S.T.Cの制作探求クラブ

創作の探求ブログ。主に「絵を描く」「物語を作る」について研究してわかった役立つ情報を発信。また日常についても少々

『テンプレート式 超ショート小説の書き方』 初心者が超カンタンに面白い物語が書ける

テンプレート式 超ショート小説の書き方
テンプレート式 超ショート小説の書き方』高橋フミアキ

小説にしろ、漫画や同人誌にしろ「物語を書きたい!」と思っても、たいていの人は書けない。
どう書いていいかわからないし、とりあえず書いても上手く書けず挫折しやすい。
中にはキャラクターの設定は思いつくけど、お話は書いたことがないという人もたくさんいる。
それで多くの人が、気持ちが冷めて物語を書くのやめるのは、すごくもったいない。

そこで今回紹介する本は、初心者が誰でも超カンタンにお話が書ける本。
『テンプレート式 超ショート小説の書き方』高橋フミアキ(著)を紹介します。

この本の特徴

この本の特徴は、「テンプレート」を使って超短編を作るところ。
お話の方向性は、テンプレートで決まっているので、穴埋めのようにお話を入れ、ダレでも少し考えればお話を書けるようになっている。
それだけで、300文字程度の超短編が作れるようになっている。
実際、小学生でも15分くらいで作れたようだ。

初心者の問題点

それで作れることで何の意味があるの?」と思う人もいるだろう。

「私はもっと長編を書きたい!」とか、「超短編じゃなく短編を書きたい!」とか、「形式に縛られずに自由に書きたい!」とかあるだろう。
しかし、この本のやり方は、初心者がよくつまづく問題を解決してくれる。

(問題1)最後まで終わらせて書いた経験がない

物語を書けない初心者は、最後まで終わらせて書いた経験がない。

実際、いくつかの作品を作った人ならわかるが、1回作るのと、1回も作ったことない人の感覚の違いはあきらかだ。
何かを1回でも作ることの体験は、デカイ。
また、1回だけでなく、10回、30回と作った人の差はさらにデカイ。
コレばっかりは実際に体験しないとわからない。

超短編なので、すぐに1回の体験をすますことができる。
人によっては30分もかからないだろう。
長編や短編は、1回書くのに何時間、何ヶ月もかかったりする。
それだと1つ体験するのに時間かかるが、超短編は1日にどんどん作れ、体験回数を多くできる。

長編1つ作った人と、超短編50作品作った人の、どちらが実力がつくかは明白。

(問題2)イキナリ長編を作ってしまう

物語を書けない初心者は、イキナリ長編を作ってしまう。
長編というのは時間がかかるし、イキナリ長編というのは挫折しやすい

それに長編といっても、結局のところは「短編の連続」でしかない。
短編書けない人に、面白く書けない人に、長編が書けるわけがない。

(問題3)面白い作品の書き方がわからない

物語を書けない初心者は、面白い作品の書き方がわからない。
とりあえず書いてみるが、なんかパッとしない。
何か足りないのだけど、よくわからない。

そこで、このテンプレートの凄いところ。
物語の本質をついたテンプレートとなっており、面白い話を書くのに必要なポイントをおさえている。物語にとって、大事な基本のポイントを。

主なポイントとして「葛藤」。
本の始めでも書いてるが、葛藤をよく理解していない初心者はけっこう多い。
この葛藤が書けるのと、書けないのでは話の出来が全然違う。
葛藤は、人間のドラマを生み、お話を強く進めていく。
そして他にも「緊張の高まり」など、必要なポイントを押さえていたりする。

テンプレートは基本の型となっているので、作品を繰り返し作る練習をすることで、自然と基本が身についていく
面白いとは何か、お話がどういう構成になっているか。
そして、基本が身につき、少し長い話も書けてくる。

またテンプレートのポイントは、長編を書くのにも大事なポイントとなっている
長編をすごく簡略した内容にすれば、このテンプレートにそった形になる。
短編も長編も、根本的な柱の部分はそれほど変わらない。

そういうわけで、ぜひオススメしたい本。

本の構成

本の構成は、「葛藤」「願望」「対立」「緊張と緩和」「謎」「時限爆弾」のテンプレートと解説、生徒の簡単な添削、生徒の作品といった形です。

テンプレートの解説や、添削もそれほどページはなく、ほとんどのページが生徒の作品になってます。

生徒の作品で、どういう感じで作ればいいのかは参考になる。
しかし、もう少し著者の技術的な添削例があればよかったが、初心者があまり難しいことを考えさせないようにしたのかもしれない。

テンプレート例

参考までに本書にのっているテンプレートを1つとりあげてみます。
このようなテンプレートになります。

【葛藤1のテンプレート】

本当なら○○したい。しかし、それはできない。
なぜならば○○だからだ。

時間は刻々と過ぎていく。私はどうすればいいんだ。
○○…(主人公の心情を描写)

