物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「作り手の視点」の感想を読むことで、作り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『活撃 刀剣乱舞』の第5話「戦火」の感想分析をします。
ちなみにゲームはやっていないが、花丸はみてます。
※ネタバレあり
5話「戦火」あらすじ
時間遡行軍に占拠された軍艦に、時空の歪みから顕れたのは第二部隊最後の刀剣男士・鶴丸国永だった。
窮地に陥った薬研を救った鶴丸は、和泉守・陸奥守と合流し時間遡行軍の手に落ちかけていた軍艦を取り戻す。
一方、会談を守るべく屋敷周辺に残った蜻蛉切と堀川は、強敵・大太刀の力に圧倒されてしまう。さらに、海上の軍艦より行われた砲撃によって江戸の町は燃え上がり、第二部隊は追い詰められてしまうのだった。
感想
さて、今回は衝撃的な展開!
第二部隊の任務は失敗し、江戸は火の海。歴史は不安定に。
そして、蜻蛉切はポッキリ、グッサリ、ビキッ!
和泉守兼定はグッサリ、ドボン!
やられてしまいました。
特に蜻蛉切は、折れちゃったのか!?
花丸と違いシリアス風でしたが、5話でいきなりシリアスきました。
前回の始めの方で、堀川国広のセリフや妙なクライマックス感が漂っていたので、少し違和感を感じていましたが、前フリでしたか。
簡単にいうと「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ」という死亡フラグ的な、やられフラグ(笑)
まあ、鶴丸国永が登場し、ピンチ乗り越え、お終いとなっても物足りないですからね。
ヤバい展開が生まれ、緊張感が増し、お話がグッと盛り上がってきました。
ちなみに今回は、鶴丸国永の活躍回でもありました。
バトルでは敵を翻弄しビュンビュン飛んでますし、斬っては敵の出血がビュシャビュシャでした。そこまで血とばさなくても…というぐらい(笑)
そして、斬っては鞘に刀をおさめの繰り返しの動作は目につきました。
居合剣術なのでしょうか?戦いに特徴があってイイですね。
また、和泉守兼定は感情的になり、1人でバトルを繰り広げているシーン。
みんなの声を無視し、突っ走っている兼定が印象的でしたね。
江戸を、歴史を守れなかった絶望。隊長としての責任感。
言っても無駄なのに、時間遡行軍に歴史を変えようとすることを問う兼定。
兼定の強い感情が表現されていました。
そして、ラストはこんのすけの吠え。
刀剣男士が本丸へと、ワープして帰還していきます。
こんのすけの鳴き声が、もの悲しさをあらわしています。
あの大太刀の荒々しい叫び声と、こんのすけの静かな鳴き声が妙に対比となり、より悲しさをひきたてている感じがします。
(でも、キツネだからコーン!じゃないのかな…と軽くツッコミと)
そして、Cパートでは、ついに三日月宗近の登場!
おじいちゃんがやってきます(笑)
新たな展開を感じさせつつ、お終いと。
三日月宗近以外の第一部隊のキャラクターとも絡んでいくですかねー
そうそう。
あと、個人的には薬研藤四郎が船の燃料いれているシーンは、なんかウケましたね(笑)
薬研が石炭いれてるのが妙にシュールでした。
分析
それでは、技術的な点を視ていきます。
タイムスリップもの
今回の衝撃的な展開は、タイムスリップものでいえば王道といえば王道ですよね。
始め、または途中で歴史が変わりヤバいことになり、歴史を元に戻そうと奮闘すると。
刀剣乱舞そのものは、どこかタイムスリップものとは言えませんが、タイムトラベルがからむので、タイムスリップの展開で進めることができますね。
バトルでの宣言
船側のバトル。鶴丸国永が活躍し、和泉守兼定と陸奥守吉行も到着。
そこで、陸奥守吉行に「こいつらどうするんじゃ」と聞かれ、和泉守兼定は宣言する。
和泉守兼定「俺たちの任務はこいつらから歴史を守ること。こいつらが降参しないってんなら」
薬研藤四郎「やるしか」
鶴丸国永「ないよな」
と合わせセリフでバシッと決めて、スパッと勝利し、この船での戦いは終結。
この宣言よって、終わりへの盛り上がりが生まれ、ひとつの結末感がでてます。
何も言わないで普通に2人が加勢し戦って勝った場合は、ただの1シーンという感じに。
この一つの結末があるから、次の疑惑、新たな展開にメリハリがつきます。
また、蜻蛉切サイドのバトルが終わっていないのに、結末感が出てるのも大事かな。
逆にそっちが終わっていないのに、結末感だしていいの?という違和感が生まれる。
違和感あるからこそ、バットエンドになる展開が効いてきますね。
ヤバそうな前フリ
鶴丸国永が審神者のことづけを話す。
また、時間遡行軍の船を発見した時に「嫌な感じだな」というセリフ。
鶴丸がヤバそうな雰囲気の前フリをかまします。
「前フリ・オチ」があるので、自然な流れの展開となります。
もし無いと、唐突な都合のよい展開に見えたりします。
緊張と緩和
「緊張」ばかりでは、お話は盛り上がっていかないです。「緩和」も必要。
そこで緩和として、陸奥守吉行の船操作できてサイコー、キャッホーイ!シーンがありました。
緊張ばかりだと疲れますし、緩和があるからこそ逆に緊張が強まっていきます。
静と動
常に動き続けるのがバトルじゃなく、静と動が必要。
蜻蛉切と大太刀のバトルシーン。
バトルの終わりで2人はオラオラオラとぶつかり、普通の「動」から激しい「動」へ。
そして、槍の木の部分が折れた時に、スローとなり流れていた音は無し「静」に。
大きな動から、急な静止があるから、メリハリがついて盛り上がってます。
そして、そこから音楽なしの「静」のまま、2人の決着、和泉守兼定の1人バトルへ。
「静」だからこそ、バッドエンドが効いてきますね。
和泉守兼定の絶望
和泉守兼定はラストに感情的になり、1人で戦う。
みんなの話聞いてない、審神者になんでこんなことするのか問うたりします。
感情の乱れ表現してますね。
そして、後ろから刺され海へドボン。海ドボンは、絶望の演出。
もし、ただ床に倒れただけだと、いまいちつまらないです。そこから、みんなが普通に「大丈夫か?」とか駆け寄ってくる感じだと、心情表現があまり出ません。
さらに、海ドボンでは陸奥守吉行が助けに入る。それは、未来的なことを象徴しているのもイイです。
ちなみに海ドボンは、よくいろんなアニメのOPの絶望感でも表現されます。
よくある表現でも、何もないより効果があるなら使うべきですね。
おわり
盛り上がってきた『活撃 刀剣乱舞』。
未来は変わってしまうのか…未来が…未来が…
未来が変わる?
もしや、未来が変わってしまった結果、『刀剣乱舞 花丸』になってしまうのでは!
次回、「本丸」だし、急に花丸風になってたらどうしよう(笑)
宴会やってたらどうしよう(笑)
そんなパラレルなことも考えつつ、また次回。
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出典:Nitroplus・DMM GAMES/「活撃 刀剣乱舞」制作委員会(BS11 2017年7月30日放送)第5話