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S.T.Cの制作探求クラブ

創作の探求ブログ。主に「絵を描く」「物語を作る」について研究してわかった役立つ情報を発信。また日常についても少々

【分析】アニメ『ダンガンロンパ3 絶望編』1話 大人数の人物紹介

物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を1つのテーマで分析した内容を読むことで、分析力が鍛えられるシリーズ。

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今回は、アニメ『ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園 絶望編』をとりあげます。
テーマは「大人数の人物紹介」についてのお話。

アニメ公式サイトはこちら

『ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園 絶望編』のあらすじ

超高校級の才能の生徒を集めた政府公認の特権的な学園・私立希望ヶ峰学園。そこに赴任してきた、元超高校級の家政婦でもある新任教師・雪染ちさ。大志を抱き教室に入る雪染だったが、そこには、ソニア、小泉、西園寺、九頭龍の4人の生徒しかいなかった。彼ら生徒に「青春」を教えるべく、雪染は、校内外各所に散らばった第77期生を教室に集めるようと、奔走する。

「ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園」公式サイトより引用

『ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園 絶望編』の感想

ダンガンロンパは『ダンガンロンパ The Animation』で初めて知った作品です。
この作品は、インパクトが凄かった。
謎解きの面白さ、学級裁判という緊張感、おしおきシーン、モノクマのユーモア。
特に感激したのは、演出の素晴らしさ。音、画、アニメーション。
演出によって作品がこんなにも面白くなるのかと驚いた。
おしおきシーンの画のテイストが好みだったせいもあるけど。

もし、普通のテイストで演出してたら、面白くないわけじゃないけど、そこまでインパクトはなかったろうな。
演出で作品が面白くなるという点で参考となるよい作品だと思う。

今回の『未来編』と『絶望編』は、同時に放送していくという異例の形。
未来編と絶望編がお互い絡みながらラストへと向かっていく。
謎解きゲームらしく、いろんなところに謎が散りばめられていて、予想できない展開が面白い。
ゲームをやっていないので、面白さが半減しているところが悔しいが。

でも、残念なことに『ダンガンロンパ The Animation』ほど面白さを感じれない。
それだけ最初の作品のインパクトが強かったから。
ハリウッド映画でよくシリーズ1~3を作るけど、どうしても最初の1は超えられない感じに似てる。
これはこれで面白いのだけど、勝てない。
まあ、好みだけど。

今回のテーマ「大人数の人物紹介」

大人数の人物紹介をどうするのか

作品によっては、多くの主要な登場人物がでる作品がある。

大人数の登場人物になると、もちろん欠点は「誰が誰だか頭に入ってこないこと」だ。
そこで混乱していると、視聴者は物語に興味を失う原因にもなりかねない。
作り手にとっては致命傷。
なので、大人数の登場人物の場合は、視聴者にわかりやすく理解してもらう工夫が必要だ。

もちろん、単純に1人1人を自己紹介するだけじゃあダメ。
ただ紹介しても、人数が多いので誰が誰だか頭に入ってこない。
昔の映画で、はじめにナレーションだけで1人1人を名前や性格などを紹介している映画があるが、それは最悪な手だ。
わかりやすく、キャラクター性を紹介しつつ、面白く説明する必要がある。
面白い出来事などを通し、自然と紹介していく形に。

単純な手としては、「少しずつ紹介する」という手法だろう。
一気に出さないで少しずつ登場し、紹介していく。
または、一応一気には出すけど、少しずつ話に関わる人を紹介していく形だ。

また他のよくある手としては「グループごとに分けて紹介する」手法だ。
物を整理するときは「グループ化」ともいうし、理解しやすい。
実際のグループの場合もあるし、関連する人同士で分ける場合もある。
クラスの仲の良い友達グループみたいに。

アニメ『ラブライブ!』だと、わかりやすく学年ごとのグループで分けられている。
3人、3人、3人と。
そして物語としても、1学年ごとに紹介していく形だ。
そのくらいの人数ならわかりやすい。
もし彼女らが全員同じ1年だとすると、仲良しグループごとに分けられただろう。