周囲が騒ぎはじめた。
○○…(周囲の様子)

私は決めた。
○○…(最終的にどうなったか)

『テンプレート式 超ショート小説の書き方』高橋フミアキ(p.18)より引用

テンプレートで、長編を超短編化(映画)

ついでに、このテンプレートが長編でも使えることを試してみます。
映画をテンプレートで、超短編化にすればわかると思います。

有名な古典名作映画『ローマの休日』を例に。
※見てない人は、ネタバレ注意

記者である私は、宮殿を抜け出した今注目の外国のお姫様と偶然出会った。
そして記者であることを隠して、仲間のカメラマンと共にローマを観光案内をし、スクープを手にする。

本当ならお姫様のスクープを編集長に売って、大儲けしたい!
しかし、それはできない。
なぜならば、私は彼女を、お姫様を愛してしまったから

お姫様は明日帰国するので、明日の新聞にのせるのが一番だ。
新聞の締め切りまで、時間はそんなにない。
時間は刻々と過ぎていく。私はどうすればいいんだ。
金のためなら、なんでもしてきた男だろ。人生は金が全てだ。
そんな私が彼女を愛してるだって!しかもお姫様。馬鹿げてる…

周囲が騒ぎはじめた。
カメラマンが現像したスクープ写真を俺によこした。
さあ、編集長に渡してこいよ。これで俺たち金持ちだ!有名人だ!ヒッハー!

私は決めた。
彼からスクープ写真を奪い、写真をビリビリに引き裂いた。

次の日。お姫様の記者会見が終わった誰もいない聖堂で、私は彼女の言葉を思い出していた。
ヨーロッパの中で、ローマで過ごした時が1番素敵でした
そして私は聖堂を後にし、ローマの街へと歩いていった。

といった感じに。
多少アレンジしてますが、こんな風に長編を超短編にすることができます。
あとは内容を膨らませれば、簡単に映画1本、長編になります。

また、他人の作品の短編や長編の分析、分析力を鍛えるのにも役立つと思います。

テンプレートで、短編を超短編化(アニメ)

このサイトでは、アニメを多くとりあげているので、アニメでも例をあげてみます。

今度は短編として、1話分をとりあげます。
アニメ『ソードアート・オンライン』の9話『青眼の悪魔』の74層のボスと戦った話を、超短編化してみます。
※見てない人は、ネタバレ注意

無謀で身勝手な「軍隊」らのせいで、圧倒的に強い74層のボスと戦うことになった。
1人で逃げることはできるが、軍隊を助けようとしている友人らを置いてはいけない。

本当なら超必殺技「二刀流」スキルを使いたい。それなら何とかなるかもしれない。
しかし、それはできない。
なぜならば、俺の超必殺技は誰にも見せたくないからだ

時間は刻々と過ぎていく。俺はどうすればいいんだ。
ソロプレイヤーとして、俺しか使えない超必殺技が他のプレイヤーにバレて妬まれるのは不味い。命の危険すらある。
いや違う。正直みんなにせめられるのが、もう嫌なんだ。
ビーターと言われることが、つらい。

周囲が騒ぎはじめた。
軍隊のやつらがボスにふっとばされる。このままでは、みんな死んでしまう。
その時、死なせてしまった彼女のことが一瞬よぎった。

俺は決めた。
もう、あんな思いは嫌だ。目の前で誰かが死ぬのなんて嫌だ!
俺は超必殺技「二刀流」スキルを発動させ、ボスへと向かっていく。
ウォー、オラオラオラオラオラオラオラオラ

…気づくと、何も聞こえなかった。
ボスの怒号も、周りの声も、そして俺の声も。
手元をみると、俺の剣はボスの胸を深くつらぬいていた。

こんな感じですかね。
このようにアニメの1話分の短編も、超短編化にすることができます。

まとめ

このように、こちらの本のテンプレートは、初心者の方が物語を作るキッカケにもよいですし、物語の基本の練習にもなります。

もちろん、これだけで物語を書くのが上手くなるわけじゃありません。
初心者をクリアしたら、中級者として学ぶこともたくさんあります。
プロになったとしても、学びに終わりはないと思いますが。

それでも、分厚い複雑な本を読むよりは、だいぶ意味のある本だと思います。
下手に分厚い本読んでも、テクニックとかたくさんあっても、考えることが多すぎて、さっぱり活用できなかったりしますし。
(自分の経験でもあったりして…)

無駄に時間を過ごすより、だいぶ有効です。
また、プロにならなくても、「物語の作る楽しさ」がわかる本となります。
ぜひ、オススメ!

テンプレート式 超ショート小説の書き方

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出典:
ローマの休日 製作50周年記念デジタル・ニューマスター版、パラマウント ジャパン、DVD、2004
川原 礫/アスキー・メディアワークス刊/SAO Project TVアニメ「ソードアート・オンライン」9話