物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「作り手の視点」の感想を読むことで、作り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』の第9話「バイトしちゃった!」の感想分析をします。
原作は途中で読んでます。また、アニメ『ラブライブ』との比較分析を、軽く入れたりと。
※ネタバレあり
『BanG Dream!(バンドリ)』の基本情報
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9話「バイトしちゃった!」あらすじ
文化祭で新曲「STAR BEAT!~ホシノコドウ~」を演奏しきったPoppin’ Party。やっと5人のメンバーも揃い、SPACEでライブを行うためのオーディションを受けるために本格始動しようとした矢先、たえからSPACEのスタッフがインフルエンザでダウンしてしまったことを聞かされる。急遽ピンチヒッターとしてアルバイトをすることになった香澄たち。憧れの場所で働くことにワクワクするが、お仕事は予想以上に大変で……。
感想
さて、「仲間ゲット編」を終了し、新章が始まりました。
今回は「Space最高だね!回」。
日常パートは良いのですが、あいかわらずストーリーの運びは雑。
唐突にオーディションが始まったり、終わりは前回と同じオーナーの「シメるよ」セリフでお終いと。
あいからず練習はまったく無しでの、新曲によるオーディション。バンド感が薄っ!
時間経過もなしで、強引なシーンの切り替わりか…
以前もよく、話の後半のクライマックスが強引だったりするし。なんなんだろコレは…
そして、前回と同じ終わり方は、さすがに不味いだろう。工夫のカケラも感じない。
いやいや、素人じゃないんだから。
あえてネタとして意図してやったなら、真面目なところでやっちゃいけないし。
さらに、今回表現したかった「Spaceは最高だね!」というのも、それっぽくは見せてるけど弱い感じだし。
感情の動きがな…
そして、沙綾の問題は、やっぱり無かったことになりましたか。
まあ、そうなっちゃうよね。
だったら、あんなに重くしなければよかったのに…
しかも、今回の話は5話と少し似てるし…
オーナーはすごい!やっぱりここでライブしたい!といった感じが。
なんか繰り返してる感じが…まあ、いいけど。
毎回思うけど、なぜかストーリーは適当な感じがする。
まあ、日常シーン(ストーリーとはあまり関係ない遊びのシーン)は力が入っているけど。ギャグは特に力は入っているけど(笑)
日常シーンが「7」で、ストーリーが「3」という割合みたいに感じるな。
ストーリーがオマケで、日常シーンがメインと。
そういう戦略なのかな?だったら、始めから日常アニメにすればいいのに…
といった気になる点はありますが、日常シーンは面白いので良いのではないでしょうか。
ちなみに今回は、バイト終わりのステージにあがる4人が一番印象的でした。
有咲だけが、あがっていない点が(笑)
4人と有咲との気持ちのズレが、表現されているんでしょうかね。
4人は盛り上がっているけど、まだどこかやりきれない気持ちの有咲。
もしかして、有咲が例のセリフを言ってしますのでしょうか?(8話記事のおわり参照)
まあ、そんなわけないか(ニヤリ)
あと、個人的に好きな二十騎ひなこ先輩。
今回は「ワシワシ」でしたか。ちょっと、今ひとつな感じ。
ひなこ先輩は、やはりセリフだよな~セリフもあわせてのワシワシだったらな。
そういえば、前から気になってますけど、牛込ゆり先輩はあまり喋らないですよね。
一言二言で終わるセリフが多いので、あまりキャラクターが出てない。なんで?
そういった感じで、あいかわらずなバンドリでした。
分析
それでは、技術的なポイントを視ていきましょう。
香澄のキャラクター
香澄のキャラクターは、単調なシーンでいきてきますよね。
バイトの手伝いなんて、単調であまり動きがでないのだけど、香澄が動く(余計なことする)ことで、シーンが面白くなっていっています。
そして、今回はオーディションの「やりきったと思う者は?」に対しの「ハイ!」と手をあげるのは良いですね。
香澄らしいし、インパクトがあります。いきてます。
しかし、ライブハウスに手伝いに来て、「手伝います!」とオーナーとやりとりしてるシーン。
唐突に真剣な感じになるのが、違和感を感じる表現。ここは真剣になるとこなのか?
