絵の「表現力」を勉強するのは大変だ。
通常は、いろんな作品を見て、自分なりにどういう意図で表現しているのか分析して考えたり、または自分でいろいろな表現を試してみて、次第に覚えていく。
これが王道のやり方だし、そうしないとわからないだろう。
でも自分で考えるのはすごく大変だし、経験で学ぶのはすごく時間がかかる。
始めはどう考えいいかわからないし、モノサシがまるでないので難しい。
それに始めは表現力がどうというより、基本的な画力をどうするかに注力するので、表現力はけっこう後まわしになりがち。
そんな時に表現力を簡単に学ぶのにオススメなのが「○×本」!
○×本とは、同じテーマで作られた2つの作品を比較して、どっちが良いか悪いかを解説している本です。中には修正前と、修正後の比較といったケースも。
比較というのは、理解するのにとてもわかりやすい王道の学習手法です。
しかも難しい説明とかはないし、感覚的にもパッと理解しやすい。
表現力を学ぶとっかかりとしては、一番いいと思う。
○×本はいくつかのジャンルがあり、「絵」の本もあるが、「写真」の本もけっこうある。
他には「デザイン」系の本で、配色やレイアウトを学べる本も。
どんなジャンルでも表現には変わらないので、勉強になります。
そこでいくつかオススメの○×本を紹介します。
絵の○×本
巨匠に学ぶ構図の基本
有名な巨匠の名画を、加工してあえて失敗した名画と比較して、構図の解説をしている。
配置の位置が違うだけで、全然違う意味になります。
巨匠の技法の説明や、構図の基本技術の説明もあり。
巨匠に学ぶ配色の基本
上記と同じシリーズ。
有名な巨匠の名画を、加工してあえて失敗した名画と比較して、色彩の解説をしている。
色を変えてるだけなので、ボンヤリと見ていると、一見何が違うのかがわからないですよ。
巨匠の技法の説明や、色彩の基本技術の説明もあり。
写真の○×本
○と×で良く分かる花の撮影術
「こんなテーマで撮りたい」という狙いを実現するための指南書。
四季折々の花それぞれの特徴を生かした65のシーンを例にとり、狙いを実現するための"○"とはなにか、狙いを外してしまった"×"とはなんだったのか。
そんな花写真の「○と×」を決める「13」の攻略のポイントを解説しながら、「こんなテーマで撮りたい」が実現できるような写真力のアップを目指す本。
○と×比べてわかるデジタル写真
プロの見応えある作品ギャラリーと、解説編でステップアップ。
テーマ別の詳細な説明は、ポイントや注意すべき点をひとことでまとめて、分かりやすく構成。
花や風景だけでなく、人物も。
花と風景写真○と×―くらべてわかる“上達のコツ”
日本を代表とするプロの写真家10人が、撮影の良い例と悪い例を並べて解説。
撮影地別、撮影条件別、テーマ別に、また花の撮影について、上達のコツを教える。
薄い本のようにみえて、100例以上あるのかな。
デザインの○×本
○×でわかる! デザインが良くなる5つのポイント
クライアントからのさまざまなオーダーに応えるための、デザインのポイントやコツをBeforeとAfterで紹介している本です。
クライアントの修正はしつこかったりしますからね。オイオイ聞いてないよ!って感じで。
クイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本
正しいデザインとイマイチなデザイン2種類を見ながら「どちらがよいデザインか?」を考えてもらい、次のページで答えとともに、デザインの基本的なルールを学んでもらう本です。
もっとクイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本
上記の本の続編。
A案とB案、どちらのデザインがよいデザインか?という問題があり、次のページを開くと解答とその理由がわかるようになっている。ただなんとなく選んでみるのではなく、その理由をコトバで説明してみることで、理解が深まり習熟度がわかる本。
まとめ
読んだだけですぐ身につくわけではありませんが、自分の中に絵を表現するためのモノサシをいくつかもてると思います。1つや2つでも。
その得たモノサシをキッカケに、さらにいろんなモノサシに気づいていくと思います。
解説を読むのが面倒なら、解説をみないで比較されている絵だけをみて、とりあえず自分の力だけで考えるだけでも、力がついてくと思います。
いくつかオススメをあげましたが、1、2冊あれば十分だと思います。特に構図と色かな。
さあ通勤、通学の合間に表現力アップにどうぞ。