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【感想分析】アニメ『幼女戦記』 第8話を視る!

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物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「作り手の視点」の感想を読むことで、作り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『幼女戦記』の第8話「火の試練」の感想分析をします。

ちなみに原作は読んだことはありません。
※ネタバレあり

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8話「火の試練」のあらすじ

統一暦1925年。帝国軍は協商連合全域を事実上の占領下においた。ターニャと第二〇三航空魔導大隊はライン戦線へ転属。共和国軍との血で血を洗う激戦が続くなか、元共和国領のアレーヌ市でパルチザンが蜂起したとの一報が入る。アレーヌ市は帝国軍の後方連絡線上にあり、このままでは前線への補給路が遮断されてしまう恐れがあった。参謀本部は司令部を通じ、「アレーヌ市の叛徒および合流してきた敵魔導部隊を排除せよ」との特命を、ターニャの大隊に発令。司令部によると、市内に残った敵はあくまでも「共和国軍」だというが、市街地の掃討戦で民兵と非戦闘員の区別が出来るはずもない。グランツを始めとする大隊各員は、非情な任務に動揺を隠せなかった。

「幼女戦記」公式サイトより引用

感想

さて、今回は「市街地での掃討戦」。

今までは一般市民がいない場所での戦闘でしたが、今回は市街地での戦闘。
上からは、非情にもアレーヌ市には非戦闘員はおらず、全て排除せよとの命令が。

ターニャちゃんは、本当はやりたくないのだろうな。
上司に言われた時には、あんなにも嫌味みいたことを言っていたし。
ミュージカルかよ!というぐらい嫌味な動きだったし(笑)
あれも、嫌味の強いアピールなのだろう。
弱いターニャちゃんのできる精一杯の抵抗。
ちょっと悪いことを考えるけど、本当は根の優しい小さい女の子だから。
夜なんて、悔しくて、悔しくて眠れなかったのだろうな。

そして、戦闘。
真面目なヴァイス中尉がいつの間にか負傷。
そんな中尉を叱咤するターニャちゃん。
オマエは足手まといだ!と引くように命令。
口では厳しくも、あれもターニャちゃんの優しさなのだろうな。

ラストは、グランツ隊員に撃て!と厳しく命じるターニャちゃん。
上の命令は絶対だ、それが戦争、わたしたちが生きる道なのだ!
部下に対して、その背中で、その瞳で訴えかけている。
泣いていたのはグランツ隊員だったのだろうか?
私には涙を流しているのはターニャちゃんのように見えた。
くっ、これが戦争…なんて辛いんだ。
ターニャちゃんの生き様に漢(幼女)を感じる。
なんて残酷な美しいシーンなのだ。
そして黒幕となり、銃の音だけが響く…

一方、参謀本部。
あーこのレポートね。あの幼女が書いたんだ。
オマエか!オマエなのか!オマエは血も涙もない悪魔か!

大佐復活!?
大佐やるんだー!この悪魔を、この悪魔を倒せー!
神パワーをみせつけてやれ!オシオキだ!お尻ペンペンだよ!
俺も叩いてやる!コイツめ!(ぺしん)コイツめ!(ぺしん)コイツめ!(ぺしん)…

とまあ、冗談はともかく。

最近は大戦が始まり感情的な動きも出てきて、戦争感も強く出てきて盛り上がってきましたね。
そして今回は、幼女戦記のウリである「悪魔感」も強く表現され良かったです。
彼女の存在が、この世界をどう動かしてしまうのか気になります。

まるで、ターニャが悪魔を演じることで、神の信仰が増えるような。
それが神の狙い!?

