S.T.Cの制作探求クラブ

創作の探求ブログ。主に「絵を描く」「物語を作る」について研究してわかった役立つ情報を発信。また日常についても少々

【感想分析】アニメ『覆面系ノイズ』第1話を視る!

物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「作り手の視点」の感想を読むことで、作り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『覆面系ノイズ』の第1話「ぼくたちは、ほんとのこころを、かくしてる」の感想分析をします。

ちなみに、原作の漫画は読んでいません。
※ネタバレあり

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1話「ぼくたちは、ほんとのこころを、かくしてる」あらすじ

歌が大好きな少女ニノは、幼い頃に交わした二つの約束をずっと覚えていた。幼馴染で初恋の相手-モモと、作曲が得意な少年-ユズ。いつの日か、歌を目印に二人とまためぐり会えると信じて歌い続けてきた。高校入学の日、新入生オリエンテーションの場で、軽音部の演奏が始まった。人気絶頂の中、解散が報じられている謎の覆面バンド、「in NO hurry to shout;」-通称イノハリの曲が流れた時、彼女たちの運命は唐突に鳴りはじめた…!

「覆面系ノイズ」公式サイトより引用

感想

原作は、福山リョウコによる「花とゆめ」で連載されている人気漫画作品。
1話をみて、確かに人気の出そうなインパクトのある作品だなと思いました。

主人公のニノは、だいぶファンキーな少女で面白い。
他人は無関心の超特急のタイプ。不思議ワールドもありますし。
6年間も歌い続けるというのは、ヤバいです。普通じゃありません。
しかし、中の人(早見沙織)の歌は、あいからず上手いです…

そして、設定の面白さ。
2人の幼馴染のからんだ恋愛バトルなのだろうけど、時期のズレてる幼馴染ですか。
そのあたりは、たまにありそうな展開ではありますが。
しかし、歌にからんだ同じ約束で、2人とも作曲できると。
そこは、新しいですね。また、作曲というのが、だいぶ異色ですし。
さらに、運命的に出会ったのはいいが、避けられてると。謎めいています。
ニノはユズが好きなのかと思いきや、モモが好き?これまた、なんとも複雑そう。
今後の展開が、予想がつかない面白さあります。

あとはテーマがいいのかな。
テーマは、簡単にいうと「叫びたい思い」という感じですかね。
みんな叫びたいですからね。少年、少女は特に。まあ、大人も叫びたいか。
思いを吐き出しだいけど、上手くいかない。そして、歌うと。
それはまるで、「王様はロバの耳」です。童話性も感じますね。
とにかく、シンプルで強い感情のテーマで、みんな好きそうです。

1話としては、だいぶ良いお話ですね。

分析

それでは、技術的なポイントを視ていきます。

オープニングシーン

アバンの浜辺で歌うニノ。
ここで作品のテーマと、ニノのキャラクターが説明されていますね。

歌うことで、叫ぶことで思いを伝えようとするが、その思いは伝わらない。
何年も何年もやっているのに、伝わらない。
テーマをが明確に表現されています。

そして、6年も歌い続けるというニノの強い信念の性格や、そういうことをし続けることができる性格をあらわしている。まあ、ファンキーだなと。

その2点が、アバンで説明されています。

ニノのキャラクター

1話で、だいぶニノのキャラクターは表れています。
浜で歌い続けるほどの信念の強い少女。他人には無関心。思いに対して、即行動してしまう。
唐突にツッコミいれる変な子。ちょっと変わった不思議ちゃん。
1つ1つのシーンが、ニノを丁寧に表現されている。

ユズのキャラクター

バンドのギターと作曲担当。
身長の小さめの少年。身長を気にして、牛乳をよく飲んでいると。
一つ上なのに留年という、事情のある感じ。
ちょっとヤンチャな感じで、嫉妬や独占欲も強そうで、子供っぽい。

シンボルとして「大人になれない子供」を表しているのかな。ピーターパン的な。
逆にモモは「大人」となり、対比してるのかな。

モモのキャラクター

ぬぼーとしている、まだ謎のキャラクター。
堂々と真ん中あるく姿をみて、始めはヤンキーなのかと思いましたけど。
ギャグ好き。「おやじ感=大人感」を表している?
そして、仕事として作曲してる感じなのかな。ここでもユズとの対比で、「
プロとアマ」なのかな。
出番は少なめですが、キャラクター表れています。

