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【感想分析】アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』 第10話を視る!

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物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「作り手の視点」の感想を読むことで、作り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』の第10話「驚いちゃった!」の感想分析をします。

原作は途中で読んでます。また、アニメ『ラブライブ』との比較分析を、軽く入れたりと。
※ネタバレあり

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10話「驚いちゃった!」あらすじ

オーナーからSPACEが閉店することを聞かされ、愕然とするPoppin’Partyの5人。最大の目標を失いかけ途方にくれるメンバーだったが、絶対に合格しようという香澄の言葉にオーディションへ望む。しかし、結果は不合格。オーナーには「全然足りない」と言われてしまう。自分たちに足りないものは何なのか――とりあえず、がんばる!と決めた香澄だったが、オーナーに「あんたが一番できてなかった」と告げられて……!?

BanG Dream!(バンドリ)公式サイトより引用

感想

さて、今回は「香澄の挫折回」。
音楽モノではベタな展開ですが、香澄は歌えなくなっちゃいました。

今回は、オーナーの「あんたが一番できてなかった」発言がシビれましたね(笑)
このセリフに何とも言えない衝撃が走りました。いろんな意味で。

この後に、有咲はそんなにやる気ないけどやってみるかとか、沙綾のどっちでもよかったけど、といった発言に香澄は気づいたのでしょう。
あれ?みんな、そんなにやりたいわけじゃなかったの?
周りのことに気づいていない、自分中心に突っ走っていた自分に気づいた。
楽しいと思っていたのは自分だけ。そして、ただ楽しければよいと思っていたのは自分だけ。
なんて絶望でしょう。
(ちなみに、オーナーが不合格にしたのは「お前ら気持ちが一緒じゃねーよ」でしょうかね)

でも、まさかアニメ内で、その点を突くなんて思ってませんでした(笑)
だから衝撃的だったのかな。
とにかく、そんなリアルな展開に、作品はリアリティが増しました。
ドラマチックになってきました。盛り上がってきました。

しかし、冷静に考えると「コレは大丈夫なのかな?」という疑問もわいてきました。
香澄が相手のことを考えないで、自己中心的に突っ走る性格は始めからなので、周りが見えていない点を否定されるのはどうなのだろうと?
今までの物語が、否定される感じにならないかなと思ってしまいます。
オーナーがオーディションで彼女らの歌を否定したように、クライブでやった歌も、文化祭でやった歌も、否定される感じにならないかなと。
そして、香澄が自己中心的に仲間をゲットしてきたことも、否定されないかと。

まあ、後の展開としては、仲間が「香澄がいたから、今バンドやってて最高に楽しいよ!」的な感じで済ますと思うのですが。う~む、何か煮え切らない。
結局、たまたま香澄の自己中心的な行動が、運よく上手くいっただけという感じにもなるので、どうなんだろう?やっぱり、突っ走るけど相手を思いやる性格って大事だよな~

ちなみに、ライブライブ方式でいうと「穂乃果の挫折回」ですね。
主人公・穂乃果が、文化祭ライブに突っ走りすぎて失敗、また突っ走りすぎて親友・南ことりちゃんの、留学に悩んでいることを気づいてあげられなかったと。
こちらは、そのイベントだけが突っ走りぎみで、バンドリの場合は全体で突っ走りぎみですからね。
だいぶ意味合いが違います。

しかし、オーナーの「あんたが一番できてなかった」発言は、制作側にもいえるのかな。
香澄=制作側。
そして、次のセリフ「何にも見えていない。周り(視聴者)も、自分(制作側)も
戒めのセリフなのかな(笑)

皮肉はともかく、他の点についても。

今回は、ホラーな点も目立ちましたね(笑)
ラストの香澄のたどたどしい歌。あれは、ちょっとやりすぎじゃないか?
ちょっと歌の時間が長過ぎるので、なんか怖くなってきました。
呪いの歌かよ!(笑)

また、いきなり思いたち、夜にオーナーに会いにいったのも、何か怖かったです。
まあシナリオとして、2人っきりにしたかったのでしょうが、無理やりすぎ。

さらには、一人家での練習でしょうかね。
妙に雰囲気作っての、ギターひいての泣き?
なんか怖さを感じるのは、なぜだろう。

他には、花園たえもホラーでしたね。
ライブハウスを閉めることで、イッちゃった目で「花園ランド」を妄想してました(笑)

別な意味でホラーというと、二十騎ひなこ先輩ですか。
彼女が何かを一言いうと、毎回大きな揉め事が起き出す(笑)
以前の「う~ん…でも、君達の近くには、ひなこちゃんよりバッチリな子いるぜ?」とか、今回の「一生懸命考えること」。
デスノートならぬ、デスセリフですか。
彼女の一言で、セカイは動き出す。なんて、恐ろしい娘なのでしょう。
そんな、ひなこ先輩が好きですけどね(笑)

とまあ、有咲的にいうと、ヤバい!マジか!的な回でした。

分析

それでは、技術的なポイントを視ていきましょう。

香澄のキャラクター

何にしろ、挫折するのはいいですよね。
歌えば全てが上手くいくセカイは、白々しいです。
特にバンドなんて、挫折ポイントがたくさんありますから。
香澄のキャラクターが増していきます。

しかし、今回の香澄は「元気」と「暗さ」のギャップが激しいです。
というか、唐突なんですよね。
以前は、急に「真面目」になったりしたり。
その唐突さが、なんか違和感を感じます。

そういえば、今回はファッションデザインのセンスも披露しましたね。意外な一面です。
というか、「練習しろよ!」とツッコミたかったけど(笑)
というか、「それ誰が作るんだよ!」とツッコミたかったけど(笑)

