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【分析】アニメ『レガリア』 「放送版」と「復活放送版」の比較(3話)

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物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を1つのテーマで分析した内容を読むことで、分析力が鍛えられるシリーズ。
テーマは「修正(リライト)」についてのお話。

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今回は、アニメ『レガリア The Three Sacred Stars』の「放送版」と「復活放送版」の3話『真心』の比較をします。比較といっても、細かい作画がどう変わったとかではなく、修正前の「放送版」の問題のあったストーリーがどうよくなったのかという点について検証したいと思います。

アニメ放送中に、修正前と修正後でどう変わったかを検証できる機会はめったにないので、物語を作る人にとってはレガリアは参考となる作品となると思います。
「放送版」がBDになることはなさそうなので、録画してる人に限りますけど…

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修正されてどうなったのか

今回も予定どおりの微修正です。一見、よくみないと違いがわからないような。
大きくシーンを変更したようなところはまったくありません。
さて、微修正してどうなったのかシャキシャキみていきたいと思います。

黒い池

マジシャンに自爆された後に、アレクトの周りにできる「黒い」池?が「」に変わりました。

たしかに一面黒だと、背景がわかりづらくなる
カットによっては画面の下から中間ぐらいまで黒一色で、下の地形がどうなっているのかわかりづらいです。ただの地面なのに、穴が開いているように見えたり、アレクトが浮いているように見えたり。いろんな背景の想像ができてしまいます。
そういう余計なマギレをなくした修正かと思います。

ティシス登場の地面

修正で、ティシスが空からドッカーンと降りてきた地面に凹みができました。
まあ、あれだけの勢いて降りてきて、地面がなんともないのも確かに変ですね。
リアリティが増しました。

また4話での登場時の破壊とのアヤとなり、4話破壊の強調となりましたね。

ヨハンくんのセリフ

ティシスが登場し、邪魔されてつまらなそうなヨハンくんのセリフ。

まぁ、せっかくだから譲ってあげるよから、まあでもこれで3体目。カギは全てそろったわけだに変わりました。
わかりやすい説明的な前フリですね。
今後の展開を想像させてくれ、また1つストーリーの方向性がハッキリした
修正前は、全体的にストーリーの方向性がボンヤリしてましたからね。

4話ではイングリットがリムガルド王国の姫という情報がわかるので、勘のいい人はこれでイングリットの目的がわかるでしょうね。イングリットの欲しいものが。

レナスパーク

レナの意識がおかしくなり浮かんだ時に、ユイが手を伸ばしてレナの手に一瞬ふれ、手を離すシーン。

修正後は、触れた瞬間に「スパーク」が発生するようになりました。
修正前では、その後にガッチリつかんだ時だけスパークを入れてましたが、ここにも入りました。

最初このシーンをみた時も、たしかに不自然なシーンだなと思っていました。
触ってすぐ離したので、何か痛みでも走ったのかな?とは思ったけど、そういった演出がされていないので、あれ?違うの?あれあれ?みたいな、なんとも煮え切らないシーンでしたね。

話は別ですが、このシーンで気になるのは、ヒモみたいなものがコクピットを覆い、目がギョロギョロって出てくるじゃないですか。キモいのが。しかも赤く血みたいなのがドロドローと。若い少女だったら引きますよ。でもユイはあまりそういう反応がないのが不自然です。
それを見て、一瞬でもいいから強張ったような顔があったらリアリティがでてましたね。おびえながらも、グッと唇をかみしめてレナを助けるとか。こういうところで弱さをみせたら、ユイの高感度がさらにあがったのに。

イングリットテレパシー

イングリットがヨハンくんにもう十分よというテレパシーのセリフの前に、一瞬イングリットがどこかにいるカットが入るように修正されました。

これいるのかな?
誰がテレパシーでしゃべったかは明確になるけど、ちょっと唐突すぎてよくないですね。
戦いを見てるなら見てるで、前の方で1カットでもイングリットが観戦しているシーンがないと不自然さがあります。前フリが必要です。

しかし、テレパシーを使えるなんてファンタジーですね。

サラのひと息ついたセリフ

戦いが終わった後、サラのもう大丈夫みたいだねというセリフが追加されました。
このセリフがなかったので、彼女たちは何のために戦っているのが謎すぎました。
まあ後の喫茶店のシーンで明かされはしますが。

あえてにして、後で答えをいって視聴者をモヤモヤさせ惹きつける手法ではありますが、そこまで謎にするほどのことでもなかった。
むしろストーリー全体が謎が多すぎて、変に混乱する感じになったのかも。
だからなんで戦ったかわかりやすくしたのかも。

しかし自衛隊?のヘリが来て、ティシスは去るのですけど、ティシスが敵か味方かわからない状態で自衛隊が無謀にやってくるのは不自然ですね。
側近たちのカットが、前に入っていれば別ですけど。
長官が「このままでは何か危険だ。みんな発進だ!」とか。

また側近たちが戦いを観てるのに、彼らのカットが1カットしかないので人形と化してますね(その1カットも微妙だし)。
途中にもう少し他にも彼らのカットがあり、いい演技があれば戦いの緊張感がより増したのに。

今気づきましたが、いつからかロボットアニメは司令室とのからみが出てきましたが、それって「緊張感を増させる効果」があるんですね。司令室って、視聴者と同じ立場なので感情移入しやすいし。

