物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を1つのテーマで分析した内容を読むことで、分析力が鍛えられるシリーズ。
今回は、アニメ『干物妹!うまるちゃん』をとりあげます。
テーマは「魔法使いの秘密」についてのお話。
※ネタバレあり
「『干物妹!うまるちゃん』ベストアルバム ~UMARU THE BEST~」
『干物妹!うまるちゃん』あらすじ
妹の“うまる"は、容姿端麗! 文武両道! 誰もが羨む完璧JK。しかし、この美妹には、秘密があった!! 一度、玄関をくぐれば… あっちにゴロゴロ。こっちにゴロゴロ。“食う・寝る・遊ぶ"の干物妹ライフ!? 内弁慶の外美人! “うまる"の生態を追ったニュータイプ兄妹
今回のテーマ「魔法使いの秘密」
うまるちゃんと言えば、外では完璧JKだけど、家では二頭身のダメ人間に変身。
前回のうまるちゃんの記事で解説してますが、その変身はヒーローや魔法少女が変身するのと同じこと。この作品は、それを活用したお話となっています。
そして、魔法少女(まあ、ヒーローでもいいけど)といえば、「自分が魔法少女だということは、秘密にしなければいけない」というお約束!
それは、うまるちゃんでもそのお約束が展開されています。
外では、学校ではダメ人間であることをひた隠し。バレないように奮闘。
そして、それが面白さを生んでいます。ギャグであり、シリアスでありと。
このように、うまるちゃんは魔法少女のパターンを活用してます。
それが、新しい作品テイストを表現していると思います。
そして、さらに良いのは、友達それぞれに対して違った関係性を築きつつ、秘密の展開しているという点ですね。
同じアパートに住む海老名菜々とは、普通の友達として、ベタに秘密にすると。
本場切絵とは、うまるの妹という設定を作り、師匠と弟子という関係を築きつつ、秘密にすると。
橘・シルフィンフォードとは、顔を隠しつつゲーム仲間として仲良くなりつつ、秘密にすると。
このように、それぞれ違った関係性を築きつつの秘密なので、秘密が面白く活きてます。
もし、それぞれに対しバレた場合の反応が、あきらかにそれぞれ違ってきます。
なので、お話に深みが出てますね。
ただの学校の友達というワンパターンの関係性だけで、バレるかバレないかの流れだったら単調なお話だったのでしょう。
ここが、うまるちゃんの面白さの秘密(笑)の1つでもあります。
変身のお約束を活かした作品。
もしかしたら、他にも魔法少女的な要素が含まれているかも。
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出典:サンカクヘッド/集英社・「干物妹!うまるちゃん」制作委員会