その他のキャラクター

有咲
今回の有咲は「ポピパ楽しくないの?」と香澄に攻められ、「楽しい」といいましたね。
デレは久しぶりのような気が。やはり、有咲はこうでないと。
最近、ツッコミばかりでしたし(笑)
しかし、前回の有咲だけがステージにあがらない表現は、やはり気持ちのズレがありましたね。
イマイチ気がのらない有咲。
ところで、蔵(一階)で会話するのはよかったですね。1、2話を彷彿させますし。

花園たえ
花園たえは、今回は壊れましたね。
あまりのショックで、「花園ランド」を妄想してました(笑)
新しいキャラクターの一面が出てよいです。

牛込りみ
りみのセリフは少ない感じかな。まあ、一生懸命考えてる姿は可愛いけど(笑)
もう少しりみの気持ちの出るセリフ欲しいかな。
Spaceが終わることに対しての思いだったり、Spaceのライブに出たいと思う気持ちだったり。
最近、めっきりセリフも少なくて、目立たないキャラクターになってないかな?

沙綾
元のバンドのCHiSPAとのからみがあったのは、良いですね。沙綾のキャラクターが出ます。
しかし、もっと沙綾のキャラクターが出るような会話がほしかったかな。
夏希が、沙綾のおちゃめな一面をバラすとか(笑)

ストーリー構成

気になった点、よい点をずらずらと。

オーディション失敗した次の日に、またオーディションへ行こうとする香澄。
さすがに、これはやり過ぎな感じがしますね。
これだと香澄が、あまりにも何も考えてない感じが出すぎてイヤですね。

CHiSPAもオーディションを受け、合格する流れを入れたのは良いですね。
対比がうまれ、より香澄たちの状態が強く表現されます。
また、知ってる人が受かると、焦り感が強まりますし。

夜1人、ライブハウスへ来る香澄。
オーナーと2人っきりになり、例のセリフを言わせたかったのだろうけど、香澄が夜中に唐突にライブハウスへいくのは、無理やりな感じですね。もっと、自然にしたいところ。あいかわらず、ストーリーの運びが強引。

ライブハウスでグリグリと出会い、からみ、アドバイスをもらうシーン。
まあ、それはそれでよいのですが、前回も似たようなシーンがありましたね。
細かいところだけど、単調な感じが出てしまうので、工夫がほしいところ。

香澄ショックシーン。
現状は、蔵(一階)で有咲が絆創膏をあげて、頑張るってどうなのよ?的な発言して、家に帰っての妹・明日香を抱きしめ、次に蔵の練習で沙綾・たえ・りみ発言があって、家に帰って暗い中でギター引いている流れです。
ここは冗長な印象を受けますね。
「有咲の発言」と「沙綾・たえ・りみ発言」は、間を入れずに続けてやった方がよかったかも。
蔵(一階)で有咲の発言して、3人が帰ってきて、蔵の地下へいって3人の発言のシーンと。
で、香澄が家で妹・明日香に抱きつき、後で一人暗くギター引くと。微調整しつつ。
その方が香澄のショックが、明確でわかりやすいかな。

ライブハウスをたたむことの反応

アバンで、ライブハウスをたたむことを聞いて、一番ショックを受けるのは香澄でなく、花園たえとなっています。
オーナーに言われ、カメラは花園たえをピックアップ。
ここは香澄じゃないのが、不自然に感じましたね。

たしかに、ライブハウスに対する思い入れに関しては、理屈では花園たえが一番なのだろうけど、物語上は主人公・香澄じゃないのか?
そのせいで、香澄のライブハウスに対する思い入れが、少し安っぽくなりました。

Spaceでライブをしたいという動機

ライブハウスに対する「思い入れ」について。

ライブハウス「Space」でライブをすることは物語上では、大事だと思うのですが、何ともそのゴールへ向かって、ストーリーが強く動いていかない感じですね。
それは、思いれ=動機が薄いから。

花園たえや、牛込りみは、長く通っている方なので思い入れはあるけど、香澄や有咲や沙綾はそれほど思い入れがない。
前回バイトしたけど、それほど強い思い入れを持つほどの話でもなかったし。

香澄は、なんとなく思い入れがあるようだけど、その思い入れがあまり感じれない。
そのようなシーンを表現できていないから。ドラマがないから。
ちょっと触れて、ちょっと気に入ってる程度にみえる。

また、思い入れのある花園たえや牛込りみも、もっと思い入れが強くでる情感のあるセリフが欲しいところ。「実は、こうこうこうで、Spaceに強い思い入れがあるんだ」、くらいの。

なので、Spaceでライブをするというゴールに向かって、強くストーリーが動いていかない
キャラクター達の思い入れが弱いので、感情移入する視聴者も思い入れが弱くなる。

そのせいで、Spaceでライブが出来たとしても、インパクトが弱くなると思いますね。

作画問題

作画は、見てる分には、あまり気にならなかったです。
というか、見慣れてきてるせいなのか?(笑)

しかし、動きや演出は単調気味でしたけど。正面画も多いし。
また、演奏シーンは、まともに描けないし。

あいかわらずな作画という感じですね。

おわり

といった感じで、いつものバンドリでしたね。
今後も、ひと波乱も、ふた波乱もありそうな感じです。
最後まで無事に乗り切れるか、心配です。

次回は、「私、バンドやめる…」(+有咲ビンタ)でヒキかな。
そんなことないと思うけど~(プププ)
そういえば今気づいたけど、今回も前回と同じステージ上でのヒキでしたか(笑)
何かが同じヒキが好きですね。

それでは、また。

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出典:BanG Dream! Project/アニメ『BanG Dream!(バンドリ)』(AbemaTV 2017年4月1日放送)第10話