他のメンバーのキャラクター
有咲
あいからずのツッコミ役と。そして、視聴者の代弁役と。
グリグリのキーボードの生徒会長にドキドキしてました。感情をみせてました。
また、感想でものべましたが、4人がステージにあがっている中で、1人あがれない有咲。そういった感じで、有咲の感情を表現してますね。
沙綾
あいからずのお母さんです。
メンバーとなり、普通に馴染んでます。バイトでは、お掃除スキルに、レジ担当スキルを発揮。
しかし、今後はお母さんキャラとして、空気にならないか心配です。
花園たえ
あいからず天然ボケをかまします。
そればかりになりがちですが、今回はバイトの先輩である真面目な一面をみせます。
しかし、もっとバイトの先輩という顔をみせてもよかったかな。
牛込りみ
あいからずな、りみりみと。
みんなの「私の心はチョココロネ」のハモリで、「わ~、ハモあないで~」が可愛い。いつも、りみの羞恥に萌えな。そして、照明係ではアタフタと期待どおり。
ストーリー構成
今回は、ライブハウス「Space」は最高!という気持ちの盛り上げがメイン。
狙いとしては、「ここで絶対ライブしたい!」というストーリーの方向性を生み出すのと、廃校じゃなく、廃ライブハウスを救うために「Space」に対して思い入れを作るための回なのでしょう。
ラブライブ方式でいうと、1話の「冷静考えてみると、この学校が好き!廃校ヤダ!」といった話かな。
ストーリーとしては、ピンチのバイトでライブハウスを知り、オーナーの強い想いを知り、そこで活動するバンド達の強い想いを知り、ここでライブしたい!といった感じですかね。
その気持ち盛り上げといて「シメるよ」と。
問題としては、まず唐突なオーディション。
「よし頑張ろう!」となって、次のシーンでオーディションとなると唐突すぎです。
強引です。強引なので、ご都合主義に感じらシラけます。
まあ、ただ「シメるよ」が言いたいだけに作られたシーンなのでしょうね。
単純に、たくさんの練習や新曲作り、ブランクのある沙綾など、数週間は時間のかかりそうな問題をかかえているのに、一瞬ですましてるので違和感ありまくり。
こういうブツ切りは、キャラクターと視聴者との気持ちのズレを起こすのでよくないです。
簡単にいうと、視聴者が置いてけぼり。
スゲー練習して、自分達の中では「イケる!」と思ったけど、理由の説明なく「ダメ」と言われたら、普通にドラマが盛り上がったろうな。
結局、地味にそういったシーンがないから、バンドリってバンド感(バンドにかける熱い想い)があまり感じられない。ただの女子校生の趣味レベルで終わっている。そういった地味なシーンを、どう面白く、自然にみせられるかも制作の腕の見せ所なんですけど…
まあ、せいぜい間に少しでも時間経過のシーンがほしいところ。
または、新曲でなく『私の心はチョココロネ』なら、まだ自然だったのかな。
そして、オーディションの終わりの、前回と同じ「シメるよ」発言。
さすがに同じでなく、オーナーセリフはアレンジしてほしい。
または、せいぜいオーナーが発言して、「えっ」とかボーゼンする香澄の反応とかで終わってほしいところ。
またストーリーの流れは、「みんなオーディション目指して頑張ろう!」で話が終わって、8話のCパートの「シメるよ」シーンをこっちに持ってくるという流れでもよかったかな。
別の形だと、バイトの帰りにイキナリ申し込んで、そこで「ダメだ」と断られ、「シメるよ」となってもいいのかな。
全体構成が、どうなっているかにもよるけど。
そして、山場となるバイト終わりに、円になって寝そべっているシーン。
ここは何か違和感を感じましたね。
こういう絵になるシーンというのは、強い雰囲気の時にみせるのですが、そこまで気持ちが盛り上がってないのに、唐突に盛り上がってる感が出ておかしい。ここでも唐突。