分析

それでは、技術的なポイントを視ていきましょう。

ストーリー構成

今回は、市街地での掃討戦のお話をメインに、グランツ隊員のサブストーリーが展開されました。

グランツ隊員のサブストーリーがあることで、感情的な動きがでて、情緒ある物語に。
一般的な性格のグランツ隊員によって、視聴者は感情移入しやすくなります。
ターニャには感情移入しにくいので、こういう一般人キャラをつかって感情移入を生み出すのは大事。
前回のアンソン大佐もそうですね。

またグランツ隊員のストーリーというと、始めの方でちょっと戦争をなめていい気になっているシーンがよいですね。
それがあることでラストの厳しい現実が、対比として強く強調されました。

そして、最後のオチとしてターニャの市街地戦でのレポートとなってます。
実はターニャが考えたことでした」という秘密をバラしオチです。転の後に転という流れ。
これによってターニャの悪魔性が強く強調されましたし、恐ろしくもターニャが戦争を動かしているという感じが表現されています。また間接的表現なので、さらに強くなります。
正直コレがないと、よくある戦争ストーリーということでつまらなかったでしょう。
幼女戦記ならではの大事なオチですね。

会議の工夫

今回も上司との話し合いで、嫌味っぽいシーンがありましたね。
嫌味を語りつつ、くねくねと動きが無駄に凝ってました(笑)
キャラクターを出しつつ工夫と。

会議シーンというのは単調になりがちになるので、工夫が必要です。
前回はミルクだ~と工夫がありました。
幼女戦記は会議が多いので、毎回どう工夫するかがポイントですね。

バトル

今回のバトルは、激しい動きアニメーションでした。
市街地とバトル場が変わり、戦いの面白さがありましたね。
毎回バトルも何かしら工夫があります。
場所だったり、敵だったり、戦い方だったりと。大事ですね。

そして、毎回大事なのは主人公・ターニャの見せ場
ターニャが光を利用し、相手を翻弄し倒しました。
きちんと見せ場をみせます。

学園生活

正直、学園生活のストーリーはそれほど強く意味を感じませんでしたが、「レポート」が大事だったのかもしれませんね。
今回は市街地戦でのレポートが、ターニャが戦争を世界を動かしているという結果になっています。
大戦予想のレポートもありましたし。
もしや、今後他のレポートが戦争を動かしてしまうかもしれません。
もちろん、レポートは日本にいた時に仕入れた情報も入ってるのでしょね。

物語を「レポート」という道具で動かすのは面白いです。作者のアイデアですね。

生きてたアンソン大佐

てっきり大佐はお亡くなりで、娘が活躍するのかと思っていましたが生きてました。
前回は、「神を信仰する者」対「神を否定する悪魔」みたいな対比になってましたが、その続きがみられるようですね。

そして、アンソン大佐は神から悪魔を倒せと言われているようですし、これはまた例の神パワーが炸裂して、何か起こりそうです。
もちろん、特別な力でも与えられるのかな。

アンソン大佐のキャラクターは、テーマに関係する信仰する者と否定する者の対比キャラクターであり、神パワーによる強敵という感じですかね。
確かに神の力を特別に与えられたターニャには、普通の敵じゃあ物足りないですよね。また物語ですし。
神パワーには神パワーと。

とにかく、それ相応の相手が必要ですね。

全体構成

今回はある意味、「大隊の仲間」のお話ともいえます。
グランツ隊員が代表として。
全体のお話のバランスとしては、そういう話もあることで深みが増します。

しかし、ターニャに一番近いヴィーシャはまだ活躍しないですね。
一番近いのだから、ヴィーシャの話も見たいところ。

おわり

さて次回は、何やら大きな作戦が動きそう。

戦務参謀次長ゼートゥーアの細い目が、カッと見開いていました(笑)
見開くほどなのですから、相当でしょう。
そこで神パワーを得るであろう(たぶん)アンソン大佐とバトるのかな?
そうなら、ただの戦争でなく超バトルが見られるのかも。

ヒーヒーいうターニャもみたいですからね。ペンペンされる(笑)
それでは、また。

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【感想分析】1話「ラインの悪魔」2話「プロローグ」3話「神がそれを望まれる」4話「キャンパス・ライフ」5話「はじまりの大隊」6話「狂気の幕開け」6.5話「戦況報告」(総集編)7話「フィヨルドの攻防」8話「火の試練」9話「前進準備」10話「勝利への道」11話「抵抗者」12話(最終回)「勝利の使い方」総括
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出典:カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会/アニメ『幼女戦記』(AbemaTV 2017年3月3日放送)第8話