物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「作り手の視点」の感想を読むことで、作り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『幼女戦記』の第6話「狂気の幕開け」の感想分析をします。
ちなみに原作は読んだことはありません。
※ネタバレあり
6話「狂気の幕開け」あらすじ
帝国軍は圧倒的な軍事力と航空勢力によって、前時代的なダキア大公国軍に圧勝。ターニャ率いる第二〇三航空魔導大隊も、初戦闘で見事な戦功を挙げた。だが協商連合軍および共和国軍との戦闘は依然として継続中であり、帝国が二つの戦線を抱え込んでいることに変わりはなかった。そうした状況のなか、参謀本部作戦局のルーデルドルフは、国力の脆弱な協商連合から率先して叩くことを提案。戦務担当のゼートゥーアが兵站状況の不安から攻勢計画に難色を示すものの、ルーデルドルフはターニャの魔導大隊を北方に送り込む。一方、帝国を敵対視する周辺の列強諸国は、協商連合に対する義勇兵や武器の援助を開始。世界大戦の幕開けであった。
「幼女戦記」公式サイトより引用
感想
さて、今回は「世界大戦開始回」。
前回に続き、アクションが派手にありパンチがありましたね。
アクションは見やすいです。
あいからず大隊は、チートで楽勝の勝利でしたが。
ターニャはあいからずのチートでしたが、仲間は最新機器のおかげ?
しかし、魔法使いが有利な世界かと思っていたのですが、「爆撃機」がある世界だったんですね。
そうなるとパワーバランスが微妙になってきますか。
他にも、隠れた最新兵器?とかあるんですかね。
そして、また神が出てきましたね。
あいからず表に出てくるのが大好きな、かまってちゃんな神様です。
1話、3話、6話とけっこう出てますか。
あんまり出すぎると「神々しさ」が弱くなりますが、そういう方向性なんでしょう。
世界大戦を、意図的に早めに起こすなんて、頑張り屋さんです。
始めは、その前のシーンで適当に祈って魔法ぶっぱなしていたので、そのことで激おこぷんぷん丸だったのかと思いましたが(笑)
しかし、神様なのに人がたくさん死ぬ戦争をおしすすめるなんて、なんて鬼畜なんでしょう。
ターニャも始めの方で言ってましたが、ほんとに神様なのでしょうか?
いや、悪魔かもしれません。悪魔のお遊びかもしれません。
そうなるとこの異世界はターニャのために、特別にミスターXが作った世界だったりして(笑)
で、今回は「死体」に乗り移りましたね。
さらに鬼畜です。死体に畏敬の念もありません。
個人的には、貞子的にターニャに近寄ったり、ブリッチしながら歩いたり、首が360度くらい回るような派手なホラー演出があってもよかったですが(笑)
そういえば、今回はおっさん率が高かったですね。
おっさん、おっさん、おっさんで誰が誰だかよくわかないです。
声優ブースは、おじさまでいっぱいだったのでしょうか。
女性出演者は、たくさんの素敵なおじさまに囲まれ黄色い声だったことでしょう(笑)
まあ、そんな感じで大戦開始です。
なので、アクションとしてはもっとターニャが苦しむ姿がみたいですね。
敵に楽勝で勝つのは爽快ですが、それだけだと弱いですから。
それと、幼女として羞恥に苦しむ姿を(笑)
分析
それでは、技術ポイントを視ていきます。
ターニャのキャラクター
できる上官
本人も言っていましたが、今回も「できる上官」を演じてました。
次の転属命令先を語ってるところとか。
「祝賀会は一番成績の悪い中隊の奢りにする」とかはっぱをかけるところとか。
「できる上官」語りは面白いです。毎回工夫があって。
幼女戦記のウリの一つでもありますね。
神の祈り
爆撃機に魔法をぶっ放す時の神の祈りが、なんかやる気のない祈りでしたね。
祈りのリズムを変えるのはいいです。
また、適当に祈ったら魔法発動しないとかだったら面白かったのだけど。プスンって(笑)
ギャグになっちゃうか。
ターニャの方針
少し気になったのは、大隊になってターニャ自身の今後の方針が語られていない点ですかね。
ターニャの目標は「後方で悠々自適な生活」なのだけど、そこはどうなったのか?
そこは少しでも説明がほしかったかな。
表では、真面目に頑張ってる風で、裏では邪(よこしま)なことを考えているのがターニャですから(笑)
デザイン
前から気になってましたけど魔法使いは、変な機械を使っていますね。
どういう意味のあるものかよくわかりませんが。
飛ぶためのもの?
