物語を作る上で、読み解く力「分析力」が必要となります。
作品を「創り手の視点」の感想を読むことで、創り手としての視点を鍛えるシリーズ。
今回は、アニメ『レガリア The Three Sacred Stars』の第5話「反撃」の感想分析をします。
※ネタバレあり
『レガリア The Three Sacred Stars』Blu-rya 3巻
5話「反撃」のあらすじ
自分達の弱さと向き合い、皆に支えられていることに気づいたユイとレナ。二人はアーベルにもう一度会うことを決め、ある計画を立てる。悩みながらも自分らしいエナストリア皇国女皇としての在り方を見つけるユイ。そして建国記念日当日、決意を固めたユイとレナはアーベルと再び対峙する。
レガリア公式サイトより引用
5話の構成
- アーベル氏に合う準備
- 国民とアーベル氏への決意表明
- バトル
- バトルを終えて
感想分析
放送版が第4話でいったん打ち切りとなり、(微)修正された復活放送版が再度第1話から放送され、やっとのことの第5話の放送。
待ちに待った人達もいるのではないでしょうか。
たっぷりの作業時間を確保できて、どんな仕上がりになってるでしょうか。
さて、気になったシーンを視ていきましょう。
(アバン)朝のレツのお祭り準備
ティアとサラと一緒に、祭りの準備をしているレツ。
というか、まだ祭りやってたんだ…だいぶ長いな。
当初、なんで祭りをやってるか知らなかったけど、建国記念日の祭りだったのかな?
または制作側の「レガリアという祭りはまだ終わっていないよ!」アピールでは!
そこへスポーティな格好でやってくるユイ。
だいぶ新鮮な姿なんて、可愛い。
そういえば、ほとんど私服姿なかったな。制服か、皇女服か、寝間着かで。
今までなかった分、だいぶイメージがよい。
ある意味、覚悟を決めた「新しいユイ」として少し強調されているかな。
GOOD!GOOD!
で、以前のアヤとなっているレツとユイの「ラブシーン」。
再びハグするユイ。
繰り返しの表現で、印象が強まり、よい表現だと思う。
そして、次にティアとサラにハグをするけど、「緊張と緩和」が使われていて良い。
レツとの時は「緊張」で、それを「緩和」するためにティアとサラと。
GOOD!GOOD!
しかも「朝」ということで、後の「夜のバトル」を強調する形ともなり、朝にしたのはとても良い。
GOOD!
よいシーンだと思う。
ちなみに「建国記念日」という設定も、「新しいユイ」を強調している。
あんまり建国記念日ぽくはないけどね。あれ?建国記念日って今日だよね?
(Aパート)ユイが家に帰ってくる
ユイが帰ってきて、着慣れてない服に恥ずかしそうなレナ。
レナの可愛さが表現されていて良い。
しかもレナも新しい服をきて、「新しいレナ」といった感じが表現されている。
GOOD!
でも、ここのシーンは、始めレナがドアから顔を出した時に「軽く服が見えている」のがマイナス。どうせならちゃんと隠して、顔だけ出して、パーンと洋服お披露目的にしてほしかった。
後は、ややゆっくりにカメラで下から上へと。
ユイの支度を手伝うレナ
支度を手伝っている背景には、毎回問題がおきる「魔の毛布」。
まあ、今回は別に問題ないかな。
シーツは「青」で、毛布は「白」か。毎回、色が違うのか。
まあ、皇女ですから毎日取り替えますよね。さりげなく清潔感が表現されている。
そういえばキャラクターの表現として、あまり「清潔感」ってないよな。新しい技かも。
陸軍大将の会議
全力で守る!
と会議でビシっと決め顔のマーシャル陸軍大将。
アレ?なんか顔違ってね…こんな顔だったっけ?
先のマーガレット首相も、ちょっとなんかこんな顔だったかな?って感じだし。
まあ、顔をリアルにして緊張感を高めてる手法だけど、なんか違いすぎなような。
『北斗の拳』みたい。
しかし、毎回側近たちは頑張っている風なのだけど、「頑張ってる感」がいまいち空回りしてる感じだ。結局、タイマンバトルして終わりだからな…
何かしら役にたった事実がないと、いまいち効果が弱い。
アーベル氏とマーシャル陸軍大尉
アーベル氏に会いに行く、マーシャル陸軍大尉。
イヤイヤ、なんで居場所知ってるの!
まあ、ここは気にしないほうがいいのかな。
しかし2人のドラマを感じれるシーンとして、良いシーンだと思う。
前の回でも、何か2人に関係がありそうな感じを、かもし出てたしね。
こういう小さいドラマが、作品のドラマを深めてくれる。
GOOD!
