物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を1つのテーマで分析した内容を読むことで、分析力が鍛えられるシリーズ。
今回は、アニメ『正宗くんのリベンジ』をとりあげます。
テーマは「引き回し役」についてのお話。
※ネタバレあり
『正宗くんのリベンジ』のあらすじ
真壁政宗は、8年前に自分を豚足呼ばわりした 安達垣愛姫に復讐するため、この街に帰ってきた。 デブからイケメンにのし上がり、憎き愛姫への 復讐はできるのか!? 復讐ラブコメの幕が上がる!!
『正宗くんのリベンジ』の感想
昔デブだった主人公がイケメンとなり、惚れさせて最高の場面でふってやるという、ヒロインに対する復讐劇。
設定は、どこかでありそうで、なさそうで、ありそうな設定。
始めはそんなに興味をもって見てなかったですけど、途中から面白みを感じて、なんだかんだ一気に最後まで見ました。
このお話の良いところは、テーマがちゃんと描かれている点ですね。
「嘘」というテーマ。
主人公・正宗は、騙そうとヒロインへと近づく。騙そうとするのは、詐欺師です。嘘つきです。
そして、ヒロイン・安達垣愛姫も嘘をついていると。
すごい暴食なんだけど、周りにはおしとやかな淑女を演じている。
ヒロインのお付き・小岩井吉乃もそうですね。ヒロインの前では、鈍くさい女の子を演じているけど、実は腹黒い女の子。
また、三角関係となる藤之宮寧子もそうですね。嘘をついて主人公に近づくと。
もちろん、表面的な嘘でなく、心理的な嘘もみえますね。
そんなテーマとなってる嘘つき達が、お話を面白く感じさせてくれました。
今回のテーマ「引き回し役」
正直、1話をみた時は「つまんないかも…」と思っていました。
イケメンとなった主人公が復讐するお話。で、頑張って惚れさせていくと。
これだけじゃあ、お話が面白くなっていく予感がまったくありませんでした。
設定も特に面白みを感じなかったし、キャラクターもどこにでもいそうな感じだし。
「見るの辞めよっかな…」と、途中で切る気まんまんでした。
しかし、ヒロインのお付き・小岩井吉乃が正体を表したところで、面白さがドーン!とうまれました。
そして、小岩井吉乃のキャラクターが、いろんなドラブルを次々と引き起こし、ストーリーを面白く動かす原動力になっていきました。
正宗の弱点がバラされるかもしれないという状況がうまれたり、協力してくるかと思いきや協力してくれなかったり、主人公が本当に信じていいのか疑心暗鬼になったり、デートでヒロインを痛いコスプレ姿にしたり、などなど。
小岩井吉乃の(裏の顔)登場によって、物語が全然違うものに変わりました。
もちろん、面白くなったのには理由があります。
それは、小岩井吉乃が「引き回し役」だからです。
別名、狂言回しとか、トリックスターとかいわれるキャラクター。
引き回し役は、事件やトラブルをおこしたりして物語を面白くしたり、視聴者の知らないことを説明したり、また視聴者が聞きたいことを主人公に聞いてくれたり。
この引き回し役がいることで、物語は面白くなります。
物語は「主人公、ライバル、引き回し役」の3人がいないと、面白くならないといわれます。
1話がなんかつまらないな…と感じたのは、主人公・正宗とライバル・愛姫しかいなかったから。
そこへ、引き回し役の小岩井吉乃が2話でやっとそろい、少し遅めで物語が始まったということなのです。
なんとも、引き回し役の大切さを感じた作品でしたね。
物語を作ったけど、何かつまらないなと感じたら、引き回し役がいるか確認してみてはどうでしょうか?
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