絵を上手くなりたいと思っている、特に絵を学んだことのない人に対し、「絵を上手くなるために、絶対に始めにしるべきコツは何ですか?」と問われた時に、あなたは答えることができるでしょうか?
絵を描くには、始めにしっておくべきコツがある。
でも、あまりにも当たり前すぎるのか、デッサンの本などでは、そのことを明確に書いていなかったりする。
気づかないところにサラッと短く書いていたり、明確にコレはコツです!といった感じで書かれていない。
または、当たり前すぎて、全然ふれていないこともある。
私は自己流で描いてきた方なので、長い間知らなかった。
なんとなくは分かっていたのかもしれないが、どこかボンヤリとしていた。
しかし、R・デ・レイナ著『初めてのデッサン教室』を読んだ時に、明確に理解した。
今回はその『初めてのデッサン教室』の紹介です。
- 特に絵を学んだわけでなく、趣味レベルでちょっとは上手く描きたいなと思ってる人
- デッサンの初心者
どういった本か
デッサン本の名著。2012年に、新訳で復活。
著者R・デ・レイナ氏は、デザイナーやイラストレーターをしていた人。
講師などもしていた感じですね。
本の構成は、よくあるデッサン本と同じような感じです。
形をとる、陰影、静物画、人物、画材による表現など。
日本の著者と違う点は、やはりコツについての記述がある点。
コツとなる基本的な考え方について説明している。難しくいうと「原則」。
そこから本題に入るという流れ。
どういうわけか、日本ではあまりそういった説明はしない。
まあ、難しく感じて、買ってもらえなくなるからかな?
「考えるより、とにかく描け!」というのが日本式なせいなのか?
絵を描く人が絶対始めにしるべきコツ
簡単に、絵を描く人が絶対始めにしるべきコツは何かというと、「すべてのものは、立方体、円柱、円すい、球の4つのどれかに基づいた構造や形をしている」ということ。
もちろん、完璧にその形になっているというわけじゃなく、基づいているという話。
ほぼ完璧な場合もありますけど。ジュースの缶は、円柱。アイスのコーンは、円すい。
例えばガラスのコップは、上辺の直径が大きく、底辺が小さくなってますが、円柱にもとづいていると考える。
また、一部分だけ使われている場合もある。
例えばティーカップは、球を半分カットしたようなイメージ。
そして、複雑な物でも、4つの組み合わせだけで構成できることを理解する。
4つのブロックで、積み木をするような感覚で考えられる。
例えばアイスクリームだと、アイスは球で、コーンは円すいの合体と。
そのように捉えることができると、全体の形にまず集中して、細かいことは後回しで考えることができる。絵をならったことのない初心者の人は、そういう細かい部分にとらわれすぎて、部分から描こうとしたりして上手く絵が描けない(私のことだけど、笑)。
これを理解して絵を描くのと、理解してないで描くのでは全然違ったものになります。
酷い場合は、何年も無駄にします(私のことだけど、笑)。
そして、もちろんこの本で、そのことについて始めの方に書かれています。
さらに、この本が面白いのは、始めの方で「遠近法」について触れている点です。
遠近法というと、少しでもかじった人はわかりますが、敬遠しがちな難しい内容なのですが、この本では堂々と始めの方で書いてます。
とはいっても、いきなり難しい内容でなく、先のようなコツのように最初にしっておくべき遠近法のコツを語っています。
読んでみると、「たしかにそれは最初に知っておくべきだな~」と思える内容になっております。
おわり
このように、コツについて書かれている本となっています。
基本はデッサンのための本ですが、全部を読まなくてもコツの部分だけ読むのもよいと思います。
1章レッスン7(P.38)まで見ればいいのかも。
私は少しはイラストを描く仕事をしてるクセに、そういうことも知らずに仕事してましたからね(笑)
そして、物とか背景とか描くの苦手と。そんな人でも仕事はできると。
とにかく、コツは大事ですね。
こんなものは、さっさと理解しておくべきです。
無駄な時間を過ごさないためにも(笑)