どのように紹介するかが、作り手の腕の見せ所でもある。

『ダンガンロンパ3 絶望編』の大人数の人物紹介

ダンガンロンパは、多くの人数が出る作品なので、どのように人物を紹介するか工夫されている。
さて『ダンガンロンパ3 絶望編』をみていこう。

雪染ちさ(以下、ちさ先生)の担当する生徒は「15人」。

物語の流れとしては、ちさ先生が教室にこない生徒を1人1人探し、ラストに今後の話の中心となる超高校級のゲーマー七海千秋をみつけ、生徒全員がそろう。
その1人1人を探す流れで、その人物のキャラクターや人物同士の関係性などを紹介していっている。

教室にこない生徒を探す」というアイデアで、自然と登場人物を紹介している形だ。
ちゃんと紹介に工夫をしている。
でも、この作品には他にも隠れた工夫がある。

普通だったら、教室にいるのは0人で、それを1人1人探すようにするだろう。
でもそれだと時間もかかるし、単調すぎてつまらない。
4、5人ならそれでもいいけど、15人となるとダレるだろう。

それをまず4人教室にいることにしている。男性1人に、女性3人
そのくらいなら、一度に見てその登場人物たちを理解できるだろう。
ちなみにその4人は、もし探すほうに回すとちょっとやっかいなキャラクターだったかも。
極道、日本武闘家、写真家、王女と表現しにくいし、面白くしにくかったのかも。

4人を軽く紹介してから次に、保健委員が教室に入ってくる。
ここは上手い!と思う。
始めに保健委員もいたことにしないで、後でやってくるという。
人数はできるだけ少ないほうが視聴者が理解しやすいし、まず4人理解してからなら、1人は簡単に理解できる。しかも、彼女の「ドジっ子ぶり」も演出できるし。

そして1人1人を探していき、キャラクターを紹介したり、人物同士の関係を紹介していく。
Aパートでは、13人まで紹介している。

Bパートでは、疲れたと生徒が言い出し、皆を教室に置いてちさ先生が1人で探すことになり、超高校生級のアニメーターを見つけてから、ゲーマーの七海千秋となる。
しかし、普通に考えるとアニメーターは別にAパートに入れてもよかったのではないかと思う。
もちろん制作側にはちゃんと意味があった。

ちさ先生は、アニメーターをつかまえ、彼を担いでゲーマーの七海千秋と日向創が話しているところへ行く。そしてある程度、会話をする。キリよく会話が終わると、アニメーターが逃げるのを発見し、ちさ先生が追いかける。
その間に七海千秋と日向創の「2人の時間」がつくられ、決めの会話がなされる。
で、ちさ先生がアニメーターを捕まえて戻ってきて、七海千秋を連れて行く。
こうしてみるとアニメーターには、ちゃんと意味があった。上手い!
他の理由としては、Bパートにいきなり七海千秋に行くより、いったん間を置きたいところもあったのだろう。

プロの構成の技となっている。
さすがダンガンロンパ!構成の妙が光っている。

まとめ

このように大人数の人物紹介には工夫が必要だ。
特にダンガンロンパは、大人数の登場する話なので、ゲームでも毎回工夫を凝らしているのだろう。ゲームやってみたいな~

ちなみに「未来編」は無難に、少しずつ、グループごとに紹介している。
「何人かごとにいる場所が別れる」のもグループといえます。

大人数というと、やはり謎解きものや、バトル・ロワイアルものとかでよくあるのかな。
大人数の人物紹介に困ったら、そのようなジャンルを参考にするのもよいですね。

しかしプロの構成は、惚れ惚れしますね~

出典:Spike Chunsoft Co., Ltd./希望ヶ峰学園第3映像部 TVアニメ『ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園 絶望編』(BS11 2016年7月14日放送)1話