飛行機の中のユイとレナとアオイ
うっ、今回は「飛行機」でバトル上へ行くのか。
私の好きな車の運転手は出てこないか…(詳しくは、比較4話記事にて)
イヤイヤ、彼なら飛行機も運転してるかもしれない!
しかし、変わった飛行機内だな。さすが皇女専用機。
3話バトルの残り物
アレクトとティシスがバトルした時に、氷の木が生えているアレクトの部品のカットが表示される。
えー!コレまだあったの!なんだコリャ!
しかも氷だいぶとけてるし、ってとけるの遅っ!
まあ、後のバトルの前フリ。
敵の本拠地で、イングリットとアーベル氏
アーベル氏が部屋に入っていくと、無言の圧力でヨハンくんが追い出される。
そして、アーベル氏の横を通った時に「フッ」と、少し後に廊下で「フッ」。
2回もあってしつこい!どっちか1回にしてほしい。
イングリットレガリアの真の力を引き出すのは、ヨハンの人形にやらせればことたりるわ
といってアーベル氏を止めようとする。
イヤイヤ、あんた最初に彼がやると言い出した時、何も言わなかったじゃない!
不自然なところ。どうせなら最初から反対しようよ。
前の4話は、イングリットとアーベル氏の関係性が少しも表現されてなかったしな。
しかしアーベル氏の顔、ちょっとおかしくない。
なんか顔でかくなってね?もっとシャープな体型だったような…
しかも顔の幅広くなっている?
顔を、緊張感出すためにリアルにしたせいで、でかくなった?
いや違うか、私の読みが浅い。これはレガリア・ギアの影響だ!
手がボコボコとかなってるし。顔にも影響でたんだよ。きっと!
レガリア・ギアのせいでアーベル氏の顔がむくんでるんだ!
なんて細かいリアリティを追求した演出なんだ…さすがレガリア!
ユイとレナがバトル上に到着
ユイ達をおろし、飛行機が去っていった…
今回は、前回みたいに残らないのか!
イヤ、彼のことだ。本当は残る気満々だったけど、ユイに説得されたのだろう。
イヤ違うか、アオイが乗っているからか。
1人だったら待つけど、他に人がいる場合は待てないか。
さすが運転手!
でも「夜」の場面というのはいいよね。
前回のバトルは「夕日」と、時間帯に気を使っている。
成長のシンボル的な意味合いなのか、雰囲気を変える意図なのか、アレクトの属性「闇」にかけているのか。
GOOD!
(Bパート)ユイの覚悟の表明
映像をみてる国民とアーベル氏にむけて、ユイが覚悟を表明する。
しかし、こんな形で市民に伝えることになるとは…
ちょっとコレはどうなのか。強引な感じ。
そして国民の反応のカットがほぼないので、少し弱い。
反応はレツだけだしな。
国民に向けてるのに、国民の反応、顔や表情が見えない。
なのでユイの言葉が弱くなる。
あとユイがみんなと一緒に歩む!
と覚悟のキーとなるセリフをいうけれど、その前の飛行機の中でもみんなと一緒に歩む!
といった発言をしてるので、一番決めたいところでこの発言が決まっていない。
こういうのは繰り返されると弱くなる。
飛行機の中の発言はいらなかった。
どうせなら飛行機降りてからの「レナの気持ちの吐露」は、飛行機内のシーンでよかったかも。
アオイなくして、2人っきりにして、横並びの椅子にして、やや薄暗くしてさ。
シンボル的にも、飛行機で飛んでいる途中というのは、降り立つ場所、気持ちがさだまっていない感じを表せるし。
そこで気持ちが定まり、降り立つならよかった。
バトル開始
大事なバトルなので、しっかり変身シーンを見せる。
そういうの大事だよね。
しかし、変身した後の市民の反応も弱いな。
で、バトルか。今回はいきなりデカイ剣使うのか。瞬間移動キックじゃないのか?
デカイ剣使うと、スピード遅え。
一方、ティアが戦いに行こうとすると、
サラユイちゃんにレツをお願いっていわれたでしょ
ティアそっか
で、行くのをやめる…エーそれでいいの?ちょっと強引。
でもバトルシーンはいいよね。
迫力あって、カッコいいし。
レガリアの大きな見どころのひとつ。
GOOD!GOOD!GOOD!
レナの深層意識
やられちゃう~ってとこで、レナが深層意識?へもぐり、裏レナと出会う。
そしてついに「幼い頃のユイ」が回想で登場!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
って歓喜した人続出だろう。
今まで回想がなかった分、ためてためてこの1点に集中され、決まった!
