいし。
そういう意味では、実は難しいキャラクターですね。

有咲のキャラクター

今回もつんつんツンデレな有咲でした。
また、つんつんツッコミと。いろいろツッコミまくってました。

有咲がお泊りに誘われてモジモジし、「私はそんな軽い女じゃねー」はいいですね。
香澄に対するを感じます。いろんな意味で(笑)

また、有咲と沙綾の2人の階段の踊り場のシーンは良かったです。
今まで個別にからんでない2人が一緒だと新鮮。
違うキャラクターの関係性がみえると、キャラクターに深みがでます。
そして違った角度から、有咲の気持ちがみえますし。
また、間はよかったですね。静止画的すぎたのは気になりましたが、途中知り合いの生徒が沙綾に話しかけるのもリアリティがあってよかったです。

牛込りみのキャラクター

今回もりみりみな牛込りみでした。

クラスの出し物で、自分の意見をいったのは良いシーンでしたね。
以前のりみなら、人前は恥ずかしくて意見なんていえないはずなのに、きちんと意見をいいます。
自信のついた、りみの成長を感じれるシーンとなっております。

花園たえのキャラクター

花園たえは今回も天然キャラクター爆発していました。

「ハバネロピザ」発言とか、ポスター貼りで有咲を意味不明に支えたり、『どんぐりころころ』歌いだしたりと。ポイントで不思議空間を生み出し、面白かったです。

今回はそれでいいのですが、たまには真面目なことを言ったりして、ただの変キャラにならないように注意が必要ですね。
個人的には、まったりしたトーンで普通に話をしている花園たえも好きですけどね。

ストーリー構成

お話は、文化祭実行委員の話と、文化祭ライブにむけた新曲を作る話の混合。
文化祭実行委員のお話で、メインの沙綾と香澄のストーリーが展開されます。

感想でのべたように、「文化祭実行委員」というのはちょっとやり過ぎな気もします。
沙綾とからませたかったのかもしれないですが、強引かな。せいぜいクラスの出し物で、一緒に担当の係をやるぐらいでよかったかも。
または、バンドに関係するクラスの出し物だったら意味を出せたのだけど。
バンド喫茶とか、弾き語り喫茶とか、客のリクエストで歌をうたう喫茶とか。

とにかくそれはそれとして、文化祭ライブにむけた新曲を作る話のストーリーだけは、きちんと作ってほしかったです。大事なここが雑な感じ。

お楽しみシーン

今回は、お楽しみシーンがありましたね。
ぬぎぬぎと。

しかし、食事してるシーンから、唐突なカット割りで脱ぐシーンへと変わったので、始めに見てた時に「何でコイツは食事中に脱いでんだ!痴女なのか!」と思ってしまいました(笑)
まあ、いい意味で意外性の切り替わりでした。

そして、紗綾の弟くん
一緒に風呂に入らないと逃げてしまいます。
弟くんに共感しつつ、否定する大人の姿が浮かびます(ニヤリ)
弟くんキャラクターはいい立ち回りしてます。

自分の気持ちを語る

今回の山場。ベランダで香澄が沙綾に向かい自分の気持ちを語ります。

ここのセリフや演出はともかく、香澄が自分の気持ちを語るのは大事ですね。
久々のような気もします。

以前からよくいってますが、香澄があまりにも自分の気持ちを語らなさすぎ・抽象的すぎて、説明不足となり勘違いされやすい状態になっています。
バンドリはなぜか、自分の気持ちを語りませんから。

作画問題

前回に引き続き、今回も作画が少し残念なところがありました。
むしろ、さらに悪化してるような気も。
まあ、今回は描く人数が多めというのがあったけど。

作画が上手くいかないということは、アニメーションの動きも単調になるし、演出も地味な表現になってしまいます。時には恐ろしいことに、計画してたシーンや言うはずだったセリフがカットされる場合もあります。

ところどころのシーンに、その不味さが出てました。
単調な見せ方でシーンが雑だったり、盛り上げるところがいまいち盛り上がってないし。

うーん、大丈夫かな?
途中で「特番」やるみたいですが、作画を挽回できるのかな?
『レガリア』や『クオリディア・コード』の二の舞いにはならないでほしいですね。

おわり

そんな感じで、良いとこもありつつも、不安の残る6話でした。
スッキリと「最高!素敵だった!」と言いたいのだけど、これがなかなか。

さて次回は、沙綾がバンドやっていたことが香澄にバレるのでしょうね。
仲間ゲット編のラスト、一番の見せ所でもあります。
香澄が「沙綾と一緒ならキラキラドキドキすると思う」と強引にせまって、あっさり仲間にならないことを祈ります。

しかし、誰かがケンカするようですが、ケンカをするのは誰でしょう。
普通に考えれば香澄と沙綾となりそうだけど、沙綾はケンカするタイプじゃないですからね。
やはり有咲と沙綾かな?
有咲「私の香澄と別れなさいよ!あんたなんか、ただの都合のいい女なんだから!
沙綾「私はあなたが香澄の愛人でも気にしないわ。だって香澄は最後には私のところに戻ってくるんだし(ニッコリ)
たえ「どんぐりころころ~
りみ「あっ、あっ、あのね。わ、わた…(私、実は香澄ちゃんを騙して、婚姻届だしてるの!)
香澄「キラキラドキドキぅぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!
そんなロックンロールな展開かも(笑)

文化祭が楽しみになってきましたね。それでは、また。

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出典:BanG Dream! Project/アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』(AbemaTV 2017年2月25日放送)第6話