S.T.Cの制作探求クラブ

創作の探求ブログ。主に「絵を描く」「物語を作る」「漫画を描く」ことについて研究してわかった役立つ情報を発信

【分析】アニメ『レガリア』 「放送版」と「復活放送版」の比較(1話)

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を1つのテーマで分析した内容を読むことで、分析力が鍛えられるシリーズ。
テーマは「修正(リライト)」についてのお話。

【Amazon.co.jp限定】レガリア The Three Sacred Stars 1(早期購入特典:QP:flapper描き下ろしミニ色紙(ユイ)付&レガリア復活放送記念DVD付)  (全巻購入特典:「QP:flapper描き下ろし全巻収納BOX」引換シリアルコード付) [Blu-ray]
『レガリア The Three Sacred Stars』Blu-ray 1巻

今回は、アニメ『レガリア The Three Sacred Stars』の「放送版」と「復活放送版」の1話『姉妹』の比較をします。比較といっても、細かい作画がどう変わったとかではなく、修正前の「放送版」の問題のあったストーリーがどうよくなったのかという点について検証したいと思います。

アニメ放送中に、修正前と修正後でどう変わったかを検証できる機会はめったにないので、物語を作る人にとってはレガリアは参考となる作品となると思います。
「放送版」がBDになることはなさそうなので、録画してる人に限りますけど…

他のレガリア関連の記事はこちら
アニメ公式サイトはこちら

★レガリア真実の物語
レガリア The Animation Company ☆☆☆
』公開中!
レガリアが本当に描きたかった真実はコレだ!
愚かなことに、僕らはレガリアの真実が何も見えていなかった…
(1~5話までを見た人用)

修正されてどうなったのか

アバンのセリフ

修正前のアバンの12年前のシーンは、ほとんどセリフはなかった。
まあ、「作品の雰囲気」の紹介という感じ。

修正後は、セリフがあちこちに追加された。
ヨハンもうすぐ見られるよ、ルクスの力がね…
特に、このセリフが追加されて、ストーリーがよくなったと思う。
セリフがない時は、いるのかいないのかという状態で、見ててスルーする感じだった。
あれ?アバンに出てたっけ?って感じ。
しかし、セリフがあるだけでヨハンの存在感が増した
そもそもラスボスっぽい感じなので、修正前の存在感がないのはよくないよね。

また今後の伏線(前フリ)となるようなセリフを入れているので、謎がわかりやすく生まれ、今後の伏線回収の流れが自然と生まれ、視聴者は見やすくなる。
ここは実験と外でのバトルが並行してて、本筋がどっちなのか少しぼんやりしてるシーンなので、セリフで締まったともいえる。

レナがケイについていく

修正前はケイに突然あって、いきなりレナがホイホイついていくのがとても不自然だった。
12年も一緒に暮らしてきたのに、ちょっと曖昧な会話をして、いきなりユイと別れてついていくほどの事情がレナにあったか疑問がのこる。
一応自分がロボット事情があるけど、それでもあっさりついていかないだろう。リアリティに欠ける部分になっている。
裏でレナに事情があったとしても、視聴者に少しでも説明しないといけない。

そして今回の修正で、次のセリフが追加された。
ケイ12年前にリムガルドで起こったことを、この国でも起こしたくないでしょ?

脅迫ではないが、何かこの国に(特にユイに)不味いことが起こることを感じ、ユイを守るため泣く泣くついていったという事情を感じられ、前よりは自然なシーンになった。
リアリティが増し、シーンの説得力が増した。

レナが戦うために変身

修正前は、あんまり戦う気はなかったけど、仕方なく戦う感じになっていた。
めんどくせーな、じゃあ戦うか…のような(そこまでじゃないけど)。

修正後では、次のセリフが追加された。
敵の男何ならこの街の人間全員殺したっていいんだぜ!
それにレナが強く反応し、戦う気になり変身する。

この言葉があるだけで、レナがユイを守りたい気持ちが強く出る。説得力が増した。
街の人間=特にユイに危害をくわえようとするの?そんなことさせない!と。

またテーマである「守る」ということが強調されている。
先の「レナがケイについていく」のセリフも、同じようにテーマを強調したセリフともいえる。繰り返して強調している。そのことでストーリーは強くなっていく。

まとめ

他にも、細かい作画の修正などあるみたいだけど、ストーリーに大きく影響している点はこのへんだと思う。

この程度のセリフを修正するだけ、ストーリーは以前よりだいぶよくなった。
特に、ストーリーがうまく機能していない大きな問題の1つの「いきなりレナがホイホイついていく点」が修正され、テーマを強調することに成功している。

まだまだ弱いところがあるけど、まあ1話はいろいろとシーンをつめ込まなければいけないので大変だと思うし、またいろいろと修正したい点はあったのかもしれないが、時間と予算がなかったのかも。
大きく描き直すのは無理があるし。もしかしたらBDに収録する時は、さらに修正されている?

とにかく今回は「セリフの修正だけでもストーリーはよくなる」という例になったと思います。
いやー、セリフってほんと大事ですね。

次回の「復活放送版」の2話も検証していきますので、お楽しみに。

出典:
Regalia Project/TVアニメ「レガリア The Three Sacred Stars」(BSフジ 2016年7月11日放送)1話
Regalia Project/TVアニメ「レガリア The Three Sacred Stars」(GAYO! 2016年9月1日配信)1話

他のレガリア関連の記事もあわせてどうぞ
【分析】リアリティの弱さ「謎」の弱さ
【分析】「放送版」と「復活放送版」の比較 1話2話3話4話
【感想分析】復活放送前夜祭5話「反撃」6話「神機」7話「過去」8話「帰還」9話「継承」10話「孤立」11話「牢獄」12話「奪還」13話「家族」(最終回)全話「総括」おまけ「レガリアの真実」