GOOD!GOOD!GOOD!
契約
レナがユイに力をかしてほしいと求める。
「レガリアの呪縛」というデメリットがあるが、ユイは力をかす。
アレ?たしか本契約すると「不死」になるんじゃ…
エー!ちゃんと説明してないよ!
契約書はしっかり読まないとダメー!簡単に契約しちゃダメー!
まあ、ユイならそれでも契約するか。
ここのずっと一緒だよ
というセリフだが。この5話では、3回いっている。
バトル上に到着時に1回、幼いユイが1回、ここで1回だ。
バトル上に到着時のセリフはいらないかもね。
ちょっとしつこいので、このセリフがやや決まらない。
ユイ、戦います!
契約が終わり、ユイの手の操作部分が変形する。
すると、3話の残り部品が瞬間移動で飛んできて、切られた右腕が復活!
なんじゃコリャ!
制作側の裏設定とかあるのかな?
なんか知らないけど、インパクトは出る!
同じように第3話のティシスとのバトルでもそうだけど、バトル中に意味不明な木の氷になった時のように、わけはわからないけどインパクトは出る演出といえる。
GOOD!GOOD!
ユイが初めてバトル発声をする。ハァァァァァァ!
と。
なんかイイよね。
今までバトル中何も発声がなかった分、さらにすごくグッとくる。
GOOD!GOOD!
で、アーベル氏をフルボッコ。
小さいとこだけど、アレクトが正面アングルで、突っ込んでくる時の「ドンドンドンドンドン」という歩く音イイよね。
GOOD!
最後の一撃勝負!
必殺技前の呪文をユイとレナが2人で喋る。
なんかイイよね。こういうかけあい好きだな。
GOOD!
2人一緒に必殺技を叫ぶ。グラファイト・チャージ!!!
なんかイイよね。ベタに必殺技叫ぶのって。
GOOD!GOOD!
バトルが終わって
敵の本拠地。
ヨハンあーおもしろかった。さすがアーベルくん。死んじゃったけど
ヨハンくん酷い!酷いけど、イイ!セリフの言い方のトーンもイイ!
GOOD!
しかし、バトル終わった後に、マーシャル陸軍大将の反応のシーンも欲しかったかな。
なら、さらにドラマが深まったのだけど。
側近たちの反応と一緒に、マーシャル陸軍大将にカメラがよって「アーベル…」とかつぶやいてさ。
ちなみにレガリア・ギアに侵食されるアーベル氏だったけど、もっと強い侵食具合がほしかったかな。顔もちょっとボコボコしだすとか崩れるとか、少しロレツまわらなくなるとか。それをアーベル根性で持ち直すと。それで、よりお互いの覚悟感が強くなったろうし。
ラスト
飛行機がユイの知らぬ間に、国民の集まる会場へ。
国民がウワァァァァァァー!!!
と歓喜する。
…それでいいのか国民達よ?と思ってしまう。
なんてチョロい国民達だ!
リアルに考えると、わけわからんバトルに恐怖する国民もいるだろうし、レナに対して恐怖する国民だっているだろうし。
そのへんの難しい対応も、皇女としての大事な役目なのだけど…もしかしてこれで国民説明終わり?次の回で説明する?しないならユイにとって難しいことを、ご都合にした感じになるな。
ふと、思う。
もしかして国民達は「映画の撮影」かなんかと勘違いしてないよね?
建国記念日に、ユイ出演のちょっとしたオモシロ映像とか考えてないよね?
エナストリア国民ならありえるから怖い…
イヤもしや…シークレット情報で国民の気をそらしたように、怪しいロボットなんていませんよ。実は今回のための撮影でした!テヘペロッ!作戦とかじゃないよね。
まとめ
大きな問題としては、「国民に対する説明」かな。
ここを次回にきちんと説明するか、またはスルーするのかという点。
「みんなとにかくユイ様に賛成!」という国民は、リアリティは弱い。しかし、まあそういうテイストと考えれば仕方ないにしろ、説明は大事かな。
他にも、あちこちに少し問題はあったけど、全体的にはだいぶ良い回だった。
ユイやレナ達のキャラクターや感情も表現されていたし、緊張感もあったし、演出もよいところがあったし。また、見せ場のバトルアクションはとても良かった。
今後の展開に期待できそうですね。
今回は「緊張の回」だったので、次回は「緩和の回」でしょう。
公式サイトの先行映像でも「お楽しみ回」っぽかったし。
それでは、次回にまたお会いしましょう。
出典:Regalia Project/TVアニメ「レガリア The Three Sacred Stars」(GAYO! 2016年9月29日配信)5話
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