物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を1つのテーマで分析した内容を読むことで、分析力が鍛えられるシリーズ。
今回は、アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』一期をとりあげます。
テーマは「二番煎じ感」についてのお話。
※ネタバレあり
『ラブライブ!サンシャイン!!』あらすじ
静岡県沼津市の海辺の町、内浦にある「私立浦の星女学院」。
そこに通う2年生の高海千歌は、クラスメイトの渡辺 曜と訪れた東京の地で、スクールアイドル「μ’s」の存在を知り、衝撃を受ける。
私も輝きたい――そう強く感じた千歌は、早速スクールアイドル部の設立を目指して部員集めをスタートする。部員集めも上手くいかず、生徒会長の黒澤ダイヤにも反対されるなど、前途多難な中、悩む千歌の前に突然の奇跡が訪れる――。
感想
※μ’sのラブライブを「無印」、サンシャインを「サンシャイン」と省略します
無印の『ライブライブ!』は好きです。
アニメはすごい好きというわけではないけど、なぜか声優さん達のリアルライブblu-rayは買うほど好きだったりする。なんとも奇跡みたいな関係性の面白さがあるんだよな。特に、シカちゃん面白いし(笑)
そんなわけでサンシャインの一期アニメ。
無印があんなに大ヒットした後での、「サンシャインは大丈夫かな?」と思っていました。けっこう難しそうですし、シリーズの1を超えるのはなかなかできないし。
ストーリーは、相変わらず熱血してました。
少女達が葛藤し、強くぶつかり合い、仲間となっていく。熱血し感動のあるお話に。1つ1つのお話はとても力強くとても良かったと思います。さすが、ラブライブという感じ。
そして、いつものミュージカルもありましたし(笑)
もちろん、一人ひとりのキャラクターも強く表現されています。
個性でてるし、ネタ満載。いかにもファンに広がりそうなネタづくりは上手いです。
で、テーマはサンシャインならではのテーマと。
「追いかけるもの達はどうするか?」と。確かに、無印の後と考えると王道のテーマですね。王道だからサンシャインが存在する意義がある。なかなかイイです。
そして、最終回はちょっと引っかかっりました。
みんなでやろう!的なのは「えっ?」って思った。
「それって今まで築き上げた仲間の意味なくね?」と思いました。「それは、アイドルなのか?」と思いました。さらに、「ライブライブ終わったら、みんなスクールアイドル部に入るってこと?」と思いました。
だいぶ、はっちゃけすぎた感じでしたね。
で、ラストのラブライブのコンサート。歌う前に、今まで歩んだストーリーをミュージカル風に説明と。
まあ、ミュージカル風はラブライブならではなのだけど、少しシラけた感じになりました。
「ここで説明すること?」と疑問。説明的になりすぎたのが嫌だったかな。説明でなく、感じさせてほしいとこ。
決めとなる面白いネタが浮かばなかったのかな…
まあ、リアルライブでそれをやると面白いけどさ。
そのように引っかかるところはありつつも、許容範囲内で、基本的には良かったと思います。
しかし、以下の分析で述べますけど、大きく引っかったところが…
分析
そして、今回のテーマの「二番煎じ感」です。
サンシャインで一番引っかかったのは、やはり「廃校設定」。
それがわかった時には、「それは無いだろう!」と叫びました。さらに、それに対し主人公が「μ’sと同じだー!」といった感じで喜ぶのは、少しシラけました…
そこまで同じにするのは、だいぶやり過ぎ。
そのせいで、ストーリーがだいぶ二番煎じ感が強くでてしまいました。
視聴者に「無印とほとんどストーリー同じじゃね?」と思われるので、だいぶ不味いです。
この設定のせいで、サンシャインのオリジナル性がどこか弱くなってしまいました。大枠の設定、ゴールが同じなので、細かいところでオリジナル性を出しても上手く機能しません。
サンシャインは他でも無印に似ているところがある。
まずは、メンバーが仲間になっていく流れ、構成は無印とけっこう似てます。
高海千歌(=高坂穂乃果)→渡辺曜(=南ことり)→桜内梨子(=園田海未・西木野真姫)→黒澤ルビィ(=小泉花陽)+国木田花丸(=星空凛)→津島善子(=矢澤にこ)→小原鞠莉+黒澤ダイヤ+松浦果南(=絢瀬絵里、東條希)
もちろん、キャラクターそのものもそうですね。
抽象化すると、「=」で結んだキャラクターは似てる感じです。
無印のキャラクターの性格や外見をミックスして、サンシャインのキャラクターが作っているよう。そこへオリジナル個性を追加と。
梨子は、海未と真姫のミックスキャラ。鞠莉は、希と絵里のミックスキャラかな。
そのように似てるところがあります(細かくみると他にもあるけど)。
でも、仲間になっていく流れや、キャラクターが似てるというのは、まだいいとして、「廃校設定」はやり過ぎ。
表しているテーマはそれぞれ違うけど、視聴者は違う話と感じることができなくなります。二番煎じに感じてしまう。
ただでさえサンシャインという企画が出た時に、「どうせ無印の二番煎じじゃね?」という視聴者がいる中で、そういう二番煎じ感の強いアニメを出されると、より二番煎じ感が強くなるし。
そこは不味かったと思います。
廃校はなくして、せいぜい「過疎地域を盛り上げよう!その策の一つとして、学校に入学する人を増やそう!」ぐらいに留めるなら、まだ良かったのだけど。
もちろん、制作側は意図して「似せる」ことを意識したのだと思いますが、いろいろ悩んだのでしょう。
大ヒットした後の作品を作るのは難しいですね。
おわり
ちょうどこの記事を書いている時に、サンシャインの二期の1話が開始。
それに合わせて、一期を振り返ってみました。
1話は、まだ見てませんが、二期は特にサンシャインのオリジナル性が出るところでしょうね。進化が問われるところ。
また、似せすぎるなんてことが無いことを祈ります。
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