通常でしたら、ライブハウスでバイトしてみて、オーナーと演者と共に一緒に作り上げ、その結果のライブにすげー感動して、泣くほどの演者に強く心動かされ、その後でのシーンならわかりますけど、そこまで全員の気持ちが盛り上がってない。
特に、盛り上げるための要素となっている、Roselia(ロゼリア)のサブストーリーが弱い。
簡単にいうと、ロゼリアのライブシーンがあれば盛り上がったし、ロゼリアのオーナーの説得シーンが5人一緒に聞いていればよかった。
ライブシーンがあれば、自分達が作り上げた結果という感じが出たし、全員で説得シーンを聞くと、もちろん全員の気持ちが高まる感じが出るし。
現状だと、「オーナーは厳しいけど、音楽に熱い良い人」だけの読後感で終わってる。
そして、オーナーの姿だけをみて「ここでやりたい!」と思ってるような感じなので弱い。
なので、今回の狙いの1つでもある「Spaceに対する思い入れ」ができていない。
というか、ロゼリアのサブストーリーが、ストーリーになっていないのが問題か。
といった感じで、特に唐突なところが目立ちました。
まあ、唐突になるということは、作画する時間がなくて省略した可能性もあるけど…
とにかく、日常シーンに力を入れるのはよいですけど、基本となるところをもっと作り込んでほしいですね。
前回の余韻
前回の余韻として、沙綾のお話がありましたね。
みんなで一緒に、沙綾のドラムを買いにいったりと。
そして、帰りに香澄が沙綾が仲間に入った余韻をかみしめているシーンがありましたね。
こういうの大事ですね。特に、前回は大きなお話でしたから。
余韻があるから、より前回の話がきいてきますし、ストーリー全体に繋がりがうまれます。
バンドのリアリティ
「香澄達が練習する」というバンドのリアリティは、あいからず皆無ですが、他の点でバントのリアリティが出ていましたね。
沙綾のドラム買いにいったり、ライブハウスについての説明を入れたりと。
そこまで専門的というわけじゃないですが、少しでもあるとリアリティでますね。
あと、ヒズミがどうとかもそうかな。
しかし、練習シーンがないのは描くのが大変なせい?
作画
あいからず作画はダメでしたか(笑)
アチコチで顔が、とけてたりしてますね。
特番の休みでも、やはり復活はできませんでしたか。
この分だと、最終回まで引きずるようですね。残念です。
おわり
あいからず、いろんな意味でツッコミどころのあるバンドリです。
ライブハウスが潰れることを知った香澄達は、何をするのでしょうね。
例のアレが開催されるのかが楽しみです。みんなどこか期待している(笑)
でも、話数的にそれは無いと思いますけどね。たぶん…
クライマックスまで不安のつきないバンドリ。
それでは、また次回。
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【作品分析(全話)】
1話「出会っちゃった!」/2話「やっちゃった!」/3話「逃げちゃった!」/4話「怒っちゃった!」/5話「ドキドキしちゃった!」/6話「作っちゃった!」/7話「ケンカしちゃった!」/8話「走っちゃった!」/特BanG!「3rd LIVE」/9話「バイトしちゃった!」/10話「驚いちゃった!」/11話「歌えなくなっちゃった!」/12話「キラキラしちゃった!?」/第13話「歌っちゃった!」(最終回)/総括/OVA「遊んじゃった!」
【作品分析(1テーマ)】
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バンドリのアニメ版と小説版の比較
バンドリの放送版(3話)とパッケージリテイク版の比較
Amazon「BanG Dream!(バンドリ)」グッズ情報
出典:BanG Dream! Project/アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』(AbemaTV 2017年3月25日放送)第9話