物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を1つのテーマで分析した内容を読むことで、分析力が鍛えられるシリーズ。
今回は、アニメ『干物妹!うまるちゃん』をとりあげます。
テーマは「変身する主人公」についてのお話。
※ネタバレあり
「『干物妹!うまるちゃん』ベストアルバム ~UMARU THE BEST~」
『干物妹!うまるちゃん』あらすじ
妹の“うまる"は、容姿端麗! 文武両道! 誰もが羨む完璧JK。しかし、この美妹には、秘密があった!! 一度、玄関をくぐれば… あっちにゴロゴロ。こっちにゴロゴロ。“食う・寝る・遊ぶ"の干物妹ライフ!? 内弁慶の外美人! “うまる"の生態を追ったニュータイプ兄妹
『干物妹!うまるちゃん』感想
うまるちゃんは、外では完璧だが、家では二頭身になりダメ人間というギャップがある少女。
そのギャップが面白いし、二頭身になるのがインパクトがありますね。
そして、その姿での動きが、とても可愛い。
でも、その姿はみんなには秘密。
隠すことの緊張感によって、みんなとのトラブルが起き面白みがでてる。
そして、テーマは「兄と妹の愛のドラマ」。
ほっこりなストーリーが展開されたりで、いいね。しかも、2人の過去も謎めいてるところもいいし。一期ではあまり語られず、モヤモヤしたし。
あと個人的には、ハムスターや変なグッズなどの、変な絵のテイストがいい雰囲気をかもしだしていて好きだな。
いろんなアイデアが絡み合って、なかなか面白い作品です。
今回のテーマ「変身する主人公」
この作品の始めのインパクトとして、外では普通の頭身のうまるちゃんが、家では二頭身のキャラクターに変身するというところ。
そこに視聴者は、驚く。
二頭身キャラクターになることで、絵がシンプルになり、よりキャラクター感が増します。
マスコットキャラクター化ともいえるのかな。
マスコットキャラクターは、いろんな年代の誰でも愛されるものなので、愛されやすい。
そういうものに、うまるちゃんは変身する。
もちろん、見た目的に可愛いさが増し、動きも可愛くなる。愛され度が異常に高まる。
二頭身キャラクターによる効果。
もし、うまるちゃんが、家でも普通の頭身だったらインパクトは全然違ったものになるでしょう。
ハムスターの寝間着?を着て、ダメ人間を演じたとしても、まあ悪いわけじゃないけど、二頭身キャラクターの時に比べると弱い感じに。
それだけ、二頭身キャラクターになることはインパクト大。
なかなか面白い作者のアイデアだと思うし、すごい効果的な表現です。
「変身」というと、わかりやすいのはヒーローものとか、魔法少女もの。
うまるちゃんも、ヒーローが変身するのと、同じ変身といえます。
変身というのは「願望の象徴」。
主人公が憧れる、なりたいと思う人物になるのが変身。
ヒーローでいうと、「主人公は強くなりたい!人々を守りたい!」といった願望。
ヒーローは、「仮」として願望の存在となり、物語を体験する。
そして、物語を終える頃には、主人公は変身できなくなる。変身できなくなるというか、変身する必要がなくなる。彼は物語を通じて、成長し、憧れの存在に今この瞬間、自分がなっているのだから。
物語上の変身とは、そのような意味があると思います。
その応用として、うまるちゃんの変身がある。
「ダメ人間」になるのが、うまるちゃんの憧れの自分(笑)
でも、そこに憧れる深い意味が、本当はひそんでいるのだろうけどね。
だから、うまるちゃんは面白いのだろうな。
「願望の象徴」と考えれば、他でもいろんな応用がききそうな技術です。
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出典:サンカクヘッド/集英社・「干物妹!うまるちゃん」制作委員会