ユイと側近たちの会議

戦いが終わった後に、ユイと側近たちの会議のシーン。
ユイが今から復旧作業を見に行くことはできませんか?といった時。

ユイの表情が、「可愛い顔」から「厳しい顔」へと修正されている。
またユイの「」が疲れた感じにヨレたり、ほつれたりした感じの作画になっている。
あとの、疲れてるでしょ的なセリフにあうように、疲れた顔にしたのだろう。
リアリティが増した。

毛布

戦いが終わり、2人がおやすみのシーン。
毛布が「ベージュ」から「」へ修正。

最初、やはり皇女の毛布だから、少し凝りたかったのかな?
ベージュで、高級感?
でも、そんな余計なことをせず白へ。
2話でも毛布が修正されてたけど、余計なことせず整合性を合わせたのかな。

たしかに、こういう身分の人の毛布って悩みますね。
その身分の雰囲気にも合わせないといけないし、でも凝ったら描くの面倒くさいし。

アニメで毛布というのは鬼門なのかな。
そう考えると歴代のアニメの毛布を見たくなった!
今度、アニメの毛布を語るカテゴリを立ち上げようかな(笑)

屋台のお兄さん

Bパートが始まり、ユイが屋台のお兄さんにこれ、お菓子ですか?と聞くシーン。

屋台のお菓子が「リンゴ飴」から、「動物?のお菓子」に変わっている。
カッパ?、ハチ公?、ニワトリ、白鳥と並んでいる。

たしかに修正前のリンゴ飴をみて、ユイがお菓子かどうか聞くのは不自然だ。
初めての祭りじゃないだろうし、リンゴ飴はどう見ても定番だろうし。
修正して自然なセリフになった。

この後、ユイにみんないろいろ物をあげるシーンとなるが、子供からもらうのはちょっと…
姫として、子供からはきちんとお断りする反応がみたかったかな。雑なシーンともいえる。

転ぶ幼い少女

レツとレナが屋台の中を歩いている時に、幼ない少女が転ぶシーン。

少女のツインテールが、「上ツインテール」から「下ツインテール」に修正(正式名称を知らない)。
というかよく見ると、修正前は始め上ツインテールなのに、途中から下ツインテールに変わっているというおかしな作画に…
こんなミスするなんて、よっぱど時間がなかったんだろうな…

ちなみに上ツインテールだと、レナの髪型とかぶるのでよくない
その姉妹の光景をみて、レナがユイとの小さい頃を思い出すのだけど、転ぶがレナと髪型がかぶり、妹と姉の関係が紛らわしくなる。
レナのような妹が転ぶ姿をみて、姉のレナが妹のユイを思い出すとなりプチ混乱をおこす。
そういうマギレをなくすために、下ツインテールを選んだのかもね。

あと、ふと思ったけどレガリアはあまり回想がないな。まだ1度もない?
ちょこっと回想を入れるだけでも、レナとユイの関係性が深く感じられるようになるのだけど。
口で「仲良しだったんだ」というより、そういう昔のシーンを実際にみて、視聴者は「ああ、そういうこと本当にあったんだな」とリアルに感じれるし。

また、小さい頃のユイを出すと視聴者は歓喜するだろうし(笑)
まあ、後の回にとっておいているのかな。

ユイとサラが会話

ユイがサラと初めて出会って座って話を聞いているシーン。
サラ自分でスリーサイズをいわないほうがいいなって、オジちゃんいってた
そのセリフのサラの手つきの動きが変更。
軽く円運動」という感じだったけど、「にぎにぎ」って手つきに。

ネタをとことん追求している姿勢が見える。

レナとティアとの会話

レツの家のキッチンで料理をしながら、レナとティアが会話しているシーン。
ケイの話題の時に、会話の始まりをケイとケンカしてるの?からケイと会ったの?に変わる。
そのあとのセリフも微妙に変わっていたり。

まあどっちでもいいんじゃないかなと思える修正。
というか、ティアはどうしてケイがやっているということを知っているのか?
そこがだいぶ不自然。
マジシャンとの戦いを見てたとしても、ケイとマジシャンがどう関わりあるのよ。
またヨハンくんがいたらかといっても、なんでケイがやったということになるのよ。
ご都合的なとこ。

ティアが「あれ、何してたの?」と聞いて、レナが「実は…」、黒幕、「…なのよ」ならわかるけど。

まとめ

他にも細かい修正があると思いますが、考察しがいがあるのはこのへんかな。

今回は、不自然なところがいくつか修正されたし、ストーリーもまた一歩よくなったと思います。
どっちでもいい修正でなく、ちゃんと意味のある修正になっているところもありますし。
といっても問題があるところは、まだまだありますけど。

3話のバトルアクションは素敵でしたね。
動きはとてもかっこいいし。迫力がある。
また昔はよくあった必殺技的なものも、なんともいえないですね。

しかしシークレット情報のネタは追求していますね。
多分、今後の回でもなんらかのアクションはあるでしょう。
やるからには、制作陣の魂をかけてとことん追求してほしいですね。
最後はとっても面白いオチをお待ちしております(笑)

さて、次回ラストの「復活放送版」の4話も検証していきたいと思います。
最後になるのも残念ですね。ではお楽しみに。

出典:
Regalia Project/TVアニメ「レガリア The Three Sacred Stars」(BSフジ 2016年7月25日放送)3話
Regalia Project/TVアニメ「レガリア The Three Sacred Stars」(GAYO! 2016年9月15日配信)3話

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