その他のキャラクター

バンドのボーカル深桜は、定番の「三角関係」を予感させますね。
あきらかにユズ好きそう。三角関係は大事ですね。
そして、他のメンバーと揉めるのかな。醍醐味ですか。

オネエキャラのハルヨシ。オネエなの?
最近の少女漫画には「中性キャラクター」は普通なのかな。
中性キャラクターは、男性側にも女性側にもつけるので、けっこう使い勝手がいい。
男性向けの物語だと、最近だと女性みたいな男性もたまに見ますか。

物語を面白くさせるには「」は大事です。
覆面は、いろんな謎が含まれていますね。

ニノはなぜマスクをしているのか?
ニノは誰が好きなのか?
ニノがモモを好きなら、ユズのことをどう思っているのか?
ニノは、どっちとくっつくのか?それとも…
ニノはユズとモモと、どういう過去をすごしたのか?
なぜ、ユズはニノをさけるのか?
なぜ、ユズは留年したのか?
なぜ、ユズは作曲できなくなったのか?
なぜ、モモはニノをさけるのか?
ほんとのこころを隠してるというけど、みんなは何を隠しているのか?

などなど。

出会い

恋愛モノでは、特に「出会いのシーン」が大事です。
覆面は、出会いの工夫がいいです。

まず、ニノとモモとの「仮の出会い」。廊下でのすれ違いシーン。
二人の現状、テーマを表しているシーンとなっていますね。
伝えたいけど、伝わらない。すれ違い。

そして、ユズとの出会い。
部活紹介でのユズのバンドが演奏。ニノがユズを発見し、演奏にあわせ急に歌い出すと。
2人の約束となるシーンですね。そして、後はニノの追っかけと。
普通にただ出会うのでなく、作品のテーマやインパクト、キャラクター表現をまじえた、強いシーンとなってます。

そして、モモとの出会い。
直接あっていなく出会いのシーンとはいえないけど、お互いが認識したので出会いのシーン。
ニノがユズのバンドに特別参加し、歌うと。
モモに対して叫びのように歌い、モモに届くと。
また、2人の約束のシーンとなっています。もちろん、出会いは約束です。
そして、ユズの時より強いシーンとなり、モモに対しての強い思いを感じれる。

激しい出会いとなってます。

引っくり返し

ライブ中の決めセリフ。
わたしの声は、ずっと、モモだけのものだから
この声は、ずっと、僕だけのものだから

ニノが好きなのかと思いきや、あれモモの方が好きなの?という流れに。
どんでん返しの引っくり返し。
ひっくり返すと、強いオチになりますね。

説明セリフ

ラストのユズのセリフ「ぼくたちは、ほんとのこころを、かくしてる」。
このセリフがあるから、ああ…みんな隠してんだ…とわかります。
こういう明確で、説明的なセリフがポンってあると、物語がみやすくなりますし、今後視聴者が何をたどっていけばいいのかがわかりやすくなります。

ちなみに、オープニングシーンのニノの「わたしの声は、まだ届かない」もそうですね。
そういうセリフをポンって投げ入れるのもセンス。

ファンタジー

ライブで、ニノはモモの声を聞きます。

リアルでいうと、「イヤイヤ、ライブのうるさい中で、そんなの聞こえるわけないじゃん!」と言いたくなります。
しかし、それが物語。ファンタジーです。

リアリティとファンタジーをどこで出すかがポイント。
あえて、嘘をつくことも大事です。嘘のつきどころにセンスがとわれる。
ここでの嘘をつくことで、ロマンチックが最大にあふれる結果となっています。さすが。

普通の作り手は、ここでこんな嘘つけないと思います。
普通だったら、せいぜいモモがつぶやいて、たまたまニノの目にモモの姿が止まったといった感じにするでしょう。プロは違いますね。

道具

ニノは、なぜかマスクをしている。
まあ、後でその理由が語られるのかと思いますが。
マスクは、シンボル的でいいですね。隠してる感じがして。

道具といえば、謎の覆面バンド「in NO hurry to shout;」(通称:イノハリ)も道具ですね。
今後、何か強くからんでくるのかな?

おわり

これぞ1話というぐらいに、プロのいろんな技巧がこらされています。
さすが人気があるだけありますね。

次回は、ニノが誰を好きなのかハッキリするのかな?
タイトルもなんとも強いし。
プロの面白い技巧がみれる作品となりそうです。

それでは、また。

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出典:福山リョウコ・白泉社/アニメ「覆面系ノイズ」製作委員会/アニメ『覆面系ノイズ』(BSフジ 2017年4月18日放送)第1話