ターニャ達の国だと、四角いボックスに片足下駄?
協商連合だと、チェスみたいな馬の乗り物
共和国軍だと、スキー板
といった感じで、各国それぞれにデザインに違いがあって面白いですね。
性能解説とかしてほしいです。
隠す
世界大戦は予想どおりだが、展開が早いことに違和感を感じるターニャ。
その時に「もしや神を自称する理不尽な輩…見えざる者の手が働いているのかもな」といいます。
ここのセリフは余計ですね。
ネタバレしているので、神が登場しバラすインパクトが弱くなります。
せいぜい「もしや…」で止めて、宝石アップぐらいで。
まあ、まったくセリフが無くてもいいですが。
そして隠すことで、神が登場しバラすことでインパクトが大となります。
同じように、ターニャが部下達に向かって「爆撃機の援軍を断った」ことを説明するシーン。
前のシーンの断ったことを視聴者に隠して、仲間に説明した時にバラすと緊張感がさらに増しましたし、ターニャの残酷感も出せました。
隠してバラす。大事ですね。
神の山場
今回も神が登場。山場で、神が登場することで盛り上げます。
しかし、「あっさりした会話」でしたね。
以前のように、もう少し深みのある会話じゃなかったです。
神自らがたくさんの人を不幸に導く戦争をおこすのですから、ターニャが「それでも、神か!」とかツッコミを入れてほしかったな。そして、神の言い訳と。
語り合いはウリでもありますし。
構成
今回は、会議シーンが多かったです。
会議は単調なシーンになりがちで、つまらないです。
しかし、いろんな国がからんで、世界大戦が始まる感じを表現しているので、しょうがないですね。
バトルの構成としては、仲間がピンチとなり、ターニャの大隊が登場という流れになってます。
ピンチの後に登場ですと、インパクトは大ですね。
ベタだけど盛り上がります。
そして、主人公の活躍の場も大事ですね。
今回新たに登場した強い敵「爆撃機」。敵は前より強くしないと。
そして、ターニャ一人で爆撃機を落とし、ターニャの強さアピールです。
ラストの方では、神をぶっ殺す!的な決意がありました。
もしここを強調するなら、対比として「やる気ない感じ」のシーンが最初の方にもあってもいいですね。「なんとか、さっさと後方いきてー」的な。
あと、細かいところでは、お話の中で「観測小屋」のシーンが2つありました。
自国の人のところと、(魔法ぶっ放して破壊する)敵の人のところ。
内容は少し違いますが、同じような感じのシーンになっているので、1つにしてもよかった気がしますね。
しかし、今回も駆け足的な展開でした。
もっと「遊びのシーン」や「サブストーリー」があったらもっと面白いのだけど。
ストーリーを動かすためのシーンばかりなので、物足りなさを感じてしまいます。
毎回思うのだけど、もったいないです。
まあ、まとめるのに一杯一杯なのでしょうが。
オチ
Cパートで、ターニャとヴァイス中尉が会議にいき、分煙しろよと文句いい、モクモクの煙に嫌がるターニャが可愛いです。。
「緊張」の後の「緩和」のシーンとなってますね。
また、ターニャのキャラクターも表現されています。
本編の方でも、こんな遊びのシーンが所々にあるといいのですが。
そういえばバトルの時で「祝賀会」といっていましたが、どんな感じか見たかったですね。
酔ってターニャが一発芸(サラリーマン時代のネタ)をやるとか(笑)
それでこの世界では斬新すぎて、シーンと(笑)
まとめ
6話の折り返し地点で、次回から後半ですか。
世界大戦が大きく盛り上がる展開になってくるんでしょうね。
しかし、ここまでくるとターニャが幼女であることに慣れてきましたね。
見てても全然不自然じゃあ、ありません。
あれ、この人おっさんだったっけ?イヤイヤそんなわけないじゃん。幼女だよ!
それが、幼女戦記の一番の恐ろしいところです(笑)
さて、次回は総集編。一休みです。
総集編はどうしようかな…分析しようかどうか…
まあとにかく、また次回!
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【感想分析】1話「ラインの悪魔」/2話「プロローグ」/3話「神がそれを望まれる」/4話「キャンパス・ライフ」/5話「はじまりの大隊」/6話「狂気の幕開け」/6.5話「戦況報告」(総集編)/7話「フィヨルドの攻防」/8話「火の試練」/9話「前進準備」/10話「勝利への道」/11話「抵抗者」/12話(最終回)「勝利の使い方」/総括
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出典:カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会/アニメ『幼女戦記』(AbemaTV 2017年2